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【数学センス】数は左から右に書きたい

$${123}$$と書くと「ひゃくにじゅうさん」と読み、$${100}$$の位が$${1}$$、$${10}$$の位が$${2}$$、$${1}$$の位が$${1}$$の数、つまり$${1 \times 10^{2} + 2 \times 10^{1} + 3 \times 10^{0}}$$の事を表しますよね。

この数字の並びを左右逆にしたいと言うのが今回のテーマです。

例えば上の$${123}$$を$${321}$$と書きたいのです。ただ、これでは何が何だかわからないので「小さい桁が左に来るように書きました」と言う意味で$${\overrightarrow{321}}$$と矢印をつけて表記します。そしてこの表記の事を「逆アラビア数字表記」と呼ぶことにします。

なぜ左右逆にしたいのかというと、$${123}$$と言う数を書くのにまず$${1}$$と書きますよね。これって一番大きい桁の値が$${1}$$になると言ってるだけで、何桁目の値なのかを全く語ってないです。$${10^3}$$の位のことを言ってるのか$${10^{2023}}$$の位のことを言ってるのか分からないのです。

逆アラビア数字表記ならそんな事は起こりません。最初に$${3}$$と書いたら$${10^1}$$以上のことは知らないけど$${10^0}$$つまり$${1}$$の位は確実に$${3}$$と決まります。

$${hello}$$と書きたいときに
    $${h \rightarrow he \rightarrow hel \rightarrow hell \rightarrow hello}$$
って書きますよね。
    $${o \rightarrow lo \rightarrow llo \rightarrow ello \rightarrow hello}$$
こんな書き方する人まずいないです。

数も同じです。右から左に向かって書く事は中々ありません。ところがそんな書き方を余儀なくされる事があります。例えば筆算。

普通の足し算の筆算

今答えを出すのに$${912}$$と言う数を右から左に書きませんでした?そう、普通の足し算の筆算では数字は右から左に向かって書くのです。気持ち悪くないですか?

ところが「逆アラビア数字表記」では違います。数字が左から右に決まっていくのです。

逆アラビア数字表記

それでいて答えはちゃんと$${\overrightarrow{219} = 912}$$ で合ってます。

確認していただけると分かるのですが、引き算、掛け算も同様に左から右へ書いていくことが出来ます。

そして一番真価を発揮するのが割り算の筆算。

従来の割り算の筆算

子供ながらに悩みませんでした?何で筆算になると前後を入れ替えなきゃいけないのと。僕はこれを覚えるのにかなり苦心しました。でももう大丈夫。

新しい割り算の筆算

これなら迷う事はありません。「そのまま」としか言いようがないです。

ここまで「逆アラビア数字表記」が如何に自然なのかについて語ってきましたが、致命的な点があります。数の上に毎回矢印を書かなきゃいけないと言うところです。そこで「新逆アラビア数字表記」を提案します。今まで

現行の数字表記

と書いてたところを

新しい数字表記

とするだけです。

全て解決したように見えて、実はまだ詰めなければいけない事があります。一番大きいのはPCで入力できない事。致命的ですね。早くUnicodeに載せてもらいたいです。

それが出来たとして次の課題は元々左右対称の数字をどう旧来の表記法と区別するかという問題です。$${0, 1, 8}$$は単体では今世の中で使われている「アラビア数字表記」なのか僕がさっき提唱した「新逆アラビア数字表記」なのかがフォントによっては分かりません。

例えば$${8088}$$と書かれてたときにこれは$${\overrightarrow{8088}}$$の事を言っているのか$${\overrightarrow{8808}}$$なのか判定が難しい事です。

課題は残りつつ、下の足し算の筆算のように、

未来の足し算の筆算

これが当たり前の世界になる事を願って、この記事を終えたいと思います。

$${p.s.)}$$  小数点表示のことをすっかり忘れてました。

πの小数点表記

困りましたね。おいおい考えていきます。

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