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JPhO'24 体験記
こんにちは@_ForestSeo_です。
今年も物理チャレンジに参加してきました。去年の記事は↓から読めます。
1次チャレンジ
実験レポート
レポートの提出締め切りは5月31日なのですが、科学の甲子園で優勝して米国の Science Olympiad National Tournament に日本からのアンバサダーチームとして5月中旬に派遣されていたこともあり、今年も5月は多忙でした。結局、30日に実験をして少しまとめて31日に仕上げて見直すという感じでした。自分は、100均で買ったプラスチックの円筒容器に穴を開けて水が流れ出る推移を観察し、ベルヌーイの定理で求めた理論との差を調べました。勿論水は完全流体じゃないので理論通りにはいきません。
提出は1時間以上余裕を持っていたので、去年の30秒前提出のようなことにならずに済んだのは成長だと思います。
ちなみにtwitter(現𝕏)上では提出に間に合わずシステムに弾かれた人が散見されましたね。メールを送って懇願すれば多分受け付けてもらえるようです(保証はしない)。
理論試験
問題数は計27問でした。JPhOは1つのミスでかなり点数が変わるので怖いです。今年はスムーズに解けて(=分からない問題は解けてない)、残り3問のとこで20分くらい余ってました。ただ余裕があると分かると解くのが遅くなるもので、見直しはあんまりできませんでした(最後の問題よく分かんなかったし)。結局凡ミスも連発し、大丈夫だとは思っていたものの少し心配になりました。
結果
7月16日にJPhOから封筒が来ました。
同校が3人通過報告をしてる中、自分は届いてなくて落ちたかと思いましたが、夕方に来ました。日本郵政、ビビらせるなって。
ちなみに、一緒に参加していた同校全員(自分合わせて5人)通ったらしい。
7月22日に1次の結果の閲覧が可能になりました。去年までは郵送で結果が送られてきていたのですが、今年からWeb上に。やっぱりJPhO運営は金欠なんですかね。さて、見てみると…
低 ⭐︎ す ⭐︎ ぎ ⭐︎ で ⭐︎ 草
まぁどうせ通ってて1次の結果なんてどうでもいいので…
![](https://assets.st-note.com/img/1721736171481-9YzM8TSfPZ.png?width=1200)
去年から理論は点数が下がり、実験レポートは去年のSSから5段階下がってますね。いくら1次の結果が2次に響かないといっても、これは危ない。
物理は化学や生物と違って1次予選の結果がメダルを決める2次の点数に加算されないので、僕のように1次やる気のない人が生まれてしまうんですね。実際去年2次で話した日本代表の人はCCだったし…
まぁ通ればどんな点数でも勝ちなので、切り替えて2次頑張ります。
2次チャレンジ@SPring-8
Day1
新横浜から新幹線に乗る前、yamaさんとエンカしました。僕が頭悪すぎて場所を色々勘違いしたりしましたが、なんとか会えてよかった。
その後ktsoとMarshallと共に乗りました。JPhOの集合場所である相生とかいう駅はのぞみは止まるはずもなく、ひかりで3時間半の旅が始まりました。
着くのは体感早かったです。相生駅に着いたんですが、新幹線の駅にしてはあまりにも田舎すぎる。新幹線なのにホームドアがありませんでした。何コレ
着いて早々バスに突っ込まれ、SPring-8に向かいました。
さて、オリエンテーションの後すぐに実験試験が始まりました。実験は合計200点満点です。去年はめちゃくちゃ簡単だったので、今年はかなり難しく感じました。大問が3つあったのですが、どれも扱う分野が光で、5時間似たようなことをやり続けるのは辛かったです。第1問、去年よりも器具のセッティングの指示が少なかったのか、少し手間取りました。最初、虫眼鏡と金属定規を使って回折格子の間隔を調べる問題があったのですが、コンタクトじゃなくてメガネだったら良かったのに~と心の中で思ってました(多分、近視er全員思ったであろう)。2つ目の点が消える角度のやつがよく分からず、そこだけ飛ばして第2問に行きました。第2問は比較的簡単で、データを取ってグラフ書くパートが多く、考察も簡単でした。第3問は気合で何とか終わらせ、(最後の考察良くわからんが)無事試験は終了しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1724506462464-GClT5Mugfx.jpg?width=1200)
部屋は2人部屋だったのですが、nくま君と同室でした!
Day2
午前から理論試験でした。75点満点の大問が4つあり、計300点です。
第1問がヤバかったです。問2の答えが出たものの先の問題で間違いが発覚、色々しているうちに1時間くら経ってて、問1の6点しか取れてない状況でした。メダル無しが頭をよぎる中、次へ進みました。第2問は個人的には結構簡単で安心しました。第3問も、透過率とか反射率とか去年も出てきたなぁとか思いながら耐え、第4問が充分に時間を使えず解ききれずといったところでした。みんな第4問が1番簡単だったと言ってましたが、正直僕にとっては苦手な問題だったので、差を付けられたかなと不安に思いました。ちなみに試験が終わって答案が回収されてすぐに答えが配られます。全然合ってなくてまずい!
