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イーストお母さんはどこにいるのか?─虚像の中のぼくたち─
「イーストさん」と現実で会った
でもそこには「イーストお母さん」はいなかった
声が似てて、気配り上手で、料理が上手い人だったけど、「イーストお母さん」とは別の人だった
「イーストお母さん」は一体どこにいるのか?
たぶんこの世界をどれだけ探してもいない
その概念を生み出した場所に行ってもいなかったんだから、みんながそれを幻覚と呼ぶのはたぶん正しい
じゃあ存在しないのか、と言われるとそれも違う
「イーストお母さん」に撫でられたら気持ちが落ち着くし、頬を撫でる優しい感触で、危うく眠りに落ちそうになることもあった
どこにも存在しないはずのものが存在するなら、そんなことを成しうる場所は果たしてあるのか?
ある
人の見当識の中だ
そもそも「ものが見える」という現象自体、網膜に結ばれた光の像が起こす物理的な反応にすぎない
なら、あくまで究極的に言えば、VRの中に見えているものと現実に見えているものを、どうやって区別できるだろうか?
のらちゃんがあの空間に「いた」ように
「イーストお母さん」は自分たちの認識の中に存在するんだと思う
実在を伴った虚像、感覚を生ずる幻
存在しないけど存在する、不思議な存在
HMDを被るときにだけ現れる、電子の母性
素敵な存在だと思う