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わたしを自由にする数秘 伊藤アジータ

それは、あなたの持つ才能や強み、今世の人生のテーマだけでなく、特定の時期における可能性とチャレンジ、さらには年ごとのテーマといった詳細な変化までも教えてくれる、頼もしい地図なのです。
ー伊藤アジータ

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数秘―数の神秘

 数の神秘をひもとく数秘は、最近、とてもポピュラーになってきた古代からの知恵の体系のひとつ。数は色彩と同じく、とても身近なもの。毎日の生活とは切っても切れないものですね。

 古代の知恵の体系の根本には、賢者が「真理がわたしたちを解き放つ」と説いている教えがあります。わたしが教えている数秘のユニークな点は、まさにこの教えどおり、「自由」に強調点があること。この数を持っているあなたはこうだ、と決めつけるのではありません。
 たとえば、色でいえば、イエローという質を持って生まれた人がいたら、その人の人生のテーマは、イエローの質を生きること。それは制限ではなく、自由への道しるべなのです。
 イエローに関するさまざまな体験に、透明な気づきの光をもたらしていくことで、イエローは徐々に光に満ちたペールイエローへと変容していく。人生を歩むなかで、内なるマスター、内なる神性が輝きだすのです。

 わたしたちが無意識のうちに作りだしてしまった困難や問題に気づきの光をもたらし、制限を解き放ち、本来の自分を思いだすことを助けてくれる。それこそが、このツールのすばらしさです。この制限に満ちた世界で生きる、新しい「在り方」を教えてくれるのです。
 数秘の起源には諸説がありますが、わたしが親しんできたのは、ピタゴラスの流れを汲む現代数秘学と呼ばれるもの。そして数もまた色と同様に、たんなる抽象的な概念ではなく、それぞれ独自の個性をそなえた、生きたエネルギーなのです。とはいえ、この2つは別々の体系なので、たとえば1という数は何色だというように、単純に置き換えることはできません。

内なる知恵とつながる

 そして、わたしは、なにを学ぶにしても、体験を通しての生きた理解がなによりも大切だと感じています。理論だけではなく、エネルギーのダイナミックなバイブレーション、その純粋な質を体感し、体得することで、実際の人生に活かすことが可能になるからです。
 それはまさに、自分自身の内なる知恵とつながることです。
 特定のエネルギーに翻弄され、右往左往させられている状態から、そのエネルギーを乗りこなし、マスターする在り方へと移行するのです。
 これは、ほんとうにグッドニュースですよね。「数のエネルギーをマスターすること」は、まさに、自らの人生のマスターとなることですから。

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誕生の瞬間、わたしたちにもたらされるもの

 わたしたちは誕生の際に、生まれ落ちた日づけと受け取った名前によって、特定のエネルギーの刻印を受けます。
 数秘の計算のベースとなっているのは、この地球に住む人々が共有する西暦のこよみで、そのエネルギーは、わたしたちの無意識に深い影響を与えています。
 仮に誕生日が一日違えば、人生のテーマも変わりますし、仮に同じ誕生日でも、受け取る名前によって、独自のユニークな刻印が与えられます。それこそまさに、今世、あなたが生きる人生の設計図だといえるでしょう。
 こんなイメージを思い浮かべてもらうと、わかりやすいでしょうか。
 生まれる前、無限で、永遠の、制限も分離もない、光に満ちた世界で、わたしたちは、まったき空として安らいでいました。どんな色にも染まらない、純白の、純粋な光そのものの世界です。
 そんなわたしたちは、あるとき、さらなる進化と学びのために、この世に降りてくることを選びます。自分の学ぶべきテーマにふさわしい、特定の両親のもとへ、特定の時期を「選んで」生まれてくるのです。
 それは大いなる宇宙の知性によってもたらされ、それ自体が大いなる神秘です。ですから、このイメージも、たんなるたとえ話にすぎません。けれども、とても興味深いたとえですよね。

 このように誕生の際に、人生の設計図、ユニークな刻印が、わたしたちになされます。
 けれども同時に、誕生の瞬間、わたしたちはその記憶のほとんどを失ってしまいます。
 この物質世界へと生まれ落ちるのは、雑多なエネルギーが渦巻く洗濯機のなかに放りこまれるような、とてもショックな出来事だからです。
 さらに言えば、人間の赤ちゃんほど無力なものはありません。
 幼少期には、面倒を見てくれる、まわりの人たちに全面的に依存し、愛情や食べ物を受け取るしかありません。そうした関わりの体験を通して、この世で生き残るための戦略のプログラム、すなわち条件づけの刻印がなされます。
 それは無意識の奥深くに刻みこまれるために、自分の内側を見て、気づきの光を当てていかないかぎり、わたしたちは同じ反応へと駆り立てられす。選択の余地なく、そう反応するよう「強いられる」のです。

 成人して、ほかの人に依存する必要がなくなったずっとあとでも、幼いころと同じ反応を繰り返すしかないとは、奇妙に聞こえるかもしれません。けれども、それがわたしたちの多くの現状なのです。

 そして、条件づけによって生きる人生は、制限と悲しみに満ちたものにならざるをえないのは、想像にかたくないでしょう
 わたしの師であるマンガラは、数秘のなかでも、とくにこの条件づけの数に注目していました。その情熱は、『わたしを自由にする数秘』という本となって実を結びました。
 彼女の遺作であるこの本は、明るい光と慈愛に満ちていて、条件づけのパターンの詳細と、そこから自由になる道を教えてくれています。

魂の設計図を読み解く

 数秘チャートへと話を戻しましょう。それは、誕生時に忘れてしまった魂の設計図を思いださせてくれる、驚くべきツールです。
 その全体像を知るとき、あなたの人生に特定の体験が訪れた時期と理由が、きっと「腑に落ちる」ことでしょう。
 それは、あなたの持つ才能や強み、今世の人生のテーマだけでなく、特定の時期における可能性とチャレンジ、さらには年ごとのテーマといった詳細な変化までも教えてくれる、頼もしい地図なのです。


 数秘チャートを知らなくても、わたしたちは、やはり魂の設計図に沿った人生を歩むことには変わりはありません。けれども、その歩みはとても違ったものになるでしょう。それがわかっていれば、他の人の意見に踊らされたり、比較に我を忘れることなく、自分のユニークな質を尊重し、強みとして活かすことが、ずっと楽になります。
 そして、ひとりでがんばるのではなく、宇宙の大きなエネルギーの流れに乗り、ともに創造することが可能になるのです。
 気づきのツールとしての数秘は、あなたのなにげない日常のすみずみに光をもたらしてくれることでしょう。
 あなたが輝きに満ちた本来の自分自身を生きることができますように、と願ってやみません。

伊藤アジータ

オーラソーマ創始者ヴィッキーの自伝と、タロットと数秘の大家マンガラの著書の訳者。
気づきと直感を養う、体感型ワークを提供している。


マンガラジャパン


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『わたしを自由にする数秘』
マンガラ・ビルソン著 
伊藤アジータ訳
市民出版社 
定価2,860 円(税込)

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