いとこのジョアンナ最終回

二人がマッチしたその日から、二人が最初のバレンタインデーを迎えるまでのメッセージ履歴を、英語のニュアンスを残して和訳しました。二人の了解は得ています。
ここまでの温かい御高覧、ありがとうございました。最終回です。この、『いとこのジョアンナ』は、自分がネット小説用に書いたものの中で、最も思い入れが詰まっている作品です。皆様の一つ一つのスキが、とても励みになりました。しかし困った事には、手前の用事が立て込んでしまいまして、ここから更新のペースが篦棒に落ちてしまいます。とはいえ、より一層面白いモノを書く為に日々精進して参りますので、どうぞこの鳩尾を、ざっくばらんに御頼み申し上げます。
それでは最終回、どうぞお楽しみ下さい🙇‍♂️

《2019年1月1日(火)》
「ハッピーニューイヤー!」
「今年は最高にいい年にしようぜ😎😎」

《2019年1月10日(木)》
「ハッピーニューイヤー!」
「いいね!じゃあ、最高にするための最高のプランを聞かせてもらおうかな?😏」

「うーん🤔」
「特にこれといってはない。」
「二人で、最高になるよ!って言い合っていくっていうのは?🤷‍♂️」

「催眠術?」
「君、絶対に催眠かかりやすいよね笑」
「私には効かないと思うな。」

「そうかな?じゃあ二人で試してみようよ、催眠術😎」

「絶対スケベな事するじゃん。バレバレ。」

「俺はスケベな事をしない。何故ならそれは俺の意思ではないから。それは、宇宙の意思であり、それこそが、真理なのである。もし仮にそれが俺のつまらない利己的な欲求だとするならば、それは、この銀河という単位で考えると、とても小さなモノ。元素の様なモノなのだ。そう、それはこの多元宇宙における星間空間マントラのほんの一欠片。意味、わかる?」

「で?笑 全く意味を成してないよ🤷‍♂️」
「でもね、本当に自分が小さなモノの様に思えるんだ、時々。宇宙は何も気にせずに今日も動いてる。」
「君と私が、会った事もないのに、こうやってたまに、インターネットを通じてやりとりをしてる。」
「私の中ではこれはとても大きな事なのに、こんなにも心が動かされるのに、宇宙は私達のこれを知らない。私がいなくなっても、君と宇宙は止まらずに明日を迎えるし、君がいなくなっても、宇宙と私は明日を迎えてしまうの。」
「本当に小さい小さい存在なんだよ、宇宙からしたら。」

「何そのニヒリズム。あー、自殺サークルの勧誘ですか?😅」
「はは、笑えないか😅」
「笑わすんじゃなくて、そばにいるべきなのかな?こういう時。」
「今が、君が前に言ってた、一人で眠りたくない夜?」

「うーん。どうだろうね?😎」
「ちょっとした、危機?」
「話しすぎた。寝ないと😪私、ミステリアスでモデルみたいなんだもん。そうだったよね?😏」
「おやすみ!素敵な一日を過ごしてね😘」

ムーミンのスタンプ

「そうだよ。だけど、小さくたって、君は宇宙で一番の俺のいとこだよ。」
「インターステラー・グッナイ😴」
「いい夢みろよ😘」

《2019年1月20日(日)》
「よ!今日電話できる?」

《2019年2月1日(金)》
「よ!調子どー?2月だね。まぁ、とくに面白いジョークがあるわけでも、特別なんかがあったわけでもないんだけどさ。君と話したいなーって。宇宙の仕業だな、多分🤔」

《2019年2月14日(木)》
「ハッピーバレンタイン俺のいとこ!🤩」

『スポンジ・ボブ ズボンは四角』着せ替えテーマのプレゼント。

「これ、おれから😏」


「くそったれ。君なんて」
「ファック・ユー ・マイ・コズン」
「ファック・ユー」
「私はね、ずっとウソついてんだよ。何でそんな事するの?私はどうやって、このクソみたいなウソを続ければいいのさ。」
「LINEだって君としかしてないんだよ。こんなの貰ったって、スタンプ貰ったって、使い道ないんだよ。誰にも自慢できないんだよ。使いたくたって使えないんだよ。」
「お返しだって思いつかない。なんでか分かる?」
「私がもう40歳の奥さんだから。」
「サプライーズ!ん?どう感じる?何て返す?」



「ごめんね。本当にごめんね。今、ちょっと落ちついた。このまま、話していいかな?」
「そう、これが危機。中年の危機。」
「君が私って思ってたのはね、落ち着いてて、着飾ってない、ミステリアスでモデルみたいなのは、私の姪っ子。リサっていうの。」
「ある日ね、妹が、あの子のインスタグラムを見せてきたの。昔の私に似てるって。本当に似てた。そっくりだった。そしたらなんか昔の事を沢山思いだしちゃって。」
「私だって昔はミステリアスでモデルみたいだった。君は言ったよね、クリティカルだねって。本当にそうだった。男の子の調子を持ち前の皮肉で狂わせて からかってね、ナンパをしてくるテストステロン馬鹿を、的を得た皮肉で撃退してやるの。でも今じゃ、皆んなは何て言う?これはクリティカルでも何でもない。ただの、おばさんの不機嫌。」
「結婚して"お嫁さん"として生きていく必要なんてない。私は自立してる!とか言って素足丸出しの格好で外に出てみたと思ったらね、時々、とってもフェミニンな格好をしてデートに行くの。そして、気付いたらやっぱり結婚してた。」
「一人で眠りたくない夜がよくあったけど、今は旦那から離れて眠りたい。冷蔵庫の目の前でだって、地下室でだっていいから、一人で眠りたい。」
「君がさ、スポンテニアスなんだって言った時、気付いたの。私、それがいつのまにかなくなっちゃってるって。最初はちょっと昔を思い出すだけのつもりだったのに、君と話すのがどんどん楽しくなって、話してると昔の自分に戻れる様で嬉しくなっちゃった。昔は、君にもリサにも負けないぐらい輝いてたんだから。」
「そー、これが私が君に会えない理由。電話の時に声をからかわれて怒る理由。君は旅行やパーティーに行く度にプロフィール写真を変えられるけど、その一方で私が同じ様にできない理由。」
「あのね、フリーフォールを落ちている感じなの。でもそれは、すーっごく長くて、時々スローモーションの様にも感じる。」
「ごめんね。こんな事、まだ若い君に言って。意味わかんないよね。でもね、それを止めてくれたのが、君。私のいとこ。」
「本当にごめんね。」

「へー、40。それならなんか、納得できるところもあるわ😅」
「でもさ、どーでもいいよ🤷‍♂️」
「それに、まだ輝いてると思うよ。見た目がどんなかは知らないけどね。けど、その考え方?前に言ってた、レディの心…かな?スローモーションのフリーフォール?なんか、クールじゃない?多分、凄く輝いてるよ。」
「それに君、言ってたじゃん。クッソでっかいフリーフォールは、人生で一回は経験するべきだって😎」
「あー、それじゃあ、電話、する?」

「え?」
「まだ電話したいの?私と?リサとじゃなくて?」

「もち。」
「君は俺の、いとこのジョアンナだから。」

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