ノウハウコレクターの君へ! 最初の一歩を踏み出せないのは悪いことではない。
恋愛系ビジネス商材が活気付いてますが、ただの性欲解消ツールとしての商材が多く、言ってしまえば新手のAVと言っても間違ってはないでしょう。
つまり、このメソッド通りにやれば、あなたもすぐヤレる、この方法はだれでもできる、という煽りにつられて「もしできるようになったらどうしよう?」と妄想するためのおかずです。
商売なので欲望を煽るのは仕方ないとしても、この「あなたもできる」とか、「誰でもできる」とかいう文句は、正直私は好きになれません。
これは、恋愛商材に限らず、英語、学習塾、ダイエット、投資、あらゆるメソッドを売る商材すべてについて、かねてから思っていた私のポリシーです。
メソッドは経験のサポートツールに過ぎない
理由は、物事の習得はメソッドではなく経験によるものであり、メソッドは経験をサポートするための道具でしかないからです。
足がない人に、早く走る方法をいくらレクチャーしたところで、早くどころか走ることもできません。
経験が主、メソッドは従なのです。
何事も、経験のない人ほどメソッドのコレクターになりがちで、かつメソッドを神格化するような傾向がある気がします。
あの人は**塾に行っていたから頭がいい、こう言うやつです。
司法試験を合格した人に、
「めっちゃ頭いいんですね!」
と言っても、本人はあまり喜びません。
「めっちゃ努力したんですね!」
といえば、少なくとも「頭いいんですね」より印象はぐっとよくなります。
この「めっちゃ頭いいんですね!」がいわゆる外観褒め、「めっちゃ努力したんですね!」がプロセス褒めです。
頭がいいから合格したと言うのは、本人の努力の要素を無視した大変失礼な言いっぷりとも言えます。
でも、多くの人はやりがちなのです。
そして、自分に何かできないことがあると、プロセスのせいではなく、プロセス以外の要素にその原因をなすりつけようとします。
そこで、プロセスを無視した「メソッド」が流行るのです。
「そうか、方法を知らなかっただけか!」と。
本を買ったら英語が話せるようになるって本気で言ってるの
これを買えば、読めば、サークルに入れば、**れば、即れます。
これらは完全な嘘です。
正確に書けば、言葉足らずです。
「これを買って、読んで、サークルに入って、きちんと練習し、行動に移せば、即れます。」
これが真実です。
攻撃的に書いていますが、この行動に移すことが難しいからみなさん苦労しているんだろうと思います。
そこに、この手の広告文句に悪意を感じるのです。
メソッドというのは、すでに行動に移し、それでもうまくいかない人が活用してこそ活きるものです。
すでに走りだし、でも早く走れない、どうすれば?
こういう人に、早く走るためのメソッドは役に立つのです。
初めてもいない人にメソッドを先に売るというアコギ
声かけどころか話題もない、度胸もない、異性どころか同性ともろくにコミュニケーションが取れない、そんな0.1歩も踏み出していない、声かけのニュアンスすら体得していない人にいくらメソッドを叩き込んで妄想させたところで、それはただの拷問です。
トライアルアンドエラーという言葉もありますが、先にやってみて、経験の後に修正が入ります。
この順番はほぼ絶対です。
私もそうですが、数あるアドバイザーの方々も、過去に相当な失敗と挑戦を繰り返し、その経験を体系的にまとめて情報を発信されている方が非常に多いです。
であるならば、真実はそう簡単ではない、相当の努力を要する、このプロセスを逃げずに突破し続けたものが見える世界がある。このことを、きちんと伝えてあげて欲しいのです。
一度でも経験すると偽物は野生の勘で見破れる
情報に手を出す人も、一度は本当に声かけをしてみてから、声かけとはこういうものかと実際に体得してから、情報に当たるように、お金を出すようにしたほうがいいと思います。
そうすると、
「このひと口当たりのいいことばかり言ってるけど本当に信用できるのかな?」
といった判断が、なんというか野生の勘(動物的勘)のように働くようになります。
たった一回でも、実際に声かけをしてみるとわかるようになります。
そして、メソッドを売るという商売は、取材さえすれば文献取材であってもだれでも参入できるという参入障壁の低さが幸いし、一度流行ると似たり寄ったりの攻略本で市場が溢れかえるという現象がよく起きます。
書店などに行くと本当によくみますよね。
似たようなテーマの本が立て続けに並び続ける、あの現象です。
しかし、それもすべて事例集として、参考程度に興味本位でざっと読むという程度のもの、タイトルはカッコつけてても所詮はエンターテイメントの亜種程度として読むくらいの態度が一番いいと思います。
ノーベル経済学賞受賞者も述べていますが、「あのような事例集に再現性があるかと言えば、微妙である。」と(ダニエル・カーネマン)。