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【世界が広がる扉】
【世界が広がる扉】
「おいしい!」
口の中に広がる、喜び。
その感動をまた味わいたくて。
また足を運ぶ。
渡り鳥のように、いろんなお店へ行って、味わうのもいいね。
気に入ったお店で、深く味わうのもいいね。
「自分がおいしい!」をきっかけに
食を通じて、世界観が広がり、働き方や、モノの見方まで変わる。
自分の世界が広がり、豊かになっていく“扉”は、人それぞれ。
わたしは、“食べること”が扉のひとつだった。
食を通じて、恩人と慕う人物とも出会える。
20歳の頃、近江の國で学び舎に居た時の記憶。
当時、たしか地酒ブームだったか、漫画「夏子の酒」に影響を受けたか、先輩がバイトしてる酒屋さんへ通うようになると、ある問いかけを振られた。
「美味しいお酒って どんなお酒だと思う?」
…値段が高いのじゃないかな、
…有名なのじゃないかな、
と言葉を返すと、
「自分の味覚を大事にしなさい」
店主の方から言葉をいただいた。
「できれば、幼い頃からがいいが、20代はまだ間に合う。味覚を疎かにしていると、50代になって、ラベルと値段でしか味わえなくなるよ。美味しいは、自分自身が基準でいいんだよ」
あれから25年ほど経った未来にいる私。
酒屋の親父さんの言葉が身にしみてくる。
「なに食べてもいいんだよ、自分がおいしく満足してれば」
“自分がおいしい!”は、世界が広がる扉を開ける鍵にもなるんだな。
ここで文章を書こうと思ったきっかけは、今春 中学生になる娘の存在。彼女は、食べることが好きで、自ら料理を覚えて いろいろ作っている。
彼女は新しい環境へ進んでいく。彼女は彼女の世界観に生きていくだろう。そうして直接、言葉を交わす機会は少なくなり、代わりに深い会話になっていくかもしれない。
今は、スマホやタブレットで、いつでもどこでも 文章に触れられる。言葉の代わりに、食で世界が広がり深まる見方を“ギフト”として伝えられる場所になればと願い。
見るか、受け取るかは、彼女次第。
“食で世界が広がる喜び”から
モノの見方や考え方の選び方、生き方、働き方まで広がると嬉しい。そう願い、書き記しはじめました。
読まれた方の人生になにかしら、いいきっかけになれば幸いです。
つぼちゃん。拝