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いいかい学生さん、牧のうどん「えび天うどん」をいつでも食えるくらいになりなよ。

こんにちは。福岡に移住してフリーランスをしている酒井です。
東京からの出張帰りで福岡空港に着くや否や、スマホで牧のうどんの営業時間を調べています。

えび天は、天ぷらの中でナンバーワンであることに異論はないでしょう。
天ぷら定食なんかを頼んだ時に、いも、ナス、キスと嬉しい具材が並ぶ中で、何の準備もなしに海老天から行く殿方は相当な強者だと思う。

僕のような小市民になると、えび天をしっかりと愛でてから、一口目は塩、そして天つゆに少し沈めて二口目。最後の尻尾はまた塩で。みたいな安心安全の計画を立てて、一旦落ち着いてから、最初はいも天を食べる。それくらい海老天は尊い。

そして、今回、牧のうどんで頼んだ「えび天うどん」。
尊い海老が二匹も入っています。

えび天と向き合える大人になれた。

牧のうどんにおいて単品オプションで600円を超えるうどんは高級品である。
「たまごうどん 450円」が「ケの日」のうどんだとすれば、「えび天うどん 620円」は明らかに「ハレの日」のうどんだ。

というのも、牧のうどんの海老天は1本でも十分満足できるだけの大きさなのに、それが2本も乗っている。幸せすぎて死ぬ。オーバーキル気味の幸せうどんなのです。

かつて「美味しんぼ」のなかで、
「いいかい学生さん、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ」


というシーンがあったが、僕にとっては「えび天うどん」がその位置に当たる。自分へのご褒美という意味をしっかりと理解できる大人になった。嬉しい。

そして牧のうどんのえび天うどんは、シンプル。
海老天2本、ねぎ、うどん。
この布陣がまた良い。

2本あるから安心して、最初から海老天に手をつけられる。
そして、着丼後、計画なしに本能のままに海老天にかぶりつく。

いわゆる高い天ぷら屋さんの海老とは違う衣の厚いえび天。
だけどね。これで良いのよ。
牧のうどんの天ぷらの衣って本当に美味しいんです。
嘘だと思うなら、「天かす」がもらえるので食べて欲しいんですが、旨みがある。ジャンクというよりは、旨み。しっかりと計算された美味い衣なんです。

そして、その厚い衣を纏ったエビがスープに泳ぐ姿。

みてください。日本画に見えてきませんか?

丼の締まった黒。
鮮やかなネギの緑。
えび天はまるで金雲のよう。

狩野派の図屏風のような奥行きのある景色が丼の中に広がっているんですよ。いとをかし。

しっかりと美味しいものを食べている。食べさせてくれる。
そういう実感をしみじみと感じられる。これこそが本当の贅沢と僕はおもうんですね。

福岡には美味しいものが色々あれど、いつでも牧のうどんに行ける僕からしたら、このえび天うどんに勝る美味しいものはなかなか出てこないんじゃないかなぁ。幸せだ。


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