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【数学センス】しきつめ問題(解答編)

桜の葉が鮮やかな黄・橙・赤に染まる季節ですね。

鳥たちは南へと渡って行き、街角には恋人たちが集まって来ます。

何が言いたいかというと、問題の面積$${3}$$のL字型のピースをモチーフにした上の図が皆さんの目に何に見えたのかなーと言う想像をしてみたという話でした。

前回お届けしたのがこちらでした。

まだ読んでない方は先にこちらを読まれてから今回の記事を読まれるとより楽しめるのではないかと思います。

さて、問題へアプローチしていきましょう。

いきなり$${1024 \times 1024}$$という大きな数からやると大変なので$${4 \times 4}$$辺りから考えて行きます。但しここで$${1024}$$という数が$${2}$$のべき乗であることは分かっていて、小さな数から考えれば$${1024}$$どころか$${2^{2023}}$$になっても同じだろうと察知する勘は持っていましょう。タイトルに毎回「【数学センス】」という題をつけてるのはそういう意識は常に持っていましょうというメッセージです。

で、$${4 \times 4}$$。


4 × 4

黒を適当なところに置いてみましたが、これで少なくとも右上の$${2 \times 2}$$はピンクのピースでしきつめ可能だと分かりますよね。


4 × 4

こうするだけです。つまり
「$${2 \times 2}$$では黒い斜線の$${1 \times 1}$$のタイルがどこにあろうとピンクのピースでしきつめ可能」
ということです。

残りはどうでしょう?仮に下の様にピンクのピースを置いてみます。


4 × 4

これって本質的に

4 × 4

これと同じですよね。

ここで思い出していただきたいのが「$${2 \times 2}$$では黒い斜線の$${1 \times 1}$$のタイルがどこにあろうとピンクのピースでしきつめ可能」ということ。
実際、

4 × 4

となるので、中央の黒3つをピンクのピース1枚に戻してあげれば、

4 × 4

こうなって、黒以外の部分はピンクのピースでしきつめることが出来ました。

多少説明が前後しましたが、「$${2 \times 2}$$では黒い斜線の$${1 \times 1}$$のタイルがどこにあろうとピンクのピースでしきつめ可能」が言えることで「$${4 \times 4}$$では黒い斜線の$${1 \times 1}$$のタイルがどこにあろうとピンクのピースでしきつめ可能」も言えることになりました。

その倍かける倍つまり$${8 \times 8}$$でも上に書いた「中心の黒のタイル3つをピンクのピース1つに置き換えることでしきつめることが可能になることが分かります。

これがその一例です。

8 × 8

あとはアンド・ソー・オンで「$${2^{n} \times 2^{n}}$$では黒い斜線の$${1 \times 1}$$のタイルがどこにあろうとピンクのピースでしきつめ可能」だと分かりますね。

本来でしたらちゃんと帰納法を使って

  1. $${n = 1}$$の時に成り立つ

  2. $${n = k}$$の時に成り立つならば$${n = k + 1}$$の時にも成り立つ

  3. 故に$${n \ge 1}$$の全ての$${n}$$について成り立つ

と書かなければいけないところですが、このシリーズでは【数学センス】を謳ってますので「なるほど、$${2^{2023}}$$でも行けると言ってたのはそう言うことか」と納得していただければ十分です。

ちなみに

$$
\begin{equation*}
{(2^{n})}^{2} - 1 \\
= 4^{n} - 1 \\
= (4 - 1)(4^{n - 1} + \cdots + 4 + 1)
\end{equation*}
$$

なので1辺$${2^n}$$の正方形のどこかを1辺$${1}$$の正方形で塗りつぶした残りのタイルの枚数は$${3}$$の倍数であることも確認出来ますね。

ではまた。

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