022:chicken or egg
人は言葉で、目で、何かを訴えたり表したり伝えたりする。
私の場合はそこに更に呼吸が加わる。
怒りで手が震えたり、動揺で目が泳いだり、辛くて息が乱れたりする。
人の内なる気持ちや感じたものは、言葉にせずとも体の動きに現れる。
ときに俳優はこの逆を辿っていく。
目、顔と身体の筋肉、そして呼吸を操り、感情や気配・空気を表現する。
体にうそをつかせて、本物の気持ちや感じたものを作り出す。
丸3年、人生も投げ打つ勢いで浸った世界なので体が覚えてしまっている。
これができるからちょっと変な私の性癖(前に書いた気がする)が満たせるわけだが。
気持ちいいから息が乱れるのか、それとも息が乱れるから気持ちよくなるのか。
ふつうのセックスというコミュニケーションにおいてそんな非言語ツールをつい使いすぎた。
どちらのアプローチもできてしまうがゆえに本来の本物がわからなくなってしまった。
そんな私に彗星の如く現れた首締め。
なんてったって自分で息を制御するまでもなく制御される。
薄々罪悪感に駆られていたセルフ呼吸管理が正当化された瞬間である。
なんだか救われた気分だった。
そういうわけで呼吸や血流を制御されるのが好きです。
ただの被征服欲ではありません。
どちらかといえばむしろ此方側の征服欲との二重構造のような、表裏一体のような。その中のひとつ。
植物は水があれば自分で栄養作れるけど肥料があったらもっといいよね、の肥料みたいなものです。
無いなら無いで自分で栄養作ります。