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【みちしるべ#15】浴本悠貴さん〜十人十色に楽しめるオリエンテーリング界を!社会人編~ (後編)
ゲストプロフィール
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浴本悠貴(えきもとゆうき)さん
ニックネームは浴ちゃん。神戸大学2019年度入学。
広島県廿日市市出身。大学の新歓にて、オリエンテーリングと出会い、沼にはまる。3年でインカレロング・ミドル・スプリント・リレーのエリートになる。最高成績は4年のインカレリレー1走2位。22年度の日学幹事長を務める。就職をきっかけに2023年より関東に拠点を移し、ES関東に入会。競技としてのオリエンテーリングを頑張りつつ、様々なオリエンティアとの交流を楽しんでいる。
仕事とオリエンテーリング
―大学生時代のオリエンテーリングの経験が現在の仕事に生きていると感じる部分はありますか?
大会運営を通して周囲の人と関わりながら仕事を進めた経験が生きていると感じています。
大会運営と仕事は似ている面があると感じていて、成果を出すために色々な人が協力しながらやっていく部分が同じだと思っています。 そういう意味で、人との関わり方は大会運営を通じて培ってきて、それが今の仕事にも生きていると感じています。
メールで仕事をすることもあるのですが、直接話して相手のリアクションとかを見つつ認識をすり合わせていく作業がとても大切です。
運営時に行っていた、しつこいぐらいコミュニケーションを取ることや、一人一人の仕事の進捗状況を把握しながら、困っていることとかがあれば相談に乗ってきたという行動は、周囲の人と協力しながら行う現在の仕事にも生きています。
―全体と上手くコミュニケーションを取るために工夫していたことはありますか?
気軽に接してほしいというスタンスでいました。自分からも積極的にコミュニケーションを取るようにしていたし、困り事があればなんでも聞くようにしていました。聞く姿勢は大切だと思います。
―競技面でインカレに向けてストイックに取り組んだ経験は仕事に生きていますか?
一番感じるのは、体力が培われたことです。仕事もたまに、たまにですよ、仕事が遅くなる時にも、オリエンテーリングでロングディスタンスを走る時に比べたらそんなに大変じゃないなって。
―残業後にも、深夜にランニングされていますよね!
たまに走りたい日が出てくるので、その時は時間を気にせずに深夜1時でも走りに行っています。
―社会人になって仕事をしながらオリエンテーリングを続けることは、ハードではありませんか?
大学時代よりトレーニング量は少し減っていると思いますし、学生時代よりハードとはあまり思わないです。
卒業後のオリエンテーリングとの関わり方
―大学生時代と社会人になってからのオリエンテーリングへの関わり方に変化はありましたか?
競技面では、インカレという学生時代の大きな目標は卒業してからなくなってしまったので、今はCC7に向けてトレーニングしています。今の目標は、CC7で地域クラブの1軍に入ることです。
CC7は世代関係なく楽しめるお祭りのような大会であると同時に、社会人になってからは、より競技的な比重が大きくなったと個人的に感じています。
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―楽しみ方の面で、大学生の頃と社会人の頃と何か変化したことはありますか?
楽しみ方は一番大きく変わった部分だと感じています。
学生時代は、阪神奈の学生との関わりが多かったのですが、社会人になって地域クラブに入ってからは、関わる人の幅が増えたんです。今まで関わりが少なかった人たちと一緒の配車で移動することが増えたことで、色々な人と交流ができるのが楽しいですし、嬉しいです!
―学生の頃はその所属してるサークルで宿や交通のとりまとめをしていただいてるため、 社会人になってからの参加の仕方は悩みますよね。
学生時代は基本的には同じ大学の人と一緒に行動していたため、 卒業して大学という所属がなくなってから悩む人は多いと思います。そのような人は、地域クラブへの入会がおすすめです!交通の手段が増えるため、参加しやすくなります。
地域クラブについて
―ES関東クラブに入会した理由、きっかけはなんですか?
社会人になって初めて関東に来たのですが、社会人1年目は、どの地域クラブに入会するか本当に悩んでいました。社会人になってからもオリエンテーリングを続ける場合、入会した方が居場所も出来ますし、活動がしやすいと考えたので、入会する地域クラブを探していました。関西や関東は地域クラブが多く、どこに入るか本当に悩みました。
―特に関東は選択肢がたくさんありますよね。
おそらく関東だけで10個ぐらいあると思います。選ぶ際は、その地域クラブの人と話して、雰囲気を感じてから入ろうと考えていました。ES関東クラブの皆さんは大会会場でお会いする度に何度も勧誘してくださって。それが嬉しくて入会を決めました!
また、普段関わることの少ない人の多いクラブに入って新しい輪を広げたいとも考えていました。ES関東クラブには、私が普段交流の少ない上の世代の方が多かったので、それも決め手となりました。
―学生の頃に地域クラブに入ることは考えていなかったのでしょうか?
そうですね。学生時代はどこに就職するかを決めてなかったので、社会人になって住む場所が決まってから、 近くの地域クラブを選ぼうと考えていました。地域によっては、クラブが少ないところもあるので、そこが社会人になってからもオリエンテーリングを続ける難しさの1つになっているという印象があります。
―社会人になっても競技面で高みを目指す気持ちは持ち続けていますか?
