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言葉、行動、プレゼント、、人との関わりは今この瞬間に決める

先日実家で読んでいた読売新聞の人生案内に「90歳の父親が免許返納しない」というお悩みが寄せられていた。

相談者のお父様は一人暮らし、小さいながらの農業を営んでいる。車で畑から直売所まで移動しており、免許返納とはお父様にとって地域やお客さんとのつながりを断つことになるので嫌がっている。しかし小さい事故を何回か起こしており、早く免許返納をさせたいがどうしたらいいかという相談だった。

この悩みに対し回答者は「免許返納しろと言葉で言うだけでなく、あなたが実際に車を運転してあげたり、行動で見せることが大切。免許を返納しても農業は続けられるし、つながりが断たれるわけではないと納得すれば良いのでは」という回答だった。

自分はこうした「言葉だけでなく行動で見せられる」ことに弱い。

小学生の頃、自分に影響を与えた漫画『こどものおもちゃ』にて、主人公・紗南が失恋のショックのあまり、子役の仕事が手がつかなくなってしまう場面がある。
彼女は田舎の山奥で映画の撮影中だったのだが、母の実紗子がヘリをチャーターして娘の危機に駆けつけると言う場面があった。言葉で「大丈夫」と励ますより、実際に飛んでくる行動力の方が、何倍も人の力になるのかもなあ、と子ども心に思っていた。

まあそれは漫画のお話、、と思っていた。しかし先日、宝塚の元娘役さんのインスタを見ていたところ「(当時お稽古が辛くて)夜中に泣きながら母親に電話したら、翌日の始発電車に乗って埼玉から兵庫の宝塚まで駆けつけてくれたことがあった」というエピソードが載っていて、実際にこんな豪傑かあちゃんがいることに驚愕した。いつか自分が母親になって子がピンチの時、4時に起きれる体力と往復3万の交通費がパッと出せる経済力は持っていたい。

もちろん言葉によるアプローチが一番響くという人もいる。別に兵庫までわざわざ来られるより、何かいいアドバイスをもらったほうがよっぽど嬉しいという人もいれば、あるいは何か励ましのプレゼントをもらった方が嬉しい人もいる。

タレントの上沼恵美子氏は「孫の面倒は見ない、その代わりお年玉に200万やる。これでシッターでも家事代行でも頼み」とお嫁さんに言っていて、それが神義母とネットでは言われていたけれども、お金はいいからお義母さんに手伝ってもらいたいなあ・・という小さいお子さんを抱えたお母さんもいるだろう。

要は、相手は自分がどんなふうに関わったら喜んでくれるだろうかと考えた上で、言葉なり行動なりをケースバイケースで判断しながら関わっていくことが大事である。その際に気をつけたいのは「あの人はプレゼントされるのが好きだから、ものを送っておけば大丈夫よね」とずっと同じ関わりでいることのように思う。

生きることは一瞬、一瞬の積み重ねだ。その積み重ねを一言で総括することはできない。行動で関わってくれるのが嬉しい私だって、プレゼントは嬉しいし、何か言葉を掛けてもらうことも大好きだ。

人は今この瞬間も変わり続ける生き物だから「今、この人にとって自分はどんな関わりがベストなのだろう?」という視点を持つことが、よりよい関係性につながっていくのだと思う。









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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。