Happy Fuckin 20th Birthday
誕生日おめでとう
LINEの通知で0時を知った
日本にいながらもアプリにこちらの時間を登録してくれていて 寸分狂うことなく 0時ちょうどに送られてきた
こんなに嬉しいことはない
朝起きて 自分の生まれた時間の数分前に両親にLINEを送った
長い長い あたしの本音
大好きなリキュールを飲みながらアイスを食べながら 未成年最後の夜に涙とともに書いたモノ
直後に母親から電話がかかってきて お互いベッドの中でくぐもった声を聞いた
服を着替えて いつもより丁寧に化粧をして
朝兼昼ご飯を食べる準備にとりかかろうとしたら 仕事終わりの父親から電話がかかってきた
誕生日を祝う声は無くて 少し落ちた声で笑っていた
重い重い文章を朝からありがとう
仕事明けで 酒のつまみに読ませてもらったよ
この数分 数時間でどれだけのことを彼が考えたのかはわからないけど そう言った声は もうあたしの知る頑固なクソ親父のものではなかった
ああ よかったんだ
そう安堵して泣けてきた
我ながらずるいと思う
何1つ彼には伝えてこなかった
彼が興味がなかったというのも事実だけど あたしも話すことをいつからか放棄していた
だけど このタイミングで この会えないタイミングで 全てを曝け出した
でもお前が 良かった って思ってくれてて良かったよ
間違うことはあるかもしれん
間違うことはあるかもしれん
でも それでも間違う前に帰ってこい
2人して大泣きした
彼は酔いが醒める程 あたしは化粧が落ちる程
時間にしてほんの10分程だった
ロクに言葉も交わせなかった
だけど 似た者同士 言いたいことは十分伝わった
その後 母親に委ねられた携帯からは いつもの緩い声が聞こえてきた
まーたテレビ見て泣きよんかと思ったわ
まさかあんなこと言うとるとはなぁ
彼女には伝えなかったけど2人して やっぱりあのひとはすごいね って言ってたんだよ
あたしという最愛にして最悪の爆弾を1人で抱えきった
誰かに相談なんて出来るような話じゃなくて
親父が1番頼りにならなくて 寧ろ悪化の未来しか見えなくて
本当にすごいよ
1人で耐えさせてたんだな
あのひとはすごいよ
2人して頭が上がらない
帰ってきたらな 一緒に飲んで酔いつぶれような
たぶん 母さんが面倒見てくれるけんな
ねぇ どうか いつまでも頼りっぱなしのでっかいクソガキ2匹をどうか見捨てないでね
愛しています
産んでくれてありがとう
育ててくれてありがとう
あたし 二十歳になったよ
大人の仲間入りらしいよ
世界で1番 大人になりたくない大人だよ
世界で1番 大人らしくない大人になってみせるよ
これからも1番近くで愛し続けてね
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