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[Oaiko]しろつめ備忘録 interview

2022年12月より活動開始した東京の4ピースバンド、しろつめ備忘録。
憂いを帯びた歌声とくるりや羊文学からの影響を受けて紡がれるポップかつオルタナティヴなロックサウンドが私たちの生活を鮮やかに色づける。

2024年11月に1st album「リマインダー」をOaikoよりリリース。
今回は、Vo,Gt.おはら、Ba.安藤、Dr.みずえの三人にインタビュー。Oaiko代表のシンマチダがインタビューをさせていただきました。

しろつめ備忘録

Gt.okg/Dr.みずえ/Ba.安藤
Vo,Gt.おはら

[Interview]

Vo,Gt.おはら
Ba.安藤
Dr.みずえ

しろつめ備忘録について

まず初めに、どういう経緯でこのしろつめ備忘録というバンドをやろうってなったんですか?

おはら「バンドの始まりは、私が高校を卒業してバンドを組みたいと思ったところからです。みずえのことは、すごくかっこいいドラムがいるなと知っていたので彼をスカウトして、それから他の2人をスカウトして、っていう感じで始まったバンドです。その後、ギターとベースが抜けて、そこにサークルの先輩だった安藤さんとokgをお誘いして、今の形になったっていう感じです。」

始めた当初から今の音楽観でバンドをやりたいと思っていたりしましたか?

おはら「最初はどういう音楽をやるかっていうのは決まっていなかったんですけど、なんだろう、、まあ、やっていく中で今の感じにかたまっていった、っていう感じですかね。」

安藤「僕は、はなちゃん(Vo,Gt)が昔弾き語りでシングルの音源を出していたのを聞いていて、それがすごい良かったなっていう印象があったので。そんな人から誘ってもらえたから、どういう音楽をやりたいっていうよりかは、はなちゃんと一緒に音楽やりたい、みたいな気持ちで入りました。okgもいたけど(笑)先にokgが誘われていたんですよ。」

みずえ「どういうのがやりたいっていうとちょっと難しいですけど、シンプルに曲が良いので。出来てくる曲に外れがないから、それに合った演奏ができればいいなっていうぐらいな感じだったかな。」

しろつめの曲ってそれぞれの楽器隊がとても特徴的で。ライブを見てても思うんですが、どういうプレーヤーやアーティストから影響を受けているんですか?

安藤「僕が今の自分にすごい影響を受けているのは、バンドかどうかは全然関係なく。レディオヘッドとか、エレクトロニカにもすごいはまっていて、エイフェックス・ツインとか、フォー・テットとか。そういうクラブシーンっていうか、ジャンル?そういう音楽からすごく影響を受けてます。
バンドのプレーヤーとしては、どういうアーティストに影響を受けてるかっていうのは分かんないですけど、自分がベーシストとして目立つっていうよりは、『バンド全体の曲を良くするためのアプローチとして、どういうことができるか』みたいなことを第一に考えていて、そういうことができるプレイヤーになりたいです。」

みずえ「影響を受けた人っていうのだと三段階ぐらいあって。一番最初は、父親がドラムをやってたので、それで教えてもらって。それから、小学校中学校ぐらいの時に、logical emotionっていうバンドがいたんですよ。ピアノとベースとドラムのインストのバンドで、それを聞いていて、そのバンドの好きなフレーズとかは今でも取り入れたりしてます。

※logical emotionとは、まらしぃ擁するピアノロック3ピースバンド。主に、ボーカロイドや東方プロジェクトの楽曲のカバーやオリジナル楽曲をニコニコに投稿している。「ろじえも」として親しまれている。

https://dic.nicovideo.jp/a/logical%20emotion

高校の最後あたりからはずっとヒトリエです。今の曲の構成のバランスとかフレーズや、これからも使っていきたいと思っているものは、全部ヒトリエから影響を受けている感じですね。」

それぞれかなり毛色が違うところがルーツなんですね。

おはら「曲作りは、まず、私小さい頃から結構J-POPを聞いていて、自分の中では、根幹にはそのJ-POPがあると思ってます。曲を作るときも、ポップでありたいみたいな気持ちがあって。それに加えて、サウンドの面では、くるりが元々好きなのでそういう方向性で行こうかな、みたいな感じです。だから、影響を受けたっていう意味で言えば、J-POPとくるりかな。」

J-POPだとどういうのを聞くんですか?

