ちゃんと『開く』
note 25日目。
マンションの管理人のおじいさん。
身長150 ㎝くらいの、がっちり骨太さん。
白雪姫に出てくる小人のおじいさんみたい。
いつも、ひとり黙々と仕事をしている。
草むしりをしたり、
ゴミ捨て場の清掃をして、ゴミの分別をしたり、
不要チラシを入れるカゴを片付けたり、
駐輪場の自転車の向きを揃えたり、
なぜか、向かいにある不動産屋さんの花壇に水やりしたり。
いつも、挨拶したい、お礼を言いたいと思いながら、
話しかけにくい武骨な雰囲気に、気持ちが引っ込んでしまい、
会釈するだけで通りすがってしまう。
ある時、思い切って…
私:『 お、おはようございます!』
おじいさん:『 ・・・・・。』
あ、あれ? 聞こえなかったのかな?
その2、3日後。ゴミ捨て場でおじいさんを見かけた。
また、思い切って…
私:『 こ、こんにちは。』
おじいさん:『 ・・・・・。』
また、スルーされてしまった。なんでだろう?
聞こえてないわけない。ちょっと ショックだった。
それからというもの、おじいさんを見かけても、
挨拶することはなく、会釈するだけになっていた。
おじいさんは、私と同じ階の 3 部屋隣のおじさんとは仲良し。
1階ロビーでたまに楽しそうに話しているのを見かける。
顔見知りとしか、挨拶をしないのね。そう思っていた。
今日、朝ゴミ捨てをしようと、ゴミ捨て場に行くと
おじいさんが片付けをしていた。
後ろからゴミを投げるのは失礼だから…
自然と『おはようございます!』と言っていた。
そうしたら初めて、『 ほーーーい!』
少し笑って返事をしてくれた。
ちょっとびっくりした。でも、朝からすごく良い気分。
ああ、そうか。
伝わらない挨拶をしていたのね。
おじいさんの性格のせいじゃない。
おそる、おそる声を掛けられても嫌だよね。
言葉は届けようとしないと伝わらない。
当たり前のこと。
だけど、なんとなく気恥ずかしいとか、
ちょっとめんどくさいとか、疲れてるからとか
そんな理由で自分を『閉じて』しまう。
『閉じた』まま挨拶しても伝わらない。
自分の枠から一歩出て、
ちょっとでもいいから、頑張って 自分を『開く』。
今度は、おじいさんに『いつも ありがとうございます。』と言ってみよう。
今日も一歩前へ。