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死ぬほど頑張れない自分がコンプレックスだったけど

睡眠不足に弱い。
基本的に徹夜はしたことがない。宿題が間に合わなさそうな時も寝ることを優先し、先生に怒られる子ども時代であった。

子どもの頃は徹夜で勉強するという、受験生はすごいなと尊敬の眼差しで見ていた。私も18歳になったら頭に「必勝!」というハチマキを巻いて、お母さんが作ってくれる夜食のラーメンをすするのだろうか、とぼんやり思っていた。

しかし実際には学習したことを脳に定着させるためには、睡眠は不可欠。夜食は良質な睡眠を妨げる、と先生たちは口を揃えて仰っていて、徹夜も夜食も結局経験せずに受験を終えた。
最後のゆとり世代である私の歳の人たちで、徹夜して勉強したという人はあまり少ないように思う。

社会人になってからも、7~8時間寝ないと調子が出ない体質である。できれば10時間くらい寝ていたい。知り合いの経営者のおじさんなどは「僕は1日2日寝なくても全然元気だよ!」と言っていて、もはや同じ人なのかと疑ってしまう。身体のつくりの何かが決定的に違うらしい。

ちなみに自分は空腹にも弱い。朝はしっかり食べてお昼はできれば13時まで、19時には夕食を取る生活が、自分にとっては一番調子がいい。15時にお茶とお菓子がつまめればなお良い。
サービス業時代はいつ食事が取れるかわからない環境で、胃酸で胃がやられてしまった。世の中には食事を抜いても全然平気という人がいるが、自分は少なめでも3食(プラスおやつも)しっかりいただきたい。

そんな睡眠不足にも空腹にも弱い自分が、長い間何だか嫌だった。現代社会のサバイバルを生き抜いてる人は、みんな寝なくても食べなくても何かに集中しているように見える。でも自分は寝て食べないと集中することができない。

「明日こそ絶対5時に起きるぞ!」と思っても目が覚めたら8時だったり、みんな昼休憩なしで働いているのに、自分だけこっそりおにぎりをかじらないと持たない。そんな自分に、いつも少しだけ負い目があった。

しかし以前Twitterで「『死ぬ気でやれよ、死なないから』は、普通に死ぬ」と呟いてる人がいて、食い入るようにその人のつぶやきを全て見たことがあった。ブログまで見に行った。

その人いわく、杉村太郎さん・XJAPANのhideさんなど「死ぬ気でやれよ、死なないから」と言った人たちが早くに亡くなっていることから「頑張ることは大事だけど、自分が壊れない程度の頑張りが大事」ということを述べていた。
ポックリ亡くなるならまだしも心疾患やうつ、なんらかの病気になって一生寝たきりになる可能性などを考えると、死ぬ気で努力することが一概に素晴らしいとは言えない、とも。

このブログを読んでいて気持ちが楽になると同時に、自分は社会にちょっと洗脳されていたのかな、とも感じた。専業主婦ではなく働かないとダメ、自分がやりたい仕事をしてイキイキしてないとダメ・・など、社会には無数の「こうでなくてはならない」圧力がある。

20年くらい前に「ポジティブ心理学」が流行った。なんでもかんでも起こったことはよかったことしか見ないという説だったが、提唱した方はその後、がんでお亡くなりになったそうだ。「こうでなくてはならない」はどうやら人がよりよく生きるのに、あまり向いてはいないものらしい。

もちろん目標や「こうなりたい」という、自分にとって力が湧いてくるようなエネルギーには、そのまま乗っかっていけばいい。無意識に「こうでなければならない」が出てきたら「それって本当かな?」とちょっと疑ってみるのが大事みたいだ。

大谷選手がロングスリーパーと聞いて、ちょっと胸を撫で下ろした民より。



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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。