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私をとことん抑え込むと、「私」は浮かび上がってくる

数年前、知人が開いていたアロマオイルの講座に行ったときのこと。
なんでもお家で使えるアロマスプレーやボディオイルを作れるとのことで楽しみに行ったところ、講座の大半の時間が主催の方の生い立ち話(アロマとの思い出話)を聞かされて終わってしまったことがあった。

アロマオイルについて知りたくてその場に行ったのになあ・・と、トボトボと帰宅。

その後、大阪にある文章教室に行ったとき。
生徒さんの一人に気功をやっている人がいるという理由で、文章の先生が「今日は文章ではなく、〇〇さんに気功の授業をやってもらいましょう!」言い出し、その日は気功のレッスンに。

当時はとっさに自分の気持ちを言語化する力がなく、そのまま気功のレッスンを受けておひらきに。
「文章について学びたかったなあ・・」と涙目で夜行バスに揺られて逗子に帰った。

色々な学びの場に顔を出していると「このお値段でこんな素晴らしい場を提供しているなんて!」と感動することもあれば「あんな高い値段でこの内容かい・・」と憤慨することもある。高くて素晴らしい内容だったことも、安くて散々な内容だったこともあった。

そうして自分が文章教室を開くのを決めたとき、まず思ったのは「謳っていることは必ず実行する」ということだった。

「お料理がうまくなる」を謳う教室ならば、お料理ができるようになる方法を。「書道が楽しくなる」を売りにする教室なら、書道の楽しいレッスンを。
当たり前かもしれないけれど、コンテンツを忘れて終始自分語りしている先生に何回か当たってしまった自分は「文章の苦手意識が得意に変わる体験を」というテーマに沿うよう、しっかり講座の中身を作り込んでいった。

満を持して迎えた初回の講座。

座学と実技が無事に終わり「何か質問はありますか?」とお聞きすると、ご紹介でいらしてくださった参加者の方のお一人から「文章のことはよくわかったので、これまでの仁美さんの話をもっと知りたいんですけど・・」という質問が。な、何!?この世界にそんなことを思ってくれる人がいたのか!?

いやいや、これはお世辞を言ってくださっているだけの可能性もあるぞと呼吸を整えながら「でも文章には関係ないことですので、後ほどメールで・・」と誤魔化そうとするも「私も知りたいです、仁美さんのこと!」とおっしゃる方も。観念して自分の人生をかいつまんで1分でお伝えした。

文章の世界では、なるべく「私」を消すといい文章になると言われている。私ってすごいでしょう、私って文章うまいでしょう、という自意識を消せるだけ消すことで、不思議と文章から書き手の人柄が浮かび上がってくる。

りんごの行商だけで妻子6人養っている片山さんという方は、ひたすらりんごへの愛をお客さんに語るらしい。するとお客さんの方も「あんたがそれだけ言うなら一つちょうだいよ」となり、1日10万から30万の売り上げを稼ぐ。りんごが欲しいというより片山さんから買いたいというお客さんが増えていく。

今回の講座でも、私は自分の話を極力排して文章技術の話に終始した。しかし自分の行き過ぎた文章愛や想いが、参加者の方にとっては一周回って私への興味につながった・・ようだ。

自分らしさを出さないように、出しゃばらないように。そう思っても自分らしさというのは滲み出てしまうものなのかもしれない。










今日もお疲れ様でした。
こちらのエッセイもぜひご覧ください。

文章で自分らしさを、響かせる。
これからの時代を生きるために役立つ文章講座、10月スタートです。

入門編は毎月開催中。まだまだお席ございます!


なるべくお金を使わないようにしてたら、お仕事の依頼がピタッと止まってしまいました。
お金というより、自分のエネルギーが大きく動いているときはお仕事もくるような気がしてます。ということで、自分を使い果たす方向に舵を切ります。


最後までお読みくださりありがとうございます。
明日も気張りすぎず、適当にしっかりで参りましょう〜〜


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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。