タカラジェンヌが美しいお顔な理由
男役ファンが9割を占める宝塚歌劇団の世界では珍しい、娘役ファンである。
どんなみじめな、みっともない嫌われ役でも、必ずどこかに品のある凛とした美しいヒロインに仕立ててくる娘役さんたちが好きだ。
囚人の役なのにレースがひらひらしたドレスとか着てるところも、舞台上で胸を撃たれてるのに、愛する人の腕の中で一曲歌い上げてるところなんかも大好きだ。
そんなヅカの世界では娘役さんがフューチャーされる機会は少ない。だが宝塚が出版している月間雑誌「graph」では、たまに娘役さんのメイク方法が載っていることがある。
娘役ファンとしては嬉しいのでその号を買って、その娘役さんがやっているという普段使いメイクをやってみるのだが、あまり似合わない顔に仕上がることが多い。
化粧を落としながら「やっぱりひっとんは私とちがって可愛いもんな」「くらげちゃんは私とちがって美人やからな」と勝手にひがんだりしていたのだが、あるとき花組トップ娘役・星風まどかさんが「私は丸顔なので、大人っぽく見えるように化粧しています」と聞いてハッとした。
彼女たちは誰かになるというよりも、自分の顔を追求しているのだ。
私が習ったお化粧の方法は、デパートやスーパーの化粧品売り場でBA(ビューティーアドバイザー)さんから化粧品を購入するついでに教えてもらったものが多い。Youtubeを開くとたくさんのメイク動画が出ているので、今の世代は動画で学んでいるのかもしれない。
そうした多くのお化粧講座では「今のトレンドメイク」や「憧れの女優○○さんみたいになれるメイク」などを教えてくれる。
一方で宝塚ではとことん自分の顔と向き合う。そうして自分の欠点をなるべく小さく見せ、自分の長所を最大限に活かすためのメイクを、自分で探していく。
だから彼女たちがそれぞれ突き詰めた、自分が最も美しく見える方法というのは、必ずしも他人が真似すれば美しくなれるという訳ではない。そんな当たり前のことがやっと見えてきた。
noteをやっていると「どうやったらそんなに書き続けられるんですか?」とたまに聞かれる。私なりのやり方を教えることもあるけど、私のやり方をすれば必ず続けられるというものでもないなと思う。
続けられている人は、無理なく続けられる自分のやり方を模索し、実践しているようだ。
ワードプレスで毎日ブログをやっているという友人は、一日一投稿している。対して私は土日にまとめて書いておいて、それを2日に1度更新するスタイルだ。
私も以前は一日一投稿スタイルだったけど「今日の分まだ書けてない」という心理的プレッシャーで書けなくなってしまうことが多々あり、今の作り置きスタイルに落ち着いた。ところが友人はわたしの作り置きスタイルはどうも合わないらしい。
憧れの存在や、好きな人が「こうすればこうなれる!」とノウハウを謳っていると、私はついそこに飛びついてしまう。そのノウハウを真似すれば、憧れの存在に近づけるような気がするからだ。
だけどそれはあくまで参考程度にして、自分に合ったやり方をこれからも追及していくというのが遠回りに見えて一番の近道なのだろうと思う。
模索の日々は続く。。