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集客は、言語化が9割
知らない人からfacebookメッセンジャーというアプリでダイレクトメッセージが来たことがある。
内容は「〇月〇日に私が主宰で講座をするのですが、来ていただけませんか。Fecebookでつながってるお友達も多いので、ぜひ!」というものだった。
集客に困っているから一人でも多く講座に来てほしいのだろうか。そんな意図をメッセージから感じてしまって、すぐにその人をブロックしてしまった。
私という人間を見ているのではなく、参加者候補1人としか見られていない感じがあって「私の身体目当てだったのね!」じゃないけど、ベットの上でタオル一枚の私が泣いているような気がした。
「会社員を辞めてコーチになろう」「おうちでサロンを開こう」と、自分の名前で仕事をするのを目指す方がまず直面するのが、こうした集客どうしよう問題ではないかと思う。
単純計算で1人・1時間・1万円で何かのセッションを出来るようになったとして、税金や生活のことを考えると毎月25人くらいは集めないと厳しいだろう。配偶者やお子さんを養わなければならないのなら50~60人くらいだろうか。昨今の日本では、それでも厳しい気がする。
毎月何十人も新規のお客さんを呼び続けるのは現実的ではないので、ほとんどの人がこの辺りで「自分のサービスを求めているお客さんはどこにいるのか」という問いと向き合うことになる。
私が新卒で入社したのは完全歩合制のリラクゼーションサロンを展開する会社で、配属されたのは関東郊外の駅から離れたスーパーの中にある、小さなマッサージ屋さんだった。
さすがに土日は10人単位で施術に入れるものの、平日はお客さんが1人もいないというのはよくあり、交通費も出ない会社だったので出勤するだけで赤字という日もあった。
ビラを撒いても大声で呼び込んでも、歩いているスーパーのお客さんが見向きもせず食料品売り場に向かっていく、あのときの無力さは忘れられない。
あれからずっと私は「いくら素晴らしいサービスでも、需要と供給のバランスがあっていなければ、商売にならないのではないか」という問いについて、考えていた気がする。
自分のサービスの質を高めたり、SNSのつながりを増やすことも大切だ。しかし自分で仕事をしていこうと思ったとき最も大切なのは「どんな人に何を提供できるか」を言葉にすることじゃないかと思う。
よくfacebookをみていると、私のお友だちに自分の名前で仕事をしている人が多いせいだろうか
「〇日に講座しまーす!とっても緊張するけど・・仲間と頑張りますので、きてください!」
といったイベントの告知がよく出てくる。せめてもうちょっと言語化しておくれよ、、と思う。
冒頭に書いた突然講座への参加をお願いしてくるメッセージを送ってきた人も、おそらく私以外の人に、何人も同じ内容のことを送っているのだろう。
突然知らない人に参加のお願いをする時点で私はNGだったけど、せめて「この講座に参加すると何がどうなる」くらいは書いてくれたら、心動かされた人もいたんじゃないだろうか。
「大丈夫、私を信じて!」という言葉だけでは人は動かない。
でも「この商品をこの人から買いたい」とお客さんが思うとき、そこにはきっと「どうしたらこの商品が売れるのか?」を頭がちぎれるほど考え、調べ、また考え抜いて紡いだ言葉があるのではないかと思う。
まずは自分の想い、やっている事業への想いをひとつずつ言語化すること。
全然華やかではないけれど、その積み重ねが会社の力を借りず、自分で生きていくことの一歩に繋がっていくのだと信じている。
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