田舎
昨今田舎に住むというのがまるで映画で見るような幸せ、みたいに言われている
違う
あなた達が思う田舎は交通の便が良くて、程よい距離感の中たまにお節介な人が居て野菜や果物をお裾分けしてくれる。
はたまた、周りに何も無く犬や猫を飼っても自由に野放しに出来て尚且つ安全で綺麗。
そんな感じでしょう
どちらも存在しません。
私の出身は九州の辺鄙なくそ田舎
いわゆる、集落のような、そんな場所でした。
周りの人は祖父母や曾祖父母の代からずっとそこに住み、苗字も2つしか存在しません。
そんな中に飛び込んだのが私達家族
そこでは○○さん→どこの○○さん?→○ちゃんのとこの○○さん。みたいな、苗字だけでは区別が出来ないのと、若い頃から同じ人しか居なかったので下の名前+苗字、みたいなやり取りがあったのですが
まあ私達は最近越してきたあの人→あ~あそこね。で通じるくらい新参者
まず、田舎は新参者に厳しいです。
付近は木々に囲まれて、竹もあったので敷地内で夏は流しそうめん、冬はバーベキューなんて事もありました。消防車呼ばれました。
もちろん、コンクリートを流した自宅の庭ですし突風等もなく、ただ家族親戚で楽しんでいたのですが火事の危険があると呼ばれてしまいましたね。覚えています。
山々があったので今では危険だと分かっていますが、犬や猫を敷地内に出していたらご近所から
おたくの犬の声がうるさい
おたくの猫がうちの庭にフンをした
という苦情もありました。
猫に関してはもちろん犬よりも行動範囲は広いのですが警戒心が強い子が多かったので他人の家にお邪魔したのかな…?という疑問とそこは野良猫が多い地域だったのでうちの猫という確証は?とも。
まずここまでですね、
基本、犬猫、そして音が大きい行動は避けましょう。
特に、周りにジジババしかいない時はね。
・ペットを飼っているご家庭からの苦情
・毎週日曜日に息子娘家族を引き連れて庭で騒いでいるご家庭からの苦情
ありますよ。当たり前のように。
ちなみに、バスは2時間に1本です。
1時間に1本の時間帯もありますが、それは9時から12時まで、とかです。はい。
車がないと移動できません。
下手に大きい車乗ると傷だらけになります。
その代わり狭い道、寄せられないジジババ、大した技術もないのに飛ばす初心者が多いので細道での運転、寄せ、上手くなります。
あと、お裾分けですがありますよ。
のびきったタケノコや旬をすぎたカボスをスーパーの袋Mサイズが伸びるくらいに。
幸せそうですか?
当たり前ですが、噂は尾ひれをつけて広がります。あなたがもし、旦那さんがいる奥さんの立場だとしましょう。旦那さんのお兄さんが訪ねてきた場面を見られたとしたらあそこの奥さんは歳上の男を連れ込んでた!となります。
本当ですよ。何も無いので、噂くらいないとね。
田舎って平和だと思いますか?
私が経験した恐怖
・父、刺される
・父を刺した男、救急隊員を切りつける
・父を刺した男、燃える
・私、小さい時から知っている近所のおじさんに触られる。尚現在も住んでる。
今思い出されるのはこれです。
父、刺される
これは田舎ではニュースになるくらいガチでした。大前提としてその人がやばい、けれど、田舎はのんびりスローライフが出来ると思わないで欲しい。
まあ10年ほど前ですね、
朝まで飲んで帰ってきた父は、車で寝てたんです。母の機嫌を損ねて締め出されたので
季節的には春だったと思います、まだ寒い頃合いで朝方エンジンをかけて車で寝ていました。
朝方家の扉がガチャガチャと音を立ててたのであ~…またパパ…と起きて隣にいた母を起こして鍵を開けてあげるよう要求、開けた瞬間、いつもは寡黙ヅラしてる父の叫び声が聞こえた
出るな!殺されるぞ!
刺した男はフロントガラスと窓ガラスを割って、父を2回刺したんです。
母が警察を呼ぶなかで私は子供ながらに父が死んでしまうと恐怖しました。
でも凄いですよね。
走って逃げたんですよ。
肩付近を刺されていたので力は入りにくいはずなのに父は鉄筋片手に刃物を振り払って逃げていたらしいんです、その時父は40半ば、走ることもほぼないでしょう?そういう面、尊敬してます。
そしてここからです。
逮捕され、刑も課せられましたが、慰謝料は払って貰えませんでした。
田舎の結束力知っていますか?
