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バイロンベイ 心がふるえた旅

 バイロンベイ…。
 その土地の名前をはじめて聞いたのは、いまから20 年以上も前のことでした。
 当時、ドルフィンスイムにはまっていたころに、ふと目にとまった1 枚の写真がありました。
 それは、ひざより下の高さの海辺で、ちいさな子どもがイルカをなでていたものでした。

 「いつか、ここに行きたい…」

 そう思っていたあこがれの地、オーストラリアのバイロンベイに、思いがけず2014 年と今年の2 回にわたって訪れることができました。
 バイロンベイに住むヌラとラハシャ博士のご自宅のセミナールームで、「Love &Relationship」のコースが開催されたからです。

 バイロンベイはゴールドコーストから車で、約1 時間ほどの場所にあります。
 日本との時差もちょうど1 時間なので、夜のフライトでも朝には到着するという、身体にやさしい移動です。
 とはいえ、日本は北半球で、オーストラリアは南半球です。日本は冬でもオーストラリアは夏ですし、それだけでなく、お風呂の水を流すと日本は左まわりですが、オーストラリアは右まわりです。
 時差こそすくないのですが、頭と足が逆さまな、ま反対の場所に行ったような感じでもありました。
 バイロンベイはサーファーとヒッピーの街といわれていますが、その通り、とても自由なムードでいっぱいでした。 
 男性はロングヘアにお団子結びが多く、女性は水着の上にサっと透け透けの上着を羽織っているぐらいでした。それに裸足で歩いている人が、たくさんいるのです。アスファルトの道路でもおかまいなしでした。

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 初日に出かけた灯台では、白砂が美しい浜辺を3 時間かけて、ゆっくり散歩をしました。
 きめが細かい砂浜は、1歩あるくたびにキュッキュッと音がして、そんなことも遊びのひとつに思えました。すこしずつ日常から離れていった時間でした。

 その灯台のふもとにある岩場に面した浜辺は、昔は人が来るような場所ではなく、アボリジニの女性が、海のなかで出産をするために訪れる…そんな神聖な場所だったそうです。
 私たちも裸足や水着になって、さっそく海へ入りました。それは、今回のラハシャ博士のコース前の「禊(みそぎ)」のような時間になりました。

 到着した翌日から、5 日間のコースが開催されました。
 このコースは、2015 年4 月に開催された「Love & Relationship」パート1、10 月に開催されたパート2 にひきつづき、最終章にあたるパート3 でした。
 すこしふりかえると、パート1 では「インナーチャイルド」を、パート2 では「依存」について、そして最後のパート3 では「男性性と女性性」を探究しました。

 女性の場合、内なる女性の割合が51%、男性が49 % なのだそうです。男性の場合は逆で、内なる男性の割合が5 1% 、女性が49%。
 このコースでは、自分の内面の女性的側面と男性的側面を見ていきながら、どのような信じこみがあって、それが外側の世界へと反映されているのかを見ていきました。役割の影響もあります。母として、妻として、娘として…。

 わたしたちの内側には男女両方の性があって、そのどちらか困難を感じている側の性を認めることによって、もうひとつの性も生き生きとしていきます。お互いが手をつないでいることが感じられるようになります。

 そして、内なる結婚(男性性と女性性の統合)が起きると、本来の自分らしさがあらわれて、それはまるで新しい誕生のようでした。祝福のエネルギーをたくさん感じました。

 参加者のみなさんが統合されて、美しく開花していったこと、また同じ体験を共有できたことは、かけがえのない、とてもすばらしい時間となりました。それは言葉では言いつくせないほどで、日本に戻ってきてから、みなさんが自分の性を満喫していることは、言うまでもないでしょう。

 コースのすばらしさはもちろんのことですが、ほかにも、たくさんの経験をしたバイロンベイツアーでした。

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 料理人のヌラによる愛情たっぷりでヘルシーな毎日の食事と、ヘルパーのギャナによる毎日のキャンドルとお花のあしらい。参加されたみなさんと、毎日同じお部屋に集まっては自炊をした、たのしい合宿のような時間。

 ひとりの時間をつくって、それぞれが海で内観をした静かなひととき。
 バリからやってきた、2 日前にできあがったばかりのヌラの神聖な寺院で瞑想をして、海辺のミュージシャンの演奏にあわせて、自分たちも一緒に踊ったり、まるでロコガールみたいに現地でドレスを調達したこと。

 毎朝、聞いたことのない南国の鳥の声で目覚め、道路ではウォーターメロンというヤモリともバッチリ遭遇。
 バイロンベイマーケットでは、おしゃれでオーガニックなショッピングをたのしんだこと。

 ラハシャ博士のお庭で採れたマカデミアナッツの殻を必死になって割りあいっこしたり、Deva Premal & Miten のコンサートを間
近で聴いて、一緒に「オーム」を唱えて、巨大なクリスタルに地球という存在と一体感を感じたこと。

 生命力あふれる花や植物からエネルギーをもらって…ときには誰かとやさしくハグをして、人のぬくもりや、あたたかさが会話のかわりに…、そして、仲間の気づきにともに涙を流したこと…。

 どこを切り取っても、涙が出そうなくらいに、きらきらと美しい時間が流れていました。

 「人生で、どのような体験をするか?」

 すべては、そこにあるように思います。

 この地を訪れ、ラハシャのコースを受講して、愛情あふれたおもてなしを受けて、仲間とともに学べたことに、心からの感謝でいっぱいです。


                             えつこ 記

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