おはら「ゲスの極み乙女。がすっごい好きで、あと何だろうな、うーん、Indigo la Endとかも小学校のときめちゃくちゃ聴いてて、あとKANA-BOONとか。それにめっちゃ影響受けてるのかなって思ってます。」

1st album「リマインダー」について

今まで3rdシングルまで出していて、ついにアルバムって感じだと思うんですけど、今回の作品の立ち位置としてはどういったものを考えて作ったとかあれば教えてください。

おはら「私は、今までの自分の音楽活動の集大成、寄せ集めみたいなものだと思っています。今回の7曲って、全部が全部同じような曲調じゃなくていろんな曲調が入ってると思うんです。私って1つのものに影響を受けやすいので、時期によって曲調とかも変わる感じなんですけど、それの寄せ集めみたいなイメージです。集大成って感じです。」

2人にはその集大成感はありますか?

みずえ&安藤「あると思います(笑)」
安藤「ただ、わかんないかな、、言っても、俺はまだ入って1年とかだから、自分が入る前からの話もあるだろうし。」

今回7曲収録されていますが、皆さんの気に入ってる曲はどれになりますかね。

みずえ「うーん、、曲としては、君はビターが一番。元々幸せな意味なんてが好きだったのでその2曲と、ドラムがすごくいい、bus stop。今までやったことないことをちゃんとやり切って、レコーディングの時も褒めてもらえたので、その3曲ですかね。君はビターは、スタジオで曲の種っていうか、なんとなく合わせてやった時は『まあいいね』っていう感じだったけど、レコーディングが終わって、ミックスが終わって、上がってきたものがあまりにも良すぎて。満場一致で『これはすごくいい』っていう感想が出たので、すごく印象に残ってますね。」

おはら「私も君はビターがすごいお気に入りです。あれもすごい、なんだろうな、、独自性みたいなものをめっちゃ出せた曲だなって思っていて。特に、2サビから間奏があるんですけど、その部分までずっとメジャーコードで、明るい曲調で進んできたものが、間奏で結構急にマイナーになって、クリシェもどんどん下がってきて。その感じがすごく、私の曲らしさみたいなものを出せたなって、個人的には思っています。」

安藤「僕は、そうだな、、君はビターは多分みんな一番好きなんじゃないかと思うんですけど、ロングサマーバケーションが一番好きかもです。今回のアルバムに入っている曲の中で、僕が入ってから一番最初に作った曲なので、なんか原点を思い出せる感じ。それもあって好きです。曲も好きだし。そういう感じです。」

意外とリードトラックじゃないんですね。

おはら「そうみたいですね(笑)でもリードトラックのアクセルペダルも好きです。あの曲も結構こだわりポイントっていうか、好きなポイントはあって。特に歌詞は一番うまくかけたなって思ってます。私は結構曖昧さみたいなものをテーマにしていて。はっきりとした、悲しいとか嬉しいって感情っていうよりも、人間の感情のグラデーションみたいなところがリアルだなと思ってて。そのリアルな人間の感情の動きみたいなものを歌詞に映し出したい、みたいな気持ちがすごくあります。その、『悲しいけど、清々しいけど、寂しい』みたいな、そういった曖昧な感じを、歌詞にうまく出せたのはアクセルペダルかなと思っています。」

サウンドを聞くとすごくポップな曲だけに聞こえるけど、歌詞とかをちゃんと聞くと、意外と切ないことを歌っていたりして、その情景が色々あるのもおもしろいなって。

初めてのアルバムリリースとなりますが、アルバムを通して聞いて欲しいこだわりのポイントを教えてください。

おはら「そうだな、、、それこそ、一つのテーマに沿って作ったアルバムっていうわけじゃないから、色んな状況の人に刺さりやすいと思っています。全部じゃなくて、どれか一つの曲でも、誰かにすごい深く刺さるような、刺さってほしいなって気持ちがあるような、、うーん、、違うかな、うーん、、そうですね、、うまくまとまらなかったです(笑)」