刑務所に入れられて、還暦もとうに過ぎてるのに金まで取るなんて可哀想
ってなるんですよ。
私は知りませんでしたが母はよく行っていた駄菓子屋のご夫婦に頭を下げられたらしいです
○○さんはもう年金暮らしやし、大目に見て欲しい
もしそこで母が断ったり、さらに弁護士を入れたりなんてしたら私達家族はどんな目で見られてたのか。
あと数ミリで神経に達するほどの深さ
父は1年以上働けずにいましたが、幸い私の兄は父の会社で働いていたのでその知り合いのところで働いて、という形で頼ることは出来ました。
家族経営の少しいいところ。
父を刺した男、救急隊員を切りつける
はい、これに関しては簡潔に。
出所して今までの家で以前より大人しくしていた男はなぜか救急車を呼び病院へ。病院からなぜか救急車で戻り、病院に忘れ物したから連れていけとなぜか図太い神経を発揮させたところタクシーではないと断られた事に逆上し切りつけ、逮捕
救急車が来て戻って来たことは知っていたのでこんな近くにそんな犯罪者がまだ居るのかという不安というよりため息が出るような事件ですね。
田舎は人が出て行くことがほとんどないので。
耐えるか自分が出ていくか、しかありませんよ。
父を刺した男、燃える
はい、燃えました。
火事ですね、完全に。
火事を発見したのは母
場所で言うと、坂道の途中で道がわかれ、上に犯罪者、下に私達という感じだったのですがキッチンの窓の外が赤かった、ということで少し開けたら燃えると言うより燃え上がっていた。
父と私は外に出て火事だー!と防災訓練並に叫びました。でも、誰も出てきません
近所のジジババも、その男も。
結局消防隊が来て鎮火されるまで2時間はかかったと思います。
幸いだったのは風が吹いていなかったこと。
木々に囲まれ、草木が生い茂った田舎は火の回りも異常に早いです。大通りに出る道が1本しかない、なんて状況もあります。
ただ犯罪者が死んだことを言いたいの?
違います。
警察くるの、クソ遅いよ。
これです。
別件ですが警察を呼ぶことが多々あった私達家族です。警察、30分は来ねえよ。
その時の言い訳、暴走族の取り締まりをしていました。殺人事件やったらどないするっちゅうんじゃ。とね。
人の命がかかった30分は長いです。
そして、事件ですか?事故ですか?その人の名前分かりますか?関係は?性別は?見た目は?煩い。とにかく来いと言いたくなります、こちらがそれに答えた後だと45分は来ません。
私、触られる
高校生の時ですね。
バス停から、自分の家まで数百mあります。
たまに会うおじさん、からなぜか毎日会って話しかけてくるおじさん。になりました
その人も昔からたまに会って挨拶して世間話、というよく言う近所のおじさん(おじいさん)でした
その人は歯抜けだったので正直何を話しているか分からず、昔から話している人、だったのでその日もいつも通り話していました。
話すと言っても相槌ですね
ごにょごにょ~
うんうん、そうなんですね~。
ごにょごにょ。家にあそびにくるといい
わ~いつかね~、うんうん~
家にあそびにくるといいに関しては、どこのジジババも同じような感じでした。田舎に子供は居ないので孫のように接してくれる方が多いんです
そしたら、こっちにおいでと手招きをされました。バスまでの時間はもう少し、バス停の隣に居ないとそのまま行ってしまうから面倒だなと思いながらも花が綺麗に咲く頃だったのでなにか見せたいのかな?と近付くと腕を掴まれ引っ張られ
胸と下半身を触られました。
その時の視線、その時の感触、忘れられません。
お父さんとお母さんには言うなよ
今まではっきりと聞こえなかった口調が鮮明にそういったのです。
不幸中の幸いかちょうど来たバスに飛び乗り、それ以上の事はなかったもののバスが見えなくなるその瞬間までその人はバスを見つめていた。
バス停から、私の家の途中にあるその人の家。逃げられません。
私が車の免許を取ったのも、そういう事がひとつの理由としてあります。
母は駅に勤めていたので、母の顔を見た瞬間大泣き。両親はその人の家に乗り込み咎めたそうです。
いまだにその人はそこに住んでいます。民生委員に関しては昔から女性に対してそういう人だから仕方ないよね。という感じでした。車に乗っていてもその姿を毎日見ていました、恐怖でしたよ。
なにが怖いか分かりますか?
誰にでも起こり得ることです。
都会であれば加害者側が逃げていくことが主でしょう?田舎は違いますからね。
強靭なメンタル、いつでも引っ越せる資金、囚われない考え。
これから田舎に住みたいという方はこの3つは持っていて。手に持てる物ではないけれど必要です。
自分の身、ご家庭があるならご家庭の安全、安定した精神、全てが守られるという確信を持った上で田舎に行ってください。