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『百年の孤独』から始めない、ラテンアメリカ文学(0)
2024年6月26日、G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』がついに文庫化される。
めでたいことだ。
「名作らしいし、さすがにチェック」と購入する方も多いかもしれないが、春樹の新作出たから読んでみるか、的なノリで読み始めると絶対に途中で挫折する作品ではあると思う。
「ラテンアメリカ文学でも読んでみるか」というときの一冊目として、最良の選択とは言えないような気がするのだ、この作品は。
いや、もちろん素晴らしい小説だと思います。ただ、なんというか「ビートルズを聴いてみたい」という人が、いきなり、『ホワイト・アルバム』を聴くということに似ている気がする。
いや、あんま似てないかな。
まあ、どの作品から読み始めるべきか、なんていうことはヒトが口を出す問題ではないですが、何を隠そうわたくし自身が、「学生時代に軽いノリで『百年』を読み始め、当然挫折。ラテンアメリカ文学にかなり長い間苦手意識があった」クチなのです。
まったく余計なお世話ではあるのだが、これから読んでみようという人に向けて、
・ラテンアメリカ文学を読む第一冊目として、なぜ『百年』を勧めないのか
・それでも読みたい人にこれは言っておきたい
・『百年』でないとしたら、一冊目として面白く読める作品は
などを書いてみたいと思う。