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身体を上手に使う研究ノート② 自分に「合った」身体とは


自分にとってベストな身体とは

アスリートならその競技で高いパフォーマンスを発揮できる身体、
一般的には健康な身体や、見た目が美しい身体など、
何を目指すかによって「ベスト」は変わってきます。

更に、同じ競技でのアスリートでも体つきはマチマチですし、得意なことも違うので個々人によって「ベスト」の在り方は様々です。

その「ベストな身体」の拠り所になるのは「骨格」だと考えています。

筋肉は変化しますが、骨格は筋肉ほど容易に変化しません。
競技や健康に求められる筋肉量や筋肉の質は「骨格ベース」で考えたらよいのではないかというのが持論です。

骨格基礎理論(フレームベースセオリー・自称)

急にダサい名前を出てしまいました。

その名のとおり、
身体は骨格を中心につくりましょう、動かしましょう
という考え方です。

私が自分の考えを勝手にそう呼んでいるので、
ちゃんとそういう名前の理論があったらごめんなさい。

この考えの元になった車の例え話をしましょう。

レーシングカーと軽自動車を思い浮かべてください。
レーシングカーは速く走ることを目的として高速走行に耐えうるように作られた車です。
一方で、一般的な軽自動車は誰でも運転しやすく、燃費良く、快適に街乗りをすることを目的として作られた車です。

フレームやエンジン、足回りなど、それぞれのパーツは各目的に沿ってデザインされています。

そのため、レーシングカーのフレームに軽自動車のエンジンを載せると、フレームの性能を全く発揮できない車になってしまいます。
逆に軽自動車のフレームにレーシングカーのエンジンを載せたら、エンジンのパワーが大きすぎてフレームが壊れてしまうでしょう。

また、乗り方も然りです。
レーシングカーをゆっくり街乗り感覚で運転しても性能は全く発揮されずに宝の持ち腐れになりますし、軽自動車でハードな高速走行を繰り返していたら車は耐えられなくなります。

現実的には軽自動車も簡単には壊れないのですが、高速走行に対する性能や耐久性はどうしてもレーシングカーには劣るでしょう。

どちらの車が良いとか悪いとかの問題ではなく、設計意図に沿った形で組み上げ、運転することが大切なのです。

これは身体も同じなのではないか、というのが私の考えです。

人体と骨格ベースの考え方

話を人体に戻します。
個人に合ったトレーニングや動作の重要性は良く言われるところですが、
その「個人に合う」とは何を基準としているのか、一体何に「合う」のか。

それこそ
「骨格」
ではないでしょうか。

先述のとおり骨格は容易に変わりません。
その身体の個性であり、筋肉や神経と違い、練習やトレーニングなどの努力で中々どうすることもできない領域です。
(成長期であれば生活習慣や栄養、運動によってその後の変化に差は出ると思いますが)

そのため、骨格を基準にトレーニングや練習、フォームなどの「合う」「合わない」を判断するのが良いと考えています。

先の例では
身長が大きく骨太な人はレーシングカータイプになるでしょうし、
小柄で骨が細めの人は軽自動車タイプに当たるでしょう。

前者には相応の筋肉が無ければ、その骨格のパフォーマンス引き出せないでしょうし、後者が大きな筋肉をつけてしまうと骨や関節が耐えられないなどケガの要因になってしまうかもしれません。

骨格によって必要な筋肉量や質が変わってくるとはこういうことです。

そして、レーシングカーと軽自動車で乗り方が異なったように、体の使い方も骨格によって変わってくるはずです。

その他にもトラックのようにトルク型だったり、乗用車のようなパワーとスピードのバランス型のような人もいるでしょう。

成長期のケガや故障を防げるかもしれない

骨が主役の考え方は成長期の人にもメリットがあると考えています。

日々変わっていく骨格(身体)に寄り添いながら、そのときの骨格が必要とする以上の筋肉や筋力を付けたり、関節が耐えきれないような動きを避けることができれば、成長期のケガや故障を防げるかもしれません。

そしてそれは、本来成長に充てられたはずのエネルギーを怪我や故障のリカバリーに使わずに済み、成長の機会を無駄にすることを減らせることにも繋がります。

そうすれば、来たる将来、大人になってから健康でより良いパフォーマンスが発揮できる身体づくりに役立つはずです。

どのように骨格を見極めるか

そうは言っても自分が「何タイプでどれくらい運動すればいいのか」なんてパッとわかりません。
そこで一つの基準として考えていることは

自分の身体をちゃんと支えられること

です。

立つや座るは当然として、せめて数回腕立てができるとか、クランチやレッグレイズといった腹筋運動が数回できるというように、ウェイトを使わない自重トレーニングの種目がある程度できることを目安にしてはいかがでしょうか。

自重トレーニングができるということを言い換えると
腕で体を「支えられている」
お腹で脚を「支えられている」
脚で胴体を「支えられている」
などなど……

「自分の身体を支えられている」状態であるということです。

こうして自重トレーニングがある程度できるようなれば、骨格に対して少なくとも日常的に必要な筋肉はついていると言えそうですし、自分の身体だけでトレーニングしているので、ウェイトトレーニングよりも怪我や故障のリスクが低くなると思います。

最後に

今回は
骨格を基準に筋肉や動きを考えてみてはいかがですか
という内容をお届けしました。

そして細かな計測は難しいので、ウェイトトレーニングよりも怪我のリスクの少ない自重トレーニングで、自分の身体を自分で支えられているか、つまり、骨格に必要な筋肉が付いているかどうかを判断できるのではないか、ということをお伝えしました。

今回もそこそこ長くなっていしまいましたが、
次回も引き続き、この考え方を説明させてください。
お読みいただきありがとうございました。
それではまた。


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