料理男子の参入障壁①
数年前、九州の義母から送られてきた大量の日向夏をマーマレードにしたことがある。多すぎて消費しきれないので、妻が幼稚園のママ友に配った。
そのときに「相手を選んで配った」という話を聞いて、ふうんと思った。
つまり、「〇〇ちゃん(子どもの名前)パパ」として幼稚園内で認識されているわたくしが、日常的に料理やパン作り、お菓子作りをする人間であり、決して伊達や酔狂で発作的に作ったわけではない、ということを知ってくれているママ友に配った、というのだ。
「だって、よくわからない中年男性が作ったマーマレードって、もらいたくないでしょ」と言う。
気持ちはわかるし、常識的な判断だと思うが、立派なジェンダーステレオタイプである。中年女性が作れば「クレアオバサンの……」的ブランド化が図れるのとだいぶ違う。
あのときは相当美味しくできたし、ひと様にあげるものだからと、容器の消毒も普段に増して丁寧にやったのだが。
そういえば、こんなこともあった。
続く