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鎌倉さんぽ部 古都トコトコ日記 ―由比ガ浜海岸の巻―
三方を山に囲まれ、残る一方を海に臨む鎌倉は、その昔守るに易しく、敵側からは攻めるに困難な自然の要塞でありました。
今でも鎌倉に住んでいると、大きな器の中で守られているような感覚を覚えることがあります。
大きな器の中に居ながらも、一方に大きく開けた海があることで閉塞感からは自由となるのです。
そこで鎌倉の地形にとって重要な要素である海、そして私にとって最も身近な海である、由比ヶ浜海岸をご紹介したいと思います。
由比ヶ浜海岸は大きく分けて7月、8月の海の家のある夏と、それ以外の季節という二つの顔を持っています。
夏以外の季節は落ち着いていて、それでいて軽快なヒーリングミュージックの様な雰囲気を持っています。
それぞれの季節にそれぞれのよさを持つ海岸ですが、私はおぼろな春の海よりは、きりっと冴えた冬の海が好きです。
風のない穏やかな日であれば、冬でも暖かな日差しの中を、くっきりと映えた大島を海の向こうに見ながら、波音を聞きつつ稲村ケ崎まで散歩を楽しみます。
稲村ケ崎は天気の良い冬には「江の島と富士山と海」という三拍子揃った景観で有名な場所なので、三脚を立てたカメラを設置している方をよく見かけます。
気が向けば、稲村ケ崎の天然温泉に入り身体を温めて、帰りは湯冷めせぬよう江ノ電で帰ってきます。
夏、海の家が建つ7月、8月は、大勢の若者が派手な水着で闊歩するロックミュージックのような雰囲気です。
そして若者とは言えないお年頃の私ですが、海の家が建つのを心待ちにするくらい、夏の海岸も大好きなのです。
「海の家」と聞いて誰もが想像するような「海の家」ももちろんあるのですが、鎌倉の「海の家」はとてもモダンでお洒落なものや、タイ料理の屋台村などエスニックなお店も多いのが特徴です。
真夏のギラギラした日中の海は若者に譲り、私の楽しみは夕暮れを待って始まります。風の爽やかな海辺を散歩して、月が昇った頃にオープンスカイのウッドデッキを持つお洒落な海の家へ入ります。月を見ながらピザやパスタなど夕食を取ることもありますし、ビールやカクテルを飲みに、一人でふらっと出かけて行き、楽しむこともあります。
タイ料理の屋台村へは職場の友人と大勢で出かけて、ワイワイと色々な料理をいただきます。
そして9月、私に夏が終わるさみしさを感じさせつつ、海岸はまた落ち着いたヒーリングミュージックの世界へと戻るのです。
こうして由比ヶ浜海岸の二つの顔は長い間、大勢の人に愛されているのです。
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