昼食後、集合写真を撮りました。なんか今年はドローンで空撮する試みがありました。最初屋外で撮るとき「物理チャレンジ」と叫びながら拳を突き出すやつ(物理チャレンジのポーズ)がなくて疑問に思ってたら、その後場所を変えて撮影がありちゃんとやりました。撮影は終始ぐだぐだで、掛け声が一生合わなくてずっと笑ってました。
おそろいのTシャツで集合写真
— スプリングエイトツー(SPring-8-Ⅱ)【公式】 (@spring_8_II) August 22, 2024
試験も終了し、リラックスした表情です。#物理チャレンジ2024 pic.twitter.com/IqpeekImnP
その後、参加者同士の交流のためちょっとしたレクがありました。30枚以内のA4紙とハサミだけを使って出来るだけ高く積み上げるというものです。班を2つのチームに分けて5, 6人単位で行いました。僕らのチームは壁に沿わせて積み上げることを思い付き(まぁ想定されていない解)、天井近くまで積み上げましたが、結局班の2つのチームの合計の高さが点数になるルールで、他の班に負けました。
![](https://assets.st-note.com/img/1724490914716-gXjpsNGbjz.jpg?width=1200)
さて、そんな楽しいレクの時間も終わり、地獄の問題解説会が始まりました。
実験の解説では、第1問で「tanの値の逆順に整数Nを割り当てなさい」の部分を勘違いをして落としていたことに気づきました。あの部分は分かりにくかったらしく、他の参加者も困っていたようです。聞いたら教えてもらえたそうなので、問題の本質ではない部分(文章の日本語とか)で分からないことがあれば、躊躇なく質問するのが良さそうです。
次は理論の解説です。第1問では一部の数名を除いて出来は良くないと言っていました。自分は多分6点ちょいだと思います。最後に数値を代入するだけで解ける問題があったらしいですが、全然見てませんでした…
第2, 3問は耐えてる(7割くらい?)っぽかったけど、第4問は半分いかないくらいだったと思います。
夕食後、何人かのtwitterで知ってる人たちとエンカしました。去年は4時まで徹夜頑張ってたので今年は完徹するか〜と思ってましたが、色んな人と話したり遊んだりしてるうちに完徹する意味ってなんだっけとか思い始めてきて、結局3時半に寝ました。
Day3
サイエンスツアーは班ごとに分かれて移動しました。自分らは午前にSPring-8、午後にSACLAを一通り回りました。正直去年も見たので新しいことはあんまりなく、駄弁りながらふらふらしてました。去年と違ってSPring-8までの移動時間がないので、見学の時間が長かったと思います。
昼に研究者の方との座談会があったのですが、終わった後に(恐らく地方紙)の取材を受けました。喋るの苦手すぎてあんま受け答えできない〜
フィジックスライブでは、去年のJPhOの実験問題や今年のAPhO, EuPhOで出た実験問題の展示や、東京エレクトロンなどの企業展示がありました。去年のJPhOの第2問の後半のダイオードの仕組みのところがあの時あんまり分かってなかったので、理解できてよかったです。
3日目の夜も色んな人とトランプなどで遊びました。
ちょうど日付が回る前らへんではるはるさん達がSPring-8を1周すると言うので、MarshallやSORAと一緒に彼らに同行して1周しました。
その後、疲れていたのか、1時半にはもう寝てしまいました。
Day4
起きたら同じ部屋のnくまがいない…少しすると帰ってきました。徹夜したらしい。どうやらShotaとかも徹夜したらしい、、、さすがに尊敬します。
SACLAの講堂に移動し、遂に閉会式です。最初に偉い人の言葉があり、1次での実験優良/優秀賞、エレクトロン賞の表彰が続きます。
さて、優良賞の発表です。うーんこれが1番怖い!
自分の感触としては理論130/実験160くらいで、確か去年の銅ボーダーが350くらい(めちゃくちゃ適当かもしれない)だった気がするので、今回の難化具合を鑑みるに、優良賞の上位(上振れたら銅くらい?)だと思ってました。
優良賞1枚目……自分の名前はありません
優良賞2枚目……自分の名前はありません
この時点で銅賞であることをほぼ確信しました。
銅賞……後輩がいました。代表候補おめでとう
あれ?妙だなぁ、僕の名前がない。
このとき、めっちゃ理論が低くて優良賞未満まで下がったと思いました。銅賞には自分より強そうだなーと思ってた人の名前とかもあったので、これはオワったと思いました。
さて、もうスクリーンが見れない、、、、、
銀賞……
ん、8番目に自分の名前あるんだが???
意味が分かりませんでした。JPhOの銀賞の難易度は去年身を持って高いことを知りましたし、正直困惑してました。Marshallやnくまの名前も見えました。本当に嬉しかったです。
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嬉しさ半分、困惑半分
去年の優良賞候補落ちの雪辱を晴らせたかな、と思いました
4日目は終わった後同校達を新幹線に乗り、僕だけ京都に少し寄りました
![](https://assets.st-note.com/img/1724596998690-XLyQ0DJf5A.jpg?width=1200)
東寺とか伏見稲荷神社とか行ったんですが、良い写真がないので駅で許して。京都は太陽光線が強くて、コンビニを見つけるたびに入って涼んでました。コインロッカーは運良く1つ空いてるところがあって、助かった〜
追記
2次チャレンジの点数結果が届きました(9/5)
![](https://assets.st-note.com/img/1734777410-gkIPCQ3FDvaJOnfzqWNYH7Ls.jpg?width=1200)
なぜか実験があんまり良くなくて、理論が普通に高くて耐えてました
最後に
これを読んでる、JPhOに出るか迷ってるそこの君!出ないと後悔するよ!
どうせ落ちるかもしれなくても、1回挑戦してみることに意味があると思います!特に中学や高校1年とかで出れたらもうポテンシャルが違いますからね。数ある競技科学の中でも本戦倍率がかなり低く、本戦はちゃんと3泊4日で本格的なので、迷ってる人は今すぐ次のJPhOに向けて準備しよう!
JPhOとか物理とかの情報が共有されている、Scuola di Fisica 物理の学堂というDiscordの鯖があるので入ることをおすすめします。過去問の非公開URLやSSの人のレポートなど、色々あります。twitterで調べてDMを送ったりすれば多分入れるんじゃないかと思います。
4日間の間で関わってくれた方々、ありがとうございました。良い経験になりました。それではまた、縁があればいつか👋