先程と言っていることが違うかもしれないのですが、競技を楽しみつつその境地に行けたらいいなと思っています。楽しみながらゆるゆる続けていきたいです。
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JOA (日本オリエンテーリング協会)と日本学生オリエンテーリング連盟の理事を務めて
―今年度日本オリエンテーリング協会の理事を務めていらっしゃいますが、そもそもJOA(日本オリエンテーリング協会)とはどのような組織ですか?
JOAは、一言で言うと日本のオリエンテーリング界を統括する組織です。全日本大会の運営や、イベントアドバイザーを養成するための資格試験もJOAが主催で行っています。日本オリエンテーリング界をもっと発展させていくためにどうしたらいいかを考えて動いてる組織です。
学生に身近な部分で言うと、 日本ランキングを運用しているのはJOAです。日本ランキングは数年前まではなくて、全日本大会への関心を高めるための一助として始まった試行的な取り組みです。
また、世界選手権に出場する日本選手団の選考会の開催や、誰を日本代表として認めるかどうかはJOAが決めています。さらに、日本代表になった選手に対してサポートもしています。
上の世代のオリエンテーリング界と学生オリエンテーリング界の風潮が異なることもあるので、すり合わせをしていきたいです。学生リスナーの皆さんで日本オリエンテーリング界に対して気になることがあったら、私に聞いてください!
―日学とJOAの理事を両方務めていらっしゃいますが、日本のオリエンテーリング界がこうなったらいいなという理想像はありますか?
オリエンテーリング界が多様性を認める社会になったらいいなと考えています。
オリエンテーリングの楽しみ方はタイムを競うだけではないと考えていて、様々な楽しみ方を持ったオリエンティアが生まれてほしいです。皆さんが楽しめるように様々な趣旨のイベントやふざけた大会などを開催して、のびのびと楽しんでほしいと考えています。
オリエンテーリングの経験がない人でも、ハマる人は絶対にいると思うのですが、初心者にとってはハードルが高いのが現状です。まだ具体的な案は出ていませんが、初心者の人でも楽しめる機会を作れたらいいなと考えています。色々な人が楽しめるオリエンテーリング界にしたいです。
学生オリエンティアに向けた活動をする理由とは?
―これまで日本学連やJOAのお話を聞いて、その中で学生オリエンティアに対して熱い応援を送り続けてくださっているのが伝わってきました。
このような活動する動機はどういったものがあるのでしょうか?
一言で伝えるのが難しいのですが、この活動は、オリエンテーリングの楽しさをみんなに知ってほしいというオタクの推し活動みたいなものです。オリエンテーリングの様々な楽しみ方を紹介したい。まだ楽しみ方を見つけられてない学生オリエンティアに楽しみ方を知ってもらって、オリエンテーリングをもうちょっと好きになってくれたら嬉しいなと思い、エキチャレなどの活動をしています。
―幅広いオリエンティアに向けて強い思いを持っていることがインタビューの中で伝わってきました!
もしなにかやってほしいことがあれば、必ず検討します!
気軽に声をかけてください!
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オリエンテーリングの魅力
―オリエンテーリングの魅力はどういったものがありますか?
私は、色々な楽しみ方を見つけられることがオリエンテーリングの魅力ではないかと考えています。オリエンテーリングは、多種多様な楽しみ方をどんな年齢でもできると考えています。競技面だとミス率を減らすとか、誰々に勝ちたいとか。私は、オリエンティアとの交流を楽しんでいます。皆さんにも色々な楽しみ方を見つけてほしいです。
学生の頃は、みんなと配車内でわいわいしながら遠征に向かうという楽しみがあると思います。一方、社会人になっても、地域クラブという新しい場所で交流が増えるという新たな魅力も生まれます。実際、私は地域クラブに入って、交流の幅が広がりましたし、新しい楽しみ方を見つけることができました。
学生にむけて一言
―学生に向けて一言お願いします!
大学卒業後も学生時代に一緒に切磋琢磨した人たちとよく会うのですが、その人達に会うと学生に戻った気持ちというか、昔ながらの感覚になるんです。それは、オリエンテーリングでないと味わうことができないと感じています。
学生の皆さんには、今はオリエンテーリングに全力で打ち込んでほしいです! 真剣に物事に打ち込んだ経験は、社会人になって仕事でも生きますし、学生時代に切磋琢磨した人たちと一緒に遠征する時には、思い出話で盛り上がります。なので、学生の皆さんには短い学生時代を精一杯楽しんでほしいです。
感想
浴本さん
みちしるべのインタビュー依頼が来た時は自分でいいのかなと感じていたのですが、皆さんが、みちしるべのコンセプトである「社会人になってからオリエンテーリングどうやって続けていくか」というのを考える中で、私の経験を参考にしていただけたら嬉しく思います。また、別に自分の形を目指す必要はなくて、オリエンテーリングは色々な楽しみ方あるので、自分が続けやすい形を見つけてください!
伊東
今まで私は、社会人になってから自分がオリエンテーリングを続けていけるのか、ビジョンが見えてこなかった部分がありました。ですが、今回お話の中で学生の頃よりも幅広い楽しみ方があると聞いて、社会人になってからのオリエンテーリング人生がとても楽しみになりました。これからもオリエンテーリングを楽しんでいきたいです!
西川
社会人になると学生の頃と同じようには競技を続けていくことは難しいのではないかと感じていたため、どのように続けていこうか考えていました。しかし、今回の取材で、オリエンテーリングには競うだけではない様々な楽しみ方があることを知ることができました。社会人になったら、より交流の幅を広げ、自分なりの楽しみ方を見つけて続けていきたいです!
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