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夜の桜島一周が、魅力的な理由

2020年10月より日本一活発な火山、鹿児島は桜島に着任した、地域おこし協力隊で私がしている活動の紹介をしてまいります。

夜間にしか感じることのできない桜島の魅力を肌で感じてもらう機会をつくりつつ、共に歩く仲間との語らいの場として。また、桜島地域住民が一丸となれる催し物となることを目指して、実行委員長としてサクイチ(桜島一周)ナイトウォーク2021を開催しました。

その時を振り返って、肌身を持って実感できた「夜の桜島一周が魅力的な理由」を書かせていただきます。

私がさせていただくことになった理由

ナイトウォークに着手しようと思ったきっかけは、とある地域コミュニティ協議会の話合いでした。会に出席していた地域の方からコミュニティ協議会に対する意見交換会で「地域が一丸となれるイベントが開催されると良い、例えば桜島のナイトウォークの復活させて欲しい」との声が上がりました。桜島ナイトウォーク自体の存在を知らなかった私は、町の人に尋ねたところ、桜島の夜間歩行訓練(防災訓練)の一環で昔からある伝統行事みたいなものだとお聞きしました。
とても興味が湧いた私は、当時イベントを運営されていた会長さんにお話を伺う機会をいただきました。すると、2019年を最後に運営側の高齢化が原因で惜しまれながらも幕を閉じたとのことでした。当時の会長も他にやる人がいないか探していたそうです。
地域おこし協力隊としてこれ以上ない条件に、やれる確信はないまでも地域のためになると直感的に感じた私は、その場で復活させる意思表明と承諾を頂いてました。(今思うと、この勢いなしでは実現もできていなかったのかなと)

▼キービジュアルも刷新。月と星が共生するファンタジーな火山島をイメージ

サクイチ_サイトバナー

やっぱり、経験がものをいう。(実施準備の苦悩)

実施準備を、前会長にあれやこれやとご教示いただいていると、これを何十年も続けてきた凄さを思い知りました。(しかもご本人は本業の仕事をしながら…)加えて、今回はコロナの影響を受ける状況下で初めてのことが多く、本当に実現できるのだろうか?いややろう!と自問自答の毎日でした。

ちょうど、復活のお話が固まり2021年の2月中旬から本格始動し、5月頭の開催を目指しました。イベント企画なんてしたこともない人間だったので、イベント要綱をつくるだけでも非常に時間がかかってしまいました。今までのフォーマットがあったにも関わらず何度も見直して、頭の中でやったことのないシミュレーションをしながら、2ヶ月半で桜島を丸ごと使ったイベントなんて無茶なチャレンジだったなぁと自分でも思います。しかし、やり切れたのもコロナ禍での挑戦にご協力してくださった参加者やボランティアスタッフの皆さん、そして何より今まで開催をしていた運営陣の協力や桜島地域の方々(桜島コミュニティ協議会や町内会、桜島支所の職員の方々、青パトも!)の協力があってこそでした。実は、コロナの状況も踏まえながらあと2ヶ月でできるのか心配してくださった前会長からも「またの機会でも、、」と助言をいわれたこと。それでも、やろうとししていることで余裕をなくした私のやりとりに付き合き合わせてしまったこと、前会長の懐の深さに感謝をしたいです。やはり経験がものをいうなぁと感じたのと同時に、良い経験をさせてもらったなぁと思う出来事でした。

▼道路の草刈りなんかも自主的に ▼会議も重ねてました

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テスト歩行をしてみてわかった本当の辛さ

主催者として、一度は歩いてみないと、と考えていた私は事前に挑戦してみることに。一人では味気ないため共に登山なんかもしていた妻も同行してもらうことに。夜の空気、森のささやき、海の波音は昼間も感じているものがなにか違って見聞きできて、木々の間から見える星空や、対岸に煌く街の明かりが希望の光ようで、夜の桜島の静けさと陰影が、何を語るわけでもないけど悟られているようで、噴煙の摩擦で起きた火花が美しかったことを覚えてます。

