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「全員が主人公」という意識で書くと、面白くなる

文章中に、何人まで人物を登場させていい?という質問を受けました。

例えば自分の10人家族の話を書くとき、10人全員登場させると読者は混乱してしまいます。
エッセイでも小説でも物語の主要人物は何人かに絞った方が読み手に親切ですが、実際のところ何人くらいが望ましいか知りたい、とご質問を頂きました。

わたし個人の感覚としては一話にメイン人物は2人まで。
3人でギリギリだと思います。

人は一度に把握できる数は「3」と言われています。

ビジネスの世界でも何か聞かれた時「〇〇が××で△△は・・」と終わりの見えない話を永遠にされるよりも「それは3つ挙げられます。まず一つ目に〇〇、二つ目に××、そして△△です」と答えた方が相手は聞き取りやすいそうです。
文章でも読者の意識を逸らさないためには3人が限度なのだろうと思います。

じゃあ3人出せばいいかというとそういうわけでもなく、登場人物全員に命を吹き込めるかと考えると、物語の人物が増えれば増えるほど、書き手の力が試される難しいものになります。

文章学校ではよく「登場人物を使い捨てるな」と言われていました。

主人公に都合よく動いてもらうために誰かを登場させるのではなく、登場させるなら意味を持たせなければならない。

実際の現実世界でも、他人が自分のために都合よく動いてくれることなどほぼなく、むしろ逆のことが多いです。
どんな脇役であってもそれぞれの人生があり、それぞれ重たいものを抱えています。
物語に登場させる以上はどんな脇役であっても、その人物を主人公にしたスピンオフの物語が書けるくらいの熱量を持って登場させるべき。と習いました。

となると必然的にそれほどの熱量を持って物語に登場させられるのは頑張って2人、3人が限度になると思います。

どうしても書き手は主人公を魅力的に見せなければと思いがちですが、むしろ面白い物語に求められるのは登場する全員が登場する意味を持っており、全員が光っていることです。
嘘を書いたり無理やり派手なエピソードを持ってくるのではなく、登場する人物の個性を引き立てるように書くことが大事です。

面白いドラマや映画は脇役まで光っていることが多く、その後スピンオフの作品ができることもあることを考えると、主役を目立たせるより全員を主役にするつもりで書く方が、面白い物語になるのではないでしょうか。


ただエッセイなど実際の体験を基にして書く時や、小説でもモデルとなる人を意識しながら書くときは、必ずその方に「あの時の体験を書きたいのだけれど」と了承を取りましょう。
勝手に自分の話を書かれるというのはモデルのご本人にとって相当びっくりすることらしく、プロの作家さんでもこの手のトラブルは多いので、念のため。



文章ワークショップは満員御礼となりました。いつもありがとうございます。

色々ありますが私は元気です。


最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。