#7 デジタルガバメントについて
市役所に勤めているのだが、行政のデジタル化は今一番ホットな話題のひとつと言えるだろう。
しかし、いまいち全体像が見えないし役所内でも本気で考えている人がどれだけいるか怪しいものである。デジタルガバメントの実現は、業務の効率化、コスト削減、ビッグデータの活用、そして、市民の利便性の向上である。ざっくり言うとそうなのだが、そう言われてもピンとこない。
役所の手続きが全てスマホでできるというのはよく言われる話だが、これは実際にできるようになればものすごい便利でみな使いたがるだろう。しかしマイナンバーカードが必要になる。まだまだ普及率は4割ほどなのでマイナンバーカードの普及啓発はまだまだ続けていかなくてはならないだろう。他にも、あまり知られてないが役所のサービスだけでは終わらない。マイナンバーカードを使うことで、役所の持っているデータを民間の会社が取得して、さまざまなサービスを提供できるようになる。具体的に言うと、健康診断の情報や予防接種の情報は役所が持っている、ここに例えばスマホの健康管理アプリが連携することでそのアプリで健診や予防接種の記録を見たり、総合的な健康管理を行うことができるようになる。
このように利用者目線でも使い方によって非常に活用することができる。
また、役所目線でも非常にメリットがある。というかやはりなんだかんだ言って自治体のコスト削減が一番ではないかと思う。
まず、国がガバメントクラウドというクラウドを作って、そこに自治体の基幹業務の標準アプリを装備する。各自治体はクラウド上でそのアプリを使うことで業務を行う。これはすごい事なのだ。今まで、どんなに同じ業務だろうがシステムはそれぞれの自治体で持っていて、制度が変わるたびにシステム改修費用がかかっていたわけだが、クラウド化によって自治体によるシステム改修がすべて不要になるのだ。国はこれにより現行より3割のシステム関係費のカットができるとしている。実際にはそれだけでなく、自治体の業務量の削減にも繋がる。
ただ、ガバメントクラウドに簡単に移行できるかと言うとそんな簡単には行かない。なぜなら同じ国の法律によって決められた業務であっても、その運用方法は自治体独自に進化しており、それぞれがガラパゴス化している状況がある。それを国が決める「標準化」に合わせて行かないといけない。今、まさにその標準化を行うための猶予期間の時期なのだ。実際には国がまだ標準化を定めきれていないものも多数あるが、令和7年度末までにはガバメントクラウドに全ての自治体が移行することを目標としている。
ここで標準化なんかできるわけねーとか言ってると(現場としてはこういった声が多数派)クラウド化に乗り遅れて、結果としてコスト削減に繋がらなかったり、むしろ業務が増えてしまったりと言ったことが起こると思う。
ここから数年間が正念場だ、どれだけ本気で取り組めるか。