#33 熱海市土石流災害を引き起こした盛り土問題について

盛り土が崩落したことによる土石流災害で県側の指導はどうだったのかなど検証が行われているところだが、今日の東京新聞で、県にとって非常にまずい記事が出た。

業者の現場責任者が再三にわたり県に対して、「崩落までは時間の問題」などと忠告していたことが明らかになったのだ。

記事によると、盛り土を造成した不動産管理会社に依頼されて現場責任者となった業者が、このままではまずいと県に何度も訴えていた。 

これは県が公表した行政文書により明らかになったもので、先の文書は所管部署に現場責任者が電話したときの記録が残っていたものらしい。

さらに、現場責任者は、崩落すれば、「指導は行っていた」「現場確認に行った」では済まされないとまで忠告している。

そこまで忠告がありながらなぜ県は動かなかったのか。

公開文書にはさらに続きがあった。

現場責任者はこうも言っていたという。
「行政指導に従わなくても罰則もないし、撤去するとだけ言えばそれで済むと思っている。行政は舐められているし、法律もおかしい」と。

なるほど、少し話が見えて来た気がする。

違法な盛り土をしても、行政指導が入ろうが業者はのらりくらりでかわすことができる作りになっているということか。
行政側もそれを見越して本気で取り組もうとしない。「どうせ言うことなんか聞きゃしないのだから」と。

そして、現場責任者だけが危機感募らせ、その危機は現実となってしまったのだ。

今後、まだまだこの問題は広がりを見せるだろう。県の対応の問題、業者の問題、責任の所在、法律の問題。
最終的にこの災害の総括がどのような形で行われるのか見守っていきたい。このようなグレーな(法律違反だが放置されるようなもの)事案に、いつ自分も関わるか分からない。それは被害者側かもしれないし加害者側かもしれないのだ。

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