#58 スーパーシティ構想自治体案が全て却下

今日の東京新聞。政府がスーパーシティ構想の提案を提出した31の自治体すべてについて提案を却下したことが報じられた。

スーパーシティ構想とは、AIやビッグデータを使って社会のあり方を根本から変え、さまざまな地域の課題を解決する取り組みである。
政府が公募を行い、31の自治体が応募していた。
提案が認められれば、国家戦略特区に指定され、規制緩和や補助金等のサポートを受けられる。

政府は却下の理由として「大胆な規制改革の提案が乏しかった」としている。
これに対し、提案した自治体は憤慨しているという。自治体ではプロジェクトチームを立ち上げ相当な覚悟と準備をして提案書提出までいっているわけだから、却下は辛いだろう。
しかも、事前に事務方と調整をしてきたのに、後出しジャンケンで急に違うことを言ってきた。とか、候補から外されることはないと担当者レベルでは言われていた、なんて恨み節まで出ている。

つまり、単純な話、自治体が提案してきたものは、政府がやりたいものではなかったということだろう。
そもそも特区とは、規制緩和による効果を見極める政府の実証実験だ。
では政府が何の規制を緩和したいと考えているかを見極めなくてはならない。
恐らくそれは個人情報ではないか。
個人の情報を収集、活用することによって、表向きは生活のさまざまなところで生活が便利になる。健康になる。しかし、その裏では、個人の情報は全て国によって管理されることになる。
国としては、全ての国民が一元的に管理されている方が絶対にいい。効率的だし、税金の取りっぱぐれも少なくなる。
ただ、国のメリットだけ言っても国民は拒否反応を示すから、特区制度を使うことで個人情報を差し出すメリットを広く募集して、本当の法改正に向けた足掛かりとしたいのだ。

という、少々陰謀論的な話に聞こえたかもしれないが、統治機能としての国の考え方を踏まえれば当然のことだと思う。
よって、認められる提案をするにはとにかく個人情報保護法の規制緩和に絡めた提案をすれば通りやすくなるかもしれない、という話。

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