文字列を共有する文章 [その1]
はじめに
今回からは、これまでに見つけたゾナウ文字のもつ特徴や傾向等についてお話しようと思います。最初の記事を書き始めたときは、私の解読記録を時系列でまとめようと思ったのですが、後から考えたら分かりにくくなりそうと思ったのでナシにしました。なのでとりあえず、ゾナウ文字に関する発見をいくつかの記事にしてまとめて、更なる発見があればまた追加していきたいと思います。
それと最初の記事で書き忘れていたのですが、私の記事ではネタバレありでゲーム終盤の資料も紹介していくつもりです。この記事ではゾナウギア全種や四地方クリア後の資料等が出てきます。未クリアの方はご注意ください。
さて今回は、文字列を共有する文章についてまとめたいと思います。ゾナウ文字から成る文章群の一部は、同じ文字列を共有していることがあります。これらについて一つひとつ紹介していきます。
文字の割り当て
この割り当てについて知りたい方は、下に載せた前回の記事を参照してください。この画像は、これからも記事の冒頭に載せようと思います。
至る所にある"abkdefg"
普遍性について
"abkdefg"という文字列の全部または一部分は、祠や神殿など、ゾナウ構造物の存在する至る所でみられます。
この文字列は画像で示した以外にも、本当に様々な場所でみることができます。実は現在までに発見した全てのゾナウ文字列はデータ化してあり、更にそれを分析するツールをExcelでつくってあるのですが、下はそのツールを使ってデータ中からabkdefgの一部でも含むものを抽出したものです。
たくさんあるので、一つひとつが小さくなりすぎて読めないですね。どれだけの数があるかを何となく分かってもらいたかっただけなので、別に読まなくて大丈夫です。"abkdefg"を共有する文字列がどんなものに書いてあるか知りたい方は、下に記載する資料置き場に分析ツールがあるのでそれを使ってみてください。資料置き場には、発見したゾナウ文字の画像全てとそのデータブックも一緒に置いてあるので、興味があればそちらもどうぞ。
この"abkdefg"という文字列はタイトルロゴにも書かれていて、もし意味があるとすれば相当重要ではありそうなのですが、残念ながらその意味どころか意味があるかどうかすら分かっていません。あまりにも多くのものに書かれているので共通項が見つけられず、推定することすら難しいというのが現状です…。
"abkdefg"という文字列の一部だけが記述されているものについて、それらの多くは支柱や壁、床や照明柱といったものですが、何文字目から何文字目までが抜き出されているかはまちまちです。仮に"abkdefg"が意味をもつとして、その一部を抜き出したこれらの文字はどのような意味をもつのでしょうか。抜き出す文字の位置によって意味が変わるのでしょうか。それとも、意味などもっていないのでしょうか…。
全体における、"abkdefg"構成文字の出現頻度
また、全てのゾナウ文字のデータの中から上に示した文字列群を除いて「頻度分析」をすると、興味深い結果が得られます。「頻度分析」とは、それぞれの文字が現れる回数を数えて、どの文字がどのくらい使われているかについて求める分析です。上記のデータについて頻度分析を行ったところ、"abkdefg"の一部でも共有する文字列は除いているにも関わらず、使われている文字は"a","b","d","e","f","g","k"がそれぞれ他よりも明らかに多くなりました。
つまり、"abkdefg"という文字列は至る所にあってとてもよく現れますが、それを抜きに考えても"abkdefg"の構成文字は頻出であるということです。
頻度分析についてはまた別の記事にしようと考えているので、とりあえず今回はここまでの紹介に留めておきます。
一部のゾナウギア"acfenh"
一部のゾナウギアにはゾナウ文字が書かれており、更にその一部は"acfenh"という文字列の全部または一部が書かれています。
〇ゾナウ文字が書かれているゾナウギア
◎"acfenh"を共有するゾナウギア
・扇風機"fenh"
