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[VHS発掘④]単なるランボー便乗アクションと侮るなかれ! 田舎の暴力を男の超銃が制裁するがその哀しみは深く... 映画『地獄の戦士ブラストファイター(1984)』
結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。(〃⊃ω⊂〃)
小学校高学年の頃にドラクエのバトエンが流行り出したものの全く食指が動かず、夢中になってる友だちが先生から”学業の妨げになるので持込禁止”とか言われてたのを見て正直ざまぁと思ってしまった、O次郎です。
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「流行に流されない俺…カッコいい。( ´ ▽ ` )」とか思ってました。
今回は、VHSでだけ観られる傑作映画の発掘企画「VHSだけ見つめてる」の第四弾、『地獄の戦士ブラストファイター(1984)』をご紹介しましょう。
キッカケは昨年末、CSで『ランボー(1982)』の吹替版特集が放送されていた際にいろいろと記事検索していて、ランボーインスパイア系のトホホ作として本作を見つけ、下衆の横好き根性で俄然興味を持った、というわけです。
ちなみに上記のランボー吹替版特集は、もっともスタちゃんイメージにピッタリの佐々木功さん版に、細部まで表現が行き届いたユーザーライクな玄田哲章さん版および銀河万丈さん版、どっしり安定感のある羽佐間道夫さん版を抑えて特に個人的に印象的だったのは、以外にもナイーブな若者感が横溢していた渡辺謙さん版の吹き替えでした。
話を戻して、B級臭漂うマイナー映画や、ソフト化されていない貴重作をちょっくら齧ってみたい方々、読んでいただければ之幸いでございます。
それでは・・・・・・・・・・・・"何も終わっちゃいない!!"
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Ⅰ. 地獄の概要
※英語版しか無いため、翻訳等でご参照ください。
法で捌けない悪を私的制裁し服役していた元警官が過去を悔い、郷里に帰ってひっそりと暮らそうとするも悪漢たちに謂れなき暴力を受け、周囲の人間を巻き添えにされたことで遂に爆発する復讐譚。
ランボーは自らが受けた恥辱をベトナム帰還兵全体の悲憤へと昇華して戦いましたが、タイガーこと本作の主人公は自らの受ける艱難辛苦はさておき、他人の無念を晴らすために銃を取ります。
低予算映画ですが、とにかく思い切りの良い見せ方です。具体的には派手な撃ち合いシーンは無く、タイトルにもなっている最新式万能ショットガン"ブラストファイター"が火を噴くのはなんと"ラスト10分ぐらいです!!
結果、前半は主人公タイガーと仲間が地元のヤンキーたちに執拗に追い立てられるマンハンティングものとして、後半は満を持して"ブラストファイター"の封印を解いた主人公が単身で並み居る悪党を蹴散らすスペクタクルアクションとして楽しめます。
特に前半では急峻な山々での逃走劇の画角や効果音によって弾数も節約されているようで、工夫によって迫力を落とさぬよう考えられてます。
当初は2072年の未来帝国ローマが舞台の設定だった、とのことですが、怪我の功名というか、少ない予算の中でSF要素を極力排した結果、当初の青写真とは似ても似つかないながらも、大ゴケせずに手堅く楽しめるアクション映画になったと言えるのではないでしょうか。
Ⅱ. 地獄の監督
※英語版しか無いため、翻訳等でご参照ください。
監督はイタリアンホラー映画の重鎮、ランベルト=バーヴァ。閉鎖空間で非力な人間たちが悪魔と戦うスプラッターホラーの『デモンズ』シリーズが有名。
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特殊メイクの粘液や血のりの大盤振る舞いを楽しむのが吉、でしょうか。
お父上のマリオ=バーヴァも、スラッシャー映画の先駆けとなった『血みどろの入り江』や、初監督作にして魔女狩りに遭った王女の恐ろしい情念を描いた『血塗られた墓標』、強盗たちの常軌を逸した殺戮の逃避行のユーロクライム秀作『ラビッド・ドッグズ』等で知られる大家。ランベルトは彼の助監督としてキャリアをスタートさせたということですが、父のその膨大なフィルモグラフィーの中で効果的な撮り方、魅せ方が磨かれていったのかもしれません。
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『ザ・ショック』も低予算のシチュエーションスリラー。
Ⅲ. 地獄絵図の数々
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身元引受人の級友は彼の最大の仇敵である悪徳弁護士を屠るための最新兵器
”ブラストファイター”を彼に託すが、彼は復讐を固持。
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が、地元の若者が密猟をやっており、ジェイクを挑発する。
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密漁者の若者たちとの因縁が生まれる。
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母を早くに亡くしていた彼女は祖父と一緒に暮らしていた。
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密漁者の若者たちが逆恨みし、ジェイクの車に細工していたのだ。
車は大破するも、ジェイクの機転で二人は辛くも助かった。
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その昔、正義感溢れる警官だったジェイクは巨悪を怒らせた結果、相手の手先に妻を殺された。
悪徳弁護士に守られた下手人に我慢ならず引き鉄を引いた結果、
ジェイクは刑務所送りになってしまったのだった…。
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彼はジェイクが街を去る際のいざこざで片足が不自由になっていた。
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ジェイクの不在の隙を突いて娘に強姦しようとした連中を止めようとした娘の友人を
勢い射殺してしまった若者たち・・・。
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ここからまるでピーター=フォンダ主演の人間狩りスリラーの
『ダーティ・ハンター(1974)』(求むDVD化!)の如く、残酷なハンティング劇が始まる。
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必死に娘を励ますジェイク。
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これ以上の追跡を止めさせるので、弟たちの暴挙を見逃してくれ、との要求。
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そして・・・
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物語の尺が残り10分しかないところでようやくの主役火器!!
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エンディングの空のように、生還したジェイクの行く末はまた果てしない闇が待っている…。
Ⅳ. 地獄の終わりに…
というわけで要所を掻い摘んで物語を追いましたが如何でしたでしょうか。
上述のように、タイトルにもなっている主役武器がラスト10分を切ってようやく登場する、という大胆な構成ですが、それだけに残る予算を惜しみなく投入したような見せ場にちゃんとなっており、まさに”必殺武器”という感じです!!
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そしてまた、それゆえに我慢に我慢を重ねる前半の展開がちゃんと生きており、過去に安易に暴力に頼ったことを刑務所で深く後悔した彼の倫理観が、娘の死に際にこぼしたこの一言に集約されているような気がします。
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B級臭はどうしても漂う本作ですが、VHS止まりなのは惜しい気のするめっけもんです。ショッカージャンルの多いランベルト監督の中でもなかなか異彩を放っており、是非とも円盤化や配信を期待したいところです。
よろしければ皆さんのおススメの未円盤化作品もコメントでお教え頂ければ恐悦至極でございます。
今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・・・・どうぞよしなに。
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![O次郎(平日はサラリーマン、週末はアマチュア劇団員)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76767168/profile_964813fba38d4eb07b414646ca645b37.jpg?width=600&crop=1:1,smart)