そんな雰囲気を感じながら後半の20Km過ぎたくらいから足が、、、(本番も多くの方が同じことを言っていたため、足に異常がでる距離なのかと)

足の引きずる音だけが響きながら朝を迎えると、ついにゴールに。とても感動したのと、隣で妻が涙を流したのを覚えています。

実施の結果

南日本新聞やKYTの番組にも取上げて頂きまして人数制限を設けての開催でしたがMAX300人の参加を募ることができました。

また、株式会社財宝さま、セイカ食品株式会社さま、キンコー醤油株式会社さまからも協賛を頂き、参加者の桜島の思い出づくりにご協力いただけましたこと、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

▼応募が急増した南日本新聞記事 ▼地元鹿児島のご協賛いただいた企業様

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協賛写真

参加者からアンケートを頂きまして、その結果をまとめさせて頂きました。回答者は限られてはいるものの満足度の高いイベントだったと回答いただけたことが非常に嬉しかったです。特に興味深かったのは、サクイチナイトウォークは辛いものであると回答されている人が多いにも関わらず、満足度が高かったことでした。ありがたいです涙

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夜の桜島一周が、魅力的な理由

本イベントは昔から続いていて、実はリピートする人がいる、ともお聞きしたことがありました。一回テストしたこと、そしてイベントを実施したことでわかったリピートも生み出す程のその魅力は、三つにまとめられるかと。

まず1つ目は、自然の中で過ごす夜という特別な体験です。人と自然が共存する桜島では、単なる夜のイベントではなくなります。歩くとこを歩けば、色のない大自然が参加者を包み込みます。むしろ現代ではそちらの方が珍しくなりつつある気もしており、対岸に見える街の光がどこか希望の光のように感じることができます。さらに、満点の星空が添えられたフルコースとくれば、特別な体験となることは容易に想像がつきます。

2つ目は、約36kmという距離の冥利です。
誰でも参加できるイベントではあるが、誰でも達成出来ないのがこのイベントの特徴でもあります。毎年約2割の完歩未達者がでるほど、36kmの壁は高いのです。周の後半戦、ちょうどハーフマラソンを終えたあたりから体に異変が起き始め参加者を精神と時の部屋へ誘います。その苦しさを乗り越えたあとの達成感はぜひ参加して味わって欲しいと思いますが、「今まで感じ得ない苦労を乗り越えたことでこれからなんでもできそうな自信がついた!」と言ってくださる方もいるほどです。

3つ目は、鹿児島の象徴“桜島”を制覇したという称号です。
誰しも何か頑張った後には、金メダルが欲しくなる気がします。本イベントでも完歩証を発行していますが、この金メダルには達成への証だけでなく、他にもくっついて来るものがある気がしております。鹿児島人としては、シンボル桜島を歩ききる行為は、有名なゲーム(ドラゴンクエスト)で例えると勇者の装備を獲得したような、薩摩における隼人になったような感覚が。また観光者としては、言い過ぎかもですが、鹿児島のあの“桜島“を手中に収め高揚感が、この金メダルにはある気がしてなりません。

これが本当か?と思う方は是非一度お試しくださいw(次回は開催検討中ですが、、、)

▼記者の方の体験記事もご参考に

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最後に

桜島を美味しく味わうには、島を丸ごと味わうのが一番良い方法だと、このイベントを通して強く感じさせられました。桜島のこの”ちょうど良い”食べやすさは、観光の上でも大切な捉え方ですが、まちづくりにも生かしていけるのではないかなぁと考えています。このコンパクトなアイランドシティでもっとワクワクすることにチャレンジしていきたいと思いますので、皆様の温かいご指導ご鞭撻を引き続きよろしくお願いいたします。

さくらじま協力隊のサイトもございます。他の記事などもこちらからご覧いただけます。暇なときに確認してみてください〜

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