安藤「そうですね、繰り返し聞いてもらって、自分のお気に入りの1曲を見つけたりとか、その時その時の心情に合わせてこれを聞こうとか、いろんな聞き方をしてくれたら、それが一番嬉しいですね。」

みずえ「難しいですね、、、なんか『アルバムのコンセプトを決めよう』みたいな時に、もう一個候補のようなものがあって。宝石?ジェムストーン?宝石の原石?みたいな。各個人が持って帰って大事にしてほしい、そういうものがいっぱい詰まってる、みたいなイメージも入ってるから、そんなことも何か感じ取ってもらえると嬉しいかな、という気がします。」

今回、アートワークも割と最初からイメージがあったと思うんですが、アルバムのコンセプトの時から今回はドライフラワーを使いたいっていうのもあったんですか?

おはら「それはみずえの案ですね。」

みずえ「最初からあったわけとかではないけど。単純に俺がドライフラワーが好きっていうのがあるのと、そんなに気張った写真じゃないというか、パッと撮った写真に近い雰囲気がいいよね、っていうのがあって。なんか色々と候補はあったんですけど、カーテンから日が差している部屋とか。色々考えてはいたけど、ドライフラワーは馴染みやすくていいかなっていう感じです。」

「リマインダー」購入特典のドライフラワーのステッカー

バンド活動、Oaikoからのリリースについて

バンドが今の体制になったのは、2023年の6月から?

おはら「そうですね。」

今の体制になってまだ1年半くらいなんだ。バンドをやっていく中で、バンド活動というものに対して心境の変化とかがあれば教えてほしいです。

おはら「『ありがたい』っていう気持ちですね。大学一年からバンドやってて、ソロでやってた時もあったんですけど、思ったよりお客さんがライブに来てくれるとか、曲を聴いてくれる事ってすごい難しいなって思ってて。
今リリパしてもお客さん来てくれるし、YouTube出してもみんな聴いてくれるし、Oaikoの皆も色々やってくれたりとか、そういう環境で音楽できてるっていうのが、個人的にはすごい恵まれてるなと思います。」

みずえ「今言ってくれたのそのまんまで、、、(笑)
特にライブは、すごいお客さん来てくれるようになったなぁと思って。元々コンスタントに来てくれてる人はいたけど、回も増す毎に対バンも元々知ってて好きなバンドであったりする機会も増えたし、お客さんもCDめっちゃ買ってくれるし、同じ大学の子もとかもMV観てくれてその曲聴いてるって言ってくれたり、嬉しいですね。」

安藤「そうですね、一年くらいは、皆でバンド活動というよりかは、皆と定期的にスタジオ入って、遊んで、曲ができて形になったらライブするっていう、友達と遊んでるような感覚でバンドやってるのが結構楽しかったんですけど。今回アルバムを作るってなって、録音したり一緒に構想考えていく中で、結構バンド活動そのもの自体が楽しくなっていったりしてて、個人的にこの1年間で大きく変わったのはその辺りですかね。バンドとしては2人が言ってくれてた様に、聴いてくれる人が増えてて嬉しいです。」

いいペースで青春を感じてて、素晴らしいです…笑

Oaikoからリリースという事で、実際に今リリースしてみた感触とか、自分たちでやるのとは違う事だったり、変化はありました?

おはら「そもそもOaikoとやりたいと思った経緯は、レーベルのコンセプトみたいなものが、うちのバンドと合ってるのかなと思ったり、あとは自分たちのペースでやっていけそうだなと思ったところですね。実際に出してみて思ったのは、やっぱり自分だけじゃ及ばない所、連絡とか権利面とか、CDの制作だったり、自分は全然詳しくないから、1人でやるのは荷が重いなと思ってたところをやってくれてて、そこはすごい有難いなと思っています。」

最初の方から、どこかのレーベルから出したいって思ってたんですか?