・翼"acfen"
・台車"acfen"
・携帯鍋"fen"
・火龍の頭"acf"
・光線の頭"cfe"
・氷龍の頭"fen"
・雷龍の頭"enh"
・放水柱"acf (左右反転)"
・操縦桿 [ハンドル]"acfe" , [底面]"acf"
・ソリ"acfenh"
・大砲 [砲身]"acfen" , [底面]"acf"
・おきあがりこぼし"cfe"
・杭 [底面(反時計回りに読んだ場合)]"acfe"
・追跡台車"acf"
・ゴーレムの頭"fe"
◎"abkdefg"を共有するゾナウギア
・タイマーバクダン"kdefg"
〇ゾナウ文字が書かれていないゾナウギア
・大きいタイヤ
・小さいタイヤ
・スペアバッテリー(小)
・ライト
杭の底面については、反時計回りという少々イレギュラーな読み方をすれば、"acfenh"の一部となります。
同じ文字が書かれているのは、「翼と台車と大砲 [砲身]」、「携帯鍋と氷龍の頭」、「火龍の頭と放水柱(反転を無視すれば)と操縦桿 [底面]と大砲 [底面]」です。また、頭シリーズは火龍→光線→氷龍→雷龍の順でしりとりのように繋がるようになっています。
ちなみに、この"acfenh"という文字列は、バッテリー製造機上部の小円筒にも書かれていたりします。つまり"acfenh"とは、ゾナウギアを動かす動力であるバッテリーに関する語なのでは?と最初は考えましたが、この文字列が刻まれたゾナウギアにはバッテリーを用いないものも含まれているので、必ずしもそうとはいえないかもしれません…。
この項目ではゾナウギアに書かれた文字に関して記してきましたが、これについては既にまとめられている方がいます。ぶっちゃけこの方の記事のほうがとても分かりやすくまとめられているので、ぜひこちらも読んでみてください。
各地の柵やフクロウ像"acfein"
前項の"acfenh"とよく似た文字列"acfein"を共有するゾナウ構造物も存在します。「柵」など行く手をふさぐもの、「柵の開閉に関わる構造物」、「フクロウ像」です。
柵等
画像は雷の神殿の柵ですが、フィローネにある3つの遺跡窟(フロリア川上流、樹海スグラント、樹海フィンラス)や祠など別の場所の柵にも同じ文字があります。
柵ではないですが、祠内部にある鍵のかかった扉にも文字列の一部が書かれています。
柵の開閉に関わる構造物
仕掛けを解くことで柵が開くような構造物にも、文字列の一部が書かれています。歯車の文字は時計回りにしりとりのようになっていて、繋げて読むと"acfein"が繰り返し現れます。またこの歯車は、同じ模様のものがいくつかの祠内部にも存在します。祠内部の歯車は柵と連動しているものもあれば(リオゴコの祠)、していないものもある(ナチョヤハの祠)ようです。
フクロウ像
フクロウ像にも、"acfein"の文字列が刻まれています。
"acfein"の文字列をもつものは、フクロウ像を除けば「柵等行く手を阻むもの」あるいは「それの開閉に関わるもの」として統一性があるのですが、フクロウ像だけはそれらとの共通項がみえず、浮いてしまっています。フクロウ像の存在によって、"acfein"という文字列の意味について推定することも難しくなっています。
[番外]祠の天井の波紋"acf"
祠内部の天井には、緑色に光る波紋の中にゾナウ文字"acf"が浮かんでいます。これは前項"acfenh"の一部なのか、それとも"acfein"の一部なのか分かりません。けれど一応、ご紹介まで。
"acbein"
また、"acfein"とよく似た文字列"acbein"という文字列の書かれた場所も存在します。これについては、後編でまとめようと思っています。
後編について
ここまで書いてみたら思ったよりも長くなってしまったので、一度区切りをつけて二つの記事に分けたいと思います(追記:後編も書いていたら途中で新発見をしてしまい、長くなってしまったので全体を3つに分けました)。前編ではある特定の文字列を様々なものが共有している事例を紹介してきましたが、後編では二つの別のものに書かれた文字列の大部分が一致するいくつかの事例を紹介したいと思います。