ヘソノオが怖かった
桐箱に入ったヘソノオを初めて見た時、めっちゃ引いた。
カッサカサになった有機物を大切に取っておくその文化に引いたのか、オッカーの切れ端と意識して引いたのか、その見た目か、はたまたその全部か、とにかく私は引いた。
あんな怖い桐箱あれ以来見たことない。てか桐箱見たことない。
もう見ることないんじゃないかな、もう開ける機会ないんじゃないかな、いやーでもこわいなーこわいなー、そんな事を考えてもう一度箱を開けてみた日の話。
どれだけヘソノオが怖かったか、私の主観に立って頂くために、先ず皆様には、性自認が女性の方にも男性の方にもノンバイナリーの方にもこう考えて頂きたい、
あなたは男性に一切の興味がない人間。性的な意味で。いいですね。
オチ○チ○をみても、「君のせいだよ。これをどうにかしてくれよマイラブ🥺」と情け無い顔で銀々のそれを差し出されても、「あゝ、オチ○チ○出していますね」程度に冷静チン着。
それが身体的或いは権力的に大きな相手で危機を感じたならばトラウマになるし訴えるし絶対に許さない。
ある程度の信頼関係と均等なパワーバランスがあり、そのオチ○チ○がTPOに合っていないのならマナーを説く。
過度な男嫌いではない。ただ、興味がない。そこまで性的指向をチューニングして頂きたい。
それがこの時の私だ…ってわけではない。
けれどもう一歩先へ進もう。
過度な男嫌いではないあなたの目の前に『美女と野獣』のあの薔薇の様にガラスケースで囲われたオチ○チ○が用意されたとする。そして横にいる銀髪ちょび髭バトラー:じいやが訊ねる、
「こちらは正真正銘世界一のオチ○チ○です。年代物のウンヌン、サンドペーパーなどとんでもございません!絹とオイルです。メンテナンスを一度だって怠った事はございませんカンヌン。世界に十人しかいないユニバーサル・チ○ポコ・アンバサダーが認めた汚れのない状態で、傷のない状態、極上のいっぽん。テイスティングはいかがですか?」
それがこの時の私だ。
手にしてみますでしょ?ペロッと舐めてパクッと咥えてみますでしょ?
だから私は桐箱をもう一度開けた。
実際にはしていないが↑の比喩的表現に従うのなら、ペロッと舐めてパクッと咥えたって事なのかな🫢
やっぱり怖かった。説明できない怖さがあって、近くにいないで欲しいと思った。押入れに隠されたガイコツだった。友達の父さんのデコトラに転がっていたエロ本。CSでたまたま観た『蠅の王』。金八先生で八乙女君の母親が隠していたシャブだった。
御託を並べても生命の神秘と親の寵愛を愚弄する世間知らずのあまったれ坊主の主観なのだが、本当に怖かった。
パニックというか、Panic! at the Tatamiだった。捨てるのはいけないと察した。或いはオッカーと私を繋いでいた命の供給ラインを生ゴミに捨てるなんてのはディスリスペクトにも程がある、と思ったのか、とにかく「ここにあってほしくはないけど何かの糧になはなってくれ」そう願って飼っていた猫を呼んだ。
呼んでも来ないバカ猫だから私から出向いた。
日向ぼっこをしていた。
日向にヘソノオを置いた。
「よし!」言ってみたが食わなかった。「まて」もできないバカ猫なのに食べなかった。
猫は毛繕いをはじめた。かわいかった。
子猫の時に子供の私が拾った猫だった。
賢い猫だった。バカな息子だった。
私はまだオッカーに謝れていない。