メガネを新調したら、悪の魔王になって人生変わりそう
中学生のとき眼鏡ユーザーとなって早20年。
旅行や運動の際コンタクトを使う以外、ほとんど眼鏡をかけて生きてきた。
今使っている眼鏡はちょうど10年目。
途中一回買い換えたけど、すぐ目や頭が痛くなってしまいその眼鏡はほとんど使わなかった。決して安い買い物ではないので、今度眼鏡を買うときはきちんとしたお店で購入したい。
そんな折とうとう使っていた眼鏡が限界を迎えたため、友人がおすすめしてくれた「オプテリアグラシアス」という眼鏡屋さんへ行ってきた。
全国住みやすい街ナンバー1のJR吉祥寺駅から歩いて10分くらい。
まずは入店しカウンセリングシートに記入・・してる間に、店の電話がずっと鳴っていた。
そして受付から「2月の予約はほぼ埋まっておりまして」「土日の予約は最短で3月〇日になります」という店員さんのすまなさそうな声が聞こえる。
そうだ、すっかり忘れていたけど私もなかなか予約が取れなくて2週間以上待ったんだっけ。
そして店長さんとご対面。
「ハイッまずは生活習慣から伺っていきますッ」
「は、はいっ!」
普段スロペースな話し方の私からすると、店長さんの話し方は早口に感じる。しかし普段使うPCの位置や姿勢など、視力とは一見関係なさそうな項目まで迅速に、しかし丁寧にカウンセリングしてくださった。
そして検査。
私はこれまで眼鏡をつくる検査というと、cの向きやひらがなが見えるか確認したり、ぼけていく 気球の画像を見る検査しかしたことがなかった。
ところがこちらの店の検査は。
「近視の角度みていきまーす」
「目の筋肉量みまーすッ」
「この棒を2つ持って、見えた形を棒で教えて」
「次、目の中スキャンしていきますねー」
「はい次、夜間の見え方チェックしまーすッ」
と、怒涛の検査、検査、検査。
ちらっと店長さんのPCを盗み見したら、少なくとも検査項目は35~40個あったように見えた。「それでこの早口か、予約詰まってるもんな」とぼんやり思いながら、次々来る質問ノックを打ち返していき、店長さんからフィードバック。
「普通、人の利き手と利き目は同じなんですけど小澤さんは逆で、元々珍しい見え方をする目の持ち主です。加えて右と左でモノの見方も全然違うし、乱視もかなり進んでいる。それで10年いわゆる普通の眼鏡を使っていたということは、相当ガチャガチャな世界を苦労して見ていたということなんですけど」
店長さんは私のカウンセリングシートに視線を落としながら「本当に今まで大病とか、なかったですか?」と聞いてきた。
一瞬「あっ筋腫」と思ったけど「ええ・・まあ・・」と口をつぐんだ。視力なんて絶対関係ないと思って黙ってたのに。いやいや関係ない、関係ない、、はず。
店長さんは「まあこれからは、小澤さんの目にちゃんと対応した眼鏡をかけることで、だいぶ色んなことが変わっていくと思いますよ」とおっしゃった。
そして検査は終わり、フレームのデザイン選びへ。
今回の予算(合計で5~8万くらいにしてほしい旨)を伝え、せっかくなので私に似合いそうなフレームを店長さんに選んでもらった。
店長さん「あなたみたいに生真面目そうな人見ると、ハチャメチャなデザイン眼鏡かけさせたくなるんですよね~♪」
私「一抹の不安」
結果、ディズニーのヴィランズ(悪役)がかけてそうなフレームと、無難なデザインのフレーム含む7本のフレームを選んでくださり、ここまでのスピード感とは打って変わって「どれだけ時間を掛けてもいいから、デザインは自分の納得するものを選んだ方がいいよ」とアドバイス頂いた。
無難なやつでいいやと思っていると、私の右手にあったヴィランズフレームが「ククク・・お前の人生は本当にそれでいいのか?」とささやきかけてきた。かけてよく見てみると結構かわいいデザインだ。
でも会社にかけていったらなんて言われるだろう。親は良い顔をしないだろうな。私はこれまで通り目立たない、無難なフレームでいいや思っていた時、ふと天から
「自分が思うほど他人はそこまで見てないよ」
という声が聞こえた気がして、ヴィランズフレームに決定した。
ヴィランズというより悪の手先の小役人という雰囲気だけど、まあいいだろう。
お会計はもろもろ含めて計58,300円なり。眼鏡の完成は5月。
モノの見え方が変わったら、私の人生も変わるかも?なーんて淡い期待をしながら、悪の末端小役人になる日を待っている。