おはら「んーそこはあんまり考えてなかった?気がします。」

みずえ「そうですね、とりあえずものを出そうとしか考えてなかったですね。」

そこにたまたまOaikoが居た、みたいな感じですかね。

おはら「なんだろう、、、大事にしたいのが、自分達が無理をしないというか、細く長くやっていきたい気持ちがあって。大手に入ったりしたらそこはそこでアプローチの仕方があって良いと思うんですけど、自分達のペースでやっていきたいって気持ちが強かったので、Oaikoだったらそれを崩さずにやっていけるんじゃないかって思ってました。」

安藤「やっぱり自分達だけでやるよりも、Oaikoの人達とやった方が拡散力があって良いかなって思うのと、色んなレーベルがある中でOaikoを選んだのは、はなちゃんが言ってたように、考え方がマッチしてるのかなっていうのがあって、お願いしました。」

みずえ「自分達のペースっていう話もそうなんですけど、熱量というか、自分達のバンドが好きでいてくれる人が居るであったりとか、自分達の好きなものをいいですねって言ってくれるとか、お願いするならそういうところがいいよねっていう気持ちがあったので。実際それが叶って色々助かってますし。俺がナタリーに載ってる、、(笑)みたいな、普通じゃ経験できない事を色々して頂いてるので、ありがたいですね。」

今回一つの集大成として1st albumをリリースした訳ですが、ここからバンドとしてやってみたい事だったり、目標はあったりしますか?

おはら「私個人としては、とにかくリリースは定期的にしていきたいと思っています。自分自身曲作りを大事にしているので、曲を作って定期的に曲を出すっていうのはしっかりやっていきたいと思ってます。」

安藤「はなちゃんが作った曲に対して、いいベースが弾けるように頑張っていきたいと思ってます(笑)」

謙虚ですね(笑)

みずえ「そうですね、具体的に何処に立ちたいとか誰とやりたいっていう目標は後から付いてくると思ってあんまり考えてないんですけど…。一個目標があるとするなら、ヒトリエがすごい好きなんですけど、高校の頃緊急事態宣言で外出れない時に聴いた曲があまりにも良すぎて『助かった』って凄い思ったんで、それを自分達が誰かにできたら凄い良いなって思ってて、そういう想いは一個強くありますね。」

各々に強い想いがある中で、今後大事にしていきたいものってありますか?

安藤「やっぱりはなちゃんの曲をより良くする事、ですかね。ベースプレイヤーとしてもアレンジャーとしてもそれは役目だと思ってますね。逆にそれ以外は何もできないんで(笑)」

みずえ「んー、、、プロフェッショナルな精神というか、安藤くんと同じで、曲をよくする、ですね。求められた事以上を出せるように、って感じですね。」

おはら「大きく二つあって、1つは挑戦ですね。新たなジャンルとか、今までの自分の曲の作り方ではなくて、新しい取り組みとか、今まで取り入れた事のない音楽の要素とかを曲に取り入れてみたい、っていうのが一つと、もう一つは、これは今まで通り守っていきたいと思ってるんですけど、等身大の自分の気持ちを歌詞にしていくっていうところ。
さっきみずえが言ってたように、曲を聴いて救われただとか、私もすごいそういう経験があるので、自分もそういう人を救えるようなアーティストになりたいって気持ちがあって、自分の気持ちを正直に表現していく事で、それに共感してくれて、同じ事思ってる人いたんだって思ってくれたり、安心できるような人が1人でもいてくれたら嬉しいなって気持ちです。」

曲をエレクトロニックにする、とかはない?笑

Ba.安藤はソロでエレクトロニックの作品をリリースしている。

安藤「求められて、自分のやってるものとはなちゃんの感性がマッチしたらやってみたいなとは思いますけど、まあそれはなるようになるかなと(笑)」

この記事を読んでくれた方に、最後に一言お願いします。

安藤「はなちゃんの曲いいので、今後も動向チェックお願いします。」

みずえ「はなさんの今後に、ご期待ください。」

おはら「みずえと安藤さんのプレイはすっごく良いんで、あとokgのギターもすごく良いので、私の曲だけでなく、バックのサウンドにも注目してくれたら嬉しいです。」

[INFO]しろつめ備忘録

1st album「リマインダー」

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クレジット
編集:サイシュウユ
文:タカハラカズマサ、ウメハタヨウスケ
インタビュー・写真:シンマチダ


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