【名作迷作ザックザク②】~素晴らしきかな"GW" その二~ 祝!4Kリマスター公開(後篇) ロマンティックよりもヒステリックが止まらない おじさん向けフェティシズムマシマシ映画?!『フラッシュダンス』
結論から言おう‼・・・・・・・こんにちは。(・∀・)
ダンスといえば、セガサターンでたぶん小学校高学年の頃(まだ黒サターンだったような?)に安室奈美恵さんのゲームがリリースされてたなぁ、と思い出した、O次郎です。
今月に入ってから、「Dance&Music映画の不滅の金字塔」(CMのLiLiCoさんの圧がすごい)ということで件の2作品がリバイバル上映されております。ゴールデンウィークにかこつけた記事ということで、直近の投稿で『サタデー・ナイト・フィーバー』について書いたので今回は『フラッシュダンス』のほう。
当時の社会風刺も盛り込んだ『サタデー・ナイト・フィーバー』とは異なり、典型的なアイドル映画然とした『フラッシュダンス』は批評家からは芳しい評価を得られなかったとのことですが、リアルタイム世代でない身からしても、”主演の若きジェニファー=ビールスを拝むためだけの”と結論付けてしまうには惜しい気がします。未見の方でネタバレを避けたい方は目次Ⅱまで。適宜リンクより飛んでくださいませ。
それでは……ホワット・ア・フィーリング!!
Ⅰ. どんな作品?
”商業主義の娯楽映画である”という記述がなんとも辛辣ですね…。
まぁ、確かに"夢を持つことの素晴らしさ"のゴリ押しが目立ち、物語設定的にかなりのご都合主義(あらためて後述いたします)が見られるし、見た目ほど手放しに喜べるエンディングではないのでは・・・と自分も思いはしました。
が、低予算映画である本作は、大概の低予算映画が奇抜なストーリー展開やシチュエーションを限定した演出で勝負するのに対し、スターキャスト無し且つド直球なシンデレラストーリーで大ヒットした、という点でユニークであり、工場やバーといった薄汚れたロケーションが多いながらもさわやかな印象を残すセンス(そしてフェティシズム)は伝わってきます。
時代性もあって、現代に置き換えての再映画化なんかは難しいでしょうが、物語の起承転結と主人公の喜怒哀楽が非常にビビッドでミュージカル化もされているようなので、その方面で今後も末永く愛される作品になるのではないでしょうか。
Ⅱ. キャストいろいろ
・ジェニファー=ビールス
本作で主演する前から既にファッションモデルをされていただけあって、非常に品のある美しさ。なんというか嫌味が無いですね。
しかしながらどういう訳か、本作ではセクシャルな(しかもおじさん向けのどぎついヤツ)印象を強調するようなシーンがやたらと目立ってます。彼女の作中でのダンスがそもそも須く煽情的なので、反面、私生活の方では媚態控えめでお願いしたかったのですが、はてさて。
まぁ、幼少期から小悪魔的なセクシャルなイメージを持たされたチューズデイ=ウェルドや、その清純な容姿に反して男女の艶っぽい歌を歌わされていた百恵さんのように、単にプロデュースする側の打算計算の結果かもしれません。
三十年近く経った今も変わらぬ美貌を維持されているようですげぇなぁ。
現在はテレビを中心に活躍されてるようですが、スレンダーな中高年のお嬢さんとして梶芽衣子さんのように息長く活躍されることを願います。
・マイケル・ヌーリー
すんません。他の出演作では『ヒドゥン』ぐらいしか覚えてないです。
自分より一周り以上年下で、自分の経営する製鉄所の工員である主人公に対して序盤からわりとストーカーチックにモーションを掛ける社長。
貧乏から成りあがるために金持ちの女性と結婚してソリが合わず離婚したそうだが、もしや製鉄所はその離婚で得た金で興したのでは…。だとすると終盤で主人公を叱咤する「夢を捨てることは死ぬことと同じだ」とのセリフが何とも空虚なことに。
・リリア=スカラ
元バレリーナで、身寄りのない主人公に素養を見出してバレエスクールへの挑戦を勧める。主人公にとってはお祖母ちゃんに等しかったはずで、その死後も”彼女と約束した夢”という形で主人公を縛り続けるのではなかろうか…。
Ⅲ. 主人公がおじさんキラーだった件
Ⅳ. 君が通り過ぎたあとに
というわけで、ラストのオーディションの場面での、それまでのショーでのセクシーダンスや、偶然覚えたブレイクダンスのすべてを、まるで憂さ晴らしのようにお上品な審査員のお歴々に仕掛ける様は圧巻です。
その鬼気迫るダンスに、観ているこちらも”18歳からプロ目指してバレエスクールって遅すぎるんじゃない? しかも別ジャンルのダンスが身体に染みついてる状態でスタートって余計にマズいんでない!?”というツッコミをついつい忘れてしまいそうになります。
解説を読むに、進学先のスクールはバレエジャンルに限ってはいないのかもしれませんが、応募要項にバレエのレッスン歴の記入欄が有ったり、他の受験者がみんな見るからにバレエ畑であったり、その方面の素養が前提っぽいです。しかも良くも悪くも感情的な主人公なので、入学後にセクシーダンスを踊っていた過去を同級生に揶揄されて激昂するような失態が目に浮かぶようです。
続編製作の話は実現していないようですが、個人的にはそのへんの落としどころがどうなっていたかが気になるところではあります。
主題歌の『ホワット・ア・フィーリング』は当時日本語カバーまでされて大ヒットしたそうですし、執念のダンスパフォーマンスと併せてスクリーンで堪能するのもよろしいかもしれません。
そんなこんなで、次もゴールデンウィークにかこつけてかどうかはアレですが、近いうちにまたつらつら書く所存です。
それでは・・・・・・どうぞよしなに。(・∀・)
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