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ギフトで成り立つ世界を創る ギフトシェアハウス“musubi” 龍見亮太さんインタビュー

モノやサービスをお金でやり取りしている私たちの生活。その価値観とは異なる考え方が、今世界中で注目されています。
代表的なものでは、「ペイフォワード」「ギフトエコノミー」などがありますが、それらは見返りを求めず、与え合い、助け合う社会。同等の代価が必要なわけではなく、お互いの誠意と信頼関係で成り立っています。
「ギフトシェア」はそんな考え方の進化形のようなもの。お金だけではなく、自分の得意なことや好きなこと、できることを与え合い、恩送り(誰かから受けた恩を、その人に返すのではなく別の人へ送ること)の循環を生み出していくという生き方です。
この「ギフトシェア」を世界中に広めるため、活動している龍見亮太さんにインタビューしました。

本当の豊かさって?

 ギフト(gift)という言葉には、「贈り物」のほかにも「才能」という意味があります。龍見亮太さん、通称Rioさんは、そういった「贈り物=モノやお金」、「才能=自分の個性を活かしつつ、誰かの幸せに貢献する関わり」など、たくさんのギフトが持ち寄られ、愛ある循環がどんどん生み
出されていく、そんな世界を実現しようと活動しています。

 Rioさんは東京都出身。大学を卒業後は、2社のコンサル会社に7年間在籍し、マーケティングや起業専門のコンサルタントとして活躍していました。当時は世田谷区に住み、港区・南青山で働いて、スーツはブランドもの……というライフスタイルをおくっていたRioさんでしたが、あるときネイティブハワイアン(ハワイの原住民)の文化に触れたのをきっかけに、東京での仕事や生活をすべて手放し、単身ハワイへと移住します。

 「そこには、これまでの世界とはまったく違った『自然とともに生きる』という世界観があったんです。そんな環境にどっぷり漬かりたいと思い、思い切ってハワイへ移住しました。ご縁を頂いたハワイ島では、山の中の広大な大地のファームで、パーマカルチャー(永続可能な農業をもとに、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法)を基本とした生活を送りました」

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 その暮らしはというと、朝5時半に起きて30分瞑想した後、前日に収穫したたくさんの野菜とフルーツでスムージーの朝食。その後2時間の農作業をし、ヨガで身体をほぐし、ファームのみんなと一緒に畑からもいだばかりの野菜でお昼ご飯を作って食べる。一休みした後、また2時間ほど農作業をして、そのあとはそれぞれ自由に大地を感じながら過ごす……というような大自然とともに暮らす毎日。

 そんな日々のなかで、「本当の豊かさとは、今まで自分が思い描いていたものとはまったく違うものなのかも?」とRioさんは思うようになります。また、ハワイ島の大自然から教わったのは「世界は命(=無条件の愛)の循環で成り立っている。愛を生きれば、すべてがうまくいく」ということでした。

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