2022/09/02「Oaiko vol.1」ライブレポート
2022年9月2日、吉祥寺WARPにて記念すべき第1回が開催されたライブイベント「Oaiko」。ライブハウスをはじめとするエンタテインメント産業が大きな打撃を受けることとなったコロナ禍から「日常」へ、1歩ずつ前へ進んでいくために、「元に戻す」のではなく「適応」していくことをコンセプトとし、今までのような人との肌の触れ合いやシンガロングいった、身体で熱量を表現し演者と観客でぶつけ合うようなライブの形とは異なる、良い音楽をライブハウスというその場の空間で全身で受け止め、噛み締めるような形の熱量あるライブを模索したライブイベントとなっている。そんな中、最高の5バンドと最高の音楽がここに集結してくれた。
スタートの時刻、生憎の雨模様であったが、客入りが盛況であったのはトッパーのYKCMによるものであったのは言うまでもないだろう。技術、安定感、音圧、どれをとっても圧倒的であり、ライブの魅せ方というものをまざまざと見せつけてくれた。疾走感と共に全身にぶつかってくる音の壁、という感覚。ライブハウス全体がYKCMのサウンドの洪水に飲まれたようだった。
【セットリスト】
1.なんもしたくない(仮)
2.まほろば
3.クリーム
4.セロリ
5.ペダル
6.DARLING
続いて2バンド目はMarie Louise。1音目が鳴った瞬間、会場がMarie Louiseの深い青に染まる。どのバンドにも似ない個性的な3人のサウンドにより一気に非日常の空間に引き込まれる。9/6日にリリースイベントが行われる、この日配信されたばかりの「ハイウェイ」と、同じ2nd singleに収録されている「春の様な眠り」も披露してくれた。深海のような轟音のバンドサウンドとそれを照らすような湧の歌声の中、フロアはまるで海底であるかのようにも感じられた。
【セットリスト】
1.春の様な眠り
2.黎明
3.ハイウェイ
4.青二十歳
5.brodia
3バンド目はtoronto。これほど「噛みしめる」という言葉が似合うバンドはないだろう。前の2バンドとは異なるシンプルに洗練されたサウンドは根本の詩を決して濁らせることなく観客に届かせる。先月リリースされた2nd single「たしかなきもち」や、9/7に待望の配信がされる「Sunny」も披露してくれた。このバンドの放つ、独特で静かに滾るロックンロールの熱に浮かされるような演奏であった。
【セットリスト】
1 .クレイジー
2 .世界に捧ぐ
3 .たしかなきもち
4 .漂う
5 .時代
6 .Sunny
今回トリ前を務めてもらったのはHammer Head Shark。久しぶりのバンドでのライブ出演とのことだが、それを感じさせないほどのライブパフォーマンスだった。浮遊した轟音のバンドサウンドとそれに乗せられたながいの強さと儚さを兼ね備えた歌声には神秘性すら感じられ、バンドでありながら「美しい」という言葉でしか適確に表せない、そんなライブを魅せてくれた。
【セットリスト】
1.Dummy Flower
2.レイクサイドグッドバイ
3.Blurred Summer
4.月とおばけ
5. echo
6.りんごの駅
トリを飾ったのはMr.Seaside。音数の多さ、音圧は3ピースであることをまるで感じさせない、アクセル全開の青く走り抜けるバンドサウンドに一気に引き込まれていき、ユーモア溢れるMCも相俟ってこのバンドに魅了されない人などいないと言い切れるほど、会場は3人に釘付けになった。ステージに巻き込まれるようにして沸き起こった熱量はこのイベントを完全燃焼させるのに十分すぎるものであった。
【セットリスト】
1 .in bloom
2.over drive
3.butterfly effect
4.twilight
5.alternative in TOKYO
6.outsider in
【最後に】
今回出演依頼を受けていただいた、YKCM、Marie Louise、toronto、Hammer Head Shark、Mr.Seasideに、改めて感謝するとともに、共にライブイベントを作り上げることができたことを嬉しく思う。(キドミナ)
再来年くらいに今日のフライヤーを見て"やば"と思える、そんな素晴らしいバンドたちが集まってくれた日だと思います。
『Oaiko vol.2』が楽しみになるような日だったと思います。
(ヨウスケ)
模索しながら1から企画をしていった中で、本当に素敵な音楽が1つの場所に集まったと思います。
出てくれたバンドに感謝を伝えるとともに、こういう純粋な気持ちを忘れずにしていきたいですね。
年明けに第2回を開催予定です。一緒に手を貸してくれる人大募集です。
(マチダ)
ライブレポート:キドミナ
Photo:シンマチダ