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【シリーズ心と霊】結界を張る方法

結界とは?

皆さんは子供の頃ベッド(又は布団)の上が結界になっていてワルイモノが入ってこれないと夢想したことがおありでしょうか? それは布団の上が一種の結界となっているという夢想です 

困ったことに「魔が存在する」と確信してしまうとそれは確かに存在してしまいます そこで魔を入れないために結界を張る必要があると感じている方のため簡単な結界術をお教えしましょう

結界術とは?

まず本来結界とは僧伽(出家修行者を中心とした教団)の比丘や比丘尼(
僧や尼僧)の秩序や聖性を維持するため一定の区域を区切ることを意味します そしてその要として石や木などで標識を置きます 現在では主に堂内などを清浄な場所として麻縄や幣束などで標識とします

またある目的のために「界を結んで空間を内と外に分け内側を浄(聖)外側を不浄(俗)とに区分けする」ことも指します 葬儀においては、幕などで結界をつくります 密教では修法によって一定の地域に汚れを入れないために結界をつくります

結界の境界線は曼荼羅を見てもお分かりのように、方形・鼓形・半月形など幾何学図形としてあらわされます その内部は仏・菩薩が降臨する中心の場所でありその救済力が凝集している聖なる空間です

結界術の実践

結界の張り方には、次のようなものがあります。

*呪術的な力を使って神聖な場を作る
*仏教の修行に障害にならないよう、一定の区域を区切る
*神社仏閣などでは境界線として鳥居・しめ縄・段差や扉などを設ける
*一般の家庭においては年末年始にしめ縄飾りする

またその他結界と呼ばれるものには次のようなものもあります

*茶道具の一つ 竹や木で造り畳と客畳の境に仕切りとして置くもの
*商家で帳場の囲いとして立てる格子

つまり外来者に「そちらとこちらはべつの空間である」と示す役割があります ある意味「勝手に立ち入るべからず」「自由な通行を禁ず」という事を明示しているわけです

しかし「法力」「道具立て」は簡単に身に付けたり用意できるものではありません ですから「印(いん)」「歩法」という外部の呪力を借りましょう また「お札」が効力がある場合もありますがこれも簡単に用意できるものではないので今回は自身の身体を使う方法に絞りました

自身の力で結界を張る方法

ここで忘れないでいただきたいのですが「魔」は貴方の危惧が無意識に具現化され出現したものです 本来無いものが出てしまうのが人間の力です 「祟られない人」や「霊感が無い人」は普通に幾らでもいます それは「信じていないから有らしめられない」ので幸いなことだと思います

しかしここで真剣にこの文章をお読みの貴方は「信じてしまっている人」だと思います ですからこういった技術が必要になります ではまずご自身の
指を使う方法をお教えします

印形を用いる方法

まず指を図のような形に結んでください これは「剣訣指」という形で本来は中国の剣術で用いられる形ですが陰陽道をはじめとして様々な術で様々にに用いられます これで空間に線を引きます 次の手順で行ってください

1.呼吸を整える その際は「息吹呼吸法」が効果的です 吸うときに腹筋を引き締め吐くときに臍下丹田に力を入れて膨らませるイメージです

2.剣訣指の先から墨を出すことをイメージして空間に線を引きます その際形は円・方形・鼓形・半月形・六角形等 内と外を分け隔てられるものなら何でも構いません

3.書きはじめに必ず戻って結界を閉じてください

剣指

また「不動明王の眷属を呼び出して守ってもらう」方法もあります 基本は「九字を切る」ことです この場合ことが終わったら不動明王真言「ノウマク・サンマンダバザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン」を唱え心の中で感謝して「御帰り下さい」と唱えることが必要です

九字の切り方

歩法を用いる方法

次にもっと広範囲を封じられる歩法による結界の張り方をお教えします 今回ご紹介する歩法は「禹歩」と呼ばれます 発祥は中国の「夏王朝(殷によって滅ぼされたという)」の創始者である姒文命(じぶんめい)別名大禹にはじまります

大禹は黄河を治水したときに働き過ぎて身体を壊し足が不自由になてしまいました 結果としてこの大禹のピョンピョン飛ぶような歩き方になったのですがこれが通力があるということで巫者が雨乞い等で真似たのが始まりらしいです 禹歩は日本の陰陽道の反閇(へんばい)と同じという説もありますが筆者は違うと考えています

さて長くなるので由来はここまでにして具体的な「禹歩」の歩法について説明します 「道蔵」などの資料に記載されている「禹歩」のステップは複雑かつ多種多様ですがもともとはごく単純なモノでした

前挙左、右過左、左就右、次挙右、左過右、右就左、次挙左、右過左、左就右、如此三歩、当満二丈一尺、後有九跡

前に左を挙げ、右左を過り、左右に就く。次に右を挙げ、左右を過り、右左に就く。次に左を挙げ、右左を過り、左右に就く。此の如く三歩せば、満二丈一尺に当たり、後に九跡有り

禹歩の歩法

参考のために陰陽道の反閇の図も載せておきます 此方は「陰陽師」の映画でもおなじみですね


反閇の歩法


個人的には「結界を張る」という作業は実際にそこに壁を作るわけではなく自分の意識に「そこの結界が張ってある」と確信させるための作業であると思ています 筆者はオカルティックな現象も結局は自分の意識が作り出していると思っているのでそれを整えるための作業です

余談ですが筆者は中国拳法の内家拳を修行したのでそこそこ気功を操ることが出来ます その際にも自己催眠と同じことで集中するために儀式として薬師如来の真言を唱えたりしています 真言に力があるわけではなく自分の能力を最大に発揮させるためのキーとして使っているわけです 結界を張る作業もそれと同じことです

ということで何か怪しいものの気配に困っている方は一度結界を張ってみることをお勧めします

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