低山スノーシューのすゝめ〜雪国自転車乗りのオフトレとして〜
▪️雪国自転車乗りの悲哀
日本海側では、冬に外乗りできるコンディションになることは極めて貴重。雪や雨が降っていない、もしくは曇りや晴れであったとしても、まず路面状態が劣悪なのです。路面は常にウェット気味、路肩に溜まった雪が溶け出してビチョビチョになっていることも多い。さらに厄介なのが凍結防止剤(通称:塩カル※塩化カルシウム)がそこらじゅうに撒かれていて、自転車に付着する。ライド後の洗車は必須となる。そして、常に強い風(暴風と言っても良い)。
昨今はローラー環境が改善されたこともあり、ほぼほぼ冬に外乗りをすることはなくなっりました(一部の異常者は極寒&暴風の海岸線を爆走しているみたいだけど※褒め言葉です🙏)。
しかし、トレーニングは出来たとしても、外でのアクティビティが減るのでメンタル的にやられてくるのです。
▪️低山スノーシューのすゝめ
そこでおすすめしたいのが「低山スノーシュー」なのであります。その理由は以下となります。
・片道1時間以内の低山でサクッと午前中に終了
まずは手軽さ。雪国民であれば車で1時間以内に標高1000m未満の低山が結構あると思います。標高500m以上あれば十分楽しめます。そこまでの山が無かったとしても、標高2〜300mの山が連なる丘陵地対でもOKです。こういった町に近い里山には林道や登山道(トレイル)が必ずあります(かつては生活の糧を得る場だったので)。それらの道を使わせて頂き、雪の上を歩く(又は走る)という活動になります。
近場の山なので現地スタート朝7時くらいにすれば(行動時間3~4時間)お昼頃には家に帰れるという寸法です。家族持ち的にはお昼を越えるか超えないかは大事なポイントですよね(ライドでもそう😂)。
・3〜5時間の低強度トレーニングが可能(Z2〜3)
トレーニング負荷の話。山ですので基本的には登りか下りとなります。登りは淡々とZ2〜3くらいでワシワシと登っていきます。勾配が緩いところや下りでも、膝下くらいの雪(スノーシューを履いて、履かないと膝上以上)の中を進むので、それなりの負荷になります。そして、何より脚に優しいですね。オフトレのランニングで脚を故障するサイクリストは多いですが、スノーシューでは深雪が脚への衝撃を優しく包み込んでくれます。
複数人で行う場合は、先頭が一番負荷が高くなります。先頭は他のグループ等の足跡がない場合はラッセル(踏み跡を付けていく)する必要があるので一番大変。lこれは自転車の空気抵抗と同じですね。ですので、ライドと同じように先頭交代しながら進みます。体力差がある場合は、強い人が先頭固定とか、辛い人はツキイチするのもあり。そんなことをしながら3〜5時間のエンデュランストレーニングが可能です。
・自転車乗りに必須な筋肉「腸腰筋」が鍛えられる
雪が深くなればなるほど「腸腰筋」が鍛えられます。一歩ごとに、雪に埋まったスノーシューを上に引き上げて、前に進む必要があります。イメージとしては急勾配の坂を低ケイデンスでヒルクライムしている感じです。アクティビティが終わった後には腸腰筋の疲労を感じられるはずです。(鍛えられるの確かだけど、自転車競技のリザルトに結びついているというエビデンスは現在のところございません😂)
・深新雪の下り急斜面でポイント的に高強度メニュー(スプリント)
低山スノーシューのお楽しみは「下り」になります。パフパフの深雪深雪の斜面を重力に任せて駆け下るのです。登山道ですから当然勾配はとてもきつい訳でして、身体が落ちていく速度に合わせて、深く雪に埋まった足をスノーシューごと引き上げて、次の一歩を素早く踏み出さないと、上半身だけ先に落ちていくことになります。ですので、スプリント並みの強度をもって走らないといけないのです。なかなかの負荷ですよ。思わず奇声が発せられます😂
万一転んだとしても問題なし。周りは深雪ですので、雪が全部受け止めてくれます。心配無しです。
・非日常感、絶景、陽の光を浴びてビタミンDを生成
非日常感。特に前夜雪が降った後の新雪&快晴の場合は「The Day」となります。山ですので当然眺望も良い。白く染まった平野を眼下に、普段みられない絶景だらけです。低山でも十分素晴らしい光景が体験できますよ。プライスレス。
陽が出ていれば、ビタミンDを存分に生成可能です。
▪️スノーシュー、服装などの必須ギア
・スノーシュー
スノーシューも色々と種類あります。スノーラン系(軽量、走りやすい、滑り止めの歯がちょっと弱め)、登山系(重め、歯がしっかりしている)、かんじき系(滑り止めの歯が無かったりします)。オススメはスノーラン系か登山系。調べてみたら1万円以内で良さげなのが買えそう(amazomさん)。ちなみに僕はアトラスのスノーランを使っています。
・シューズ&足下関係
シューズですが、オススメはゴアテックス加工されたハイカットのトレランシューズですが、結構高価なので、普通のトレランシューズ(出来れば防水)でもOKです。ランニングシューズですと濡れやすさグリップの面でちょっと不安です。ゆっくり登るのあればスパイク付き長靴でもOKかも。
あと重要なのがゲイター(靴の中に雪が入らないようようにするカバー)。
・服装
アウター上下は防水系ウェア(ゴアのやつでも良いし、防寒できるやつで嵩張らないもの)。インナーは複数枚レイヤーで重ね着して、活動中は気温や体温の状況により脱いだり着たりします。一番下に速乾性インナー、その上に自転車長袖ジャージ的な薄手のウェア(ポケットあると便利)、さらにその上に薄手のジレみたいなもの。あとは靴下(厚手でウールなど濡れにくいものが良い)、ネックウォーマー、帽子(耳が隠れるくらいのが良い)、スノーグローブ(防水なもの、スキー用、防寒テムレス最強)。
・その他装備
バックパック、リュック。主に補給食、水分、脱ぎ着する衣類を入れます。それと緊急時用にエマージェンシーシートと応急用品なども入れると尚良し。僕はトレイルラン用の10Lくらいのものを使ってます。
▪️新潟市近郊におけるおすすめ低山
低山とはいえ雪山ですのでそれなりのリスクはあります。積雪により登山道が分かりにくなっていたりしますので、事前にコースのリサーチをしてから行きましょう。できれば、グリーンシーズンに登山したことがある山だと良いかもしれません。
以下、毎年行っている新潟市近郊の低山スノーシュースポット