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【配信を拝診⑤】20年昏睡していたアラフォー女子がパリピ女子高生を目指して大奮戦?! アイタタ&ハートフルな青春返り咲きのNetflix独占配信映画『シニアイヤー』でほんわかしよう。
結論から言おう‼・・・・・・こんにちは。(´・ω・`)
今日(2022.6.15)、世良公則さんが『徹子の部屋』に出演されるそうですが、個人的に世良公則さんといえば"世良公則&ツイスト"ではなく『マルモのおきて』でもなく、Vシネの『クライムハンター』シリーズのイメージの、O次郎です。
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「東映Vシネマ」の第一作にして、”Vシネ”的作品の第一号でもある、というのがゴイスー‼
シリーズ3作まとめてDVDや配信でもリリースされてるのでゼヒ。
平日、仕事からの帰りが遅くなってくたびれてる日や有象無象のプレッシャーで厭な夢を見そうな日なんかは「今日はもうあんまり頭使わずにサラッと観られるヤツを観よう」と思ったりします。
で、そんな時は『孤独のグルメ』を観てイッノッガッシラッ・フ~ッと脱力したり(そういえば今勤めてる会社のほぼ目の前に番組で取り上げられた店が有ってビックリした)、『夏目友人帳』観てにゃんこ先生でにゅふ~っとなったりするんですが、たまにはいわゆる”ポップコーンムービー”的なヤツを・・・とサブスクでカチカチ探してて本作がサジェストされた次第です。
最近Netflix配信作ばっかりなんですが、そこはまぁたまたまということで。
いわゆる”スクールカースト”を題材にしていますが、生真面目な女の子がそれが虚構であることに端から気付きながらも我武者羅に”プロムクイーン”を目指し、アクシデントを経て実に20年後もそれを追い続ける主人公の姿は、単なる承認欲求の塊と切って捨てるには惜しく、また同時に主演のレベル=ウィルソンのコミカルさがテーマのビターさを打ち消し、底抜けにおバカで明るい物語になっていました。
『キューティ・ブロンド』のような成り上がりコメディーものや、『ピッチ・パーフェクト』シリーズのような学園コメディーものが好きな方々、どうぞ読んでってちょ。
それでは・・・・・・・・・ルールルッルルル・ルールルッルルル・ルール―ルールールールル~♪
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Ⅰ. 概要
※英語版のみのため、翻訳等でご参照ください。
”二十年間の昏睡状態の間に周囲も自分も歳を重ね、自分の意識だけが二十年前のまま”というのがなかなかユニークです。普通こういう場合は、身体も二十年前のまま、というのが定石で、その周囲からの浦島太郎感から来る孤独や煩悶をドラマにする作品はわりかし昔から有ったように思います。
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中盤の爆弾解体ミッションがやたら緊張感あって難しかったなぁ。
Ⅱ. 自らピエロになれるということ
しかしながら本作では20年前に取り残された主人公は身体はおばさんになっており(失礼)、そのままでは大人になった元同級生からも今の同級生からも異邦人的な扱いを受けるはずなのですが、そこに頓着せず持ち前の押しの強さで相手とのホスピタリティーを獲得してしまうところに彼女の強さがあります。
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その人の社会的立場や周囲からの評価に関係無く仲良くしようとし、相手が自分に害意を示さない限り決して邪険にはせず、元から険悪であっても自ら歩み寄れる。
それこそは他人を値踏みして踏み台にする世のあまねくトップカーストの人々との決定的な違いであり、その親交の範囲が広範で均一なために近しい人たちの誤解を招くことも有りますが、嫌味は有りません。 彼女の亡くなった母親は生前彼女を全肯定しており、その高評価に自分を添わせるべく可視化した”プロムクイーン”を目指すことにはなりましたが、母親が彼女の天性のネアカを分かっていてこその評価だったように思います。
また、コメディー面では、20年前の女子高生だった主人公が必死になって現在のSNSに追いつこうとする様はなんとも可愛らしく、チアリーディングの内容の当たり障りのないものへの変遷や差別に配慮してのプロムの中止を通して現代を風刺しているのはなかなか面白いものでした。
そこで思い出したのがスタちゃん主演のSFアクション『デモリションマン(1993)』です。犯罪蔓延るロサンゼルス市警の刑事が冷凍睡眠の末に36年後の暴力やヘイトや犯罪の無い無菌の”クリーンな社会”に現れてその無謬性にクギを指す、というものでしたが、配慮配慮の世の中として現代が風刺される時代に追いついたのは中々感慨深いです。
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昨今のコンプラ至上主義への風刺が効いてて面白かったですね。
また、主人公が所属するのがチアリーディング部ということもあって、ダンスシーンも見どころになっていて、特にクライマックスで披露する20年前の事故の因縁のチアリーディングダンスはキレッキレで、『ピッチ・パーフェクト』シリーズと比べるとポジションがセンターに昇格しているので感無量です。
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終盤にアリシア・シルヴァーストーン演じるかつてのプロムクイーンが今では離婚していくつものバイトを掛け持ちして苦学しつつもキャリアアップしようと努力している姿もワンシーンながら印象的です。
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批評家からはあんまり高評価を得ていないようですが、本作のプロデューサーも務めているレベル=ウィルソンの堂々たる度量の広さを感じさせる作品ということは言えるのではないでしょうか。
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激痩せしても魂までは痩せておらず。
Ⅲ. まとめ
というわけで、今日もNetflix作品を取り上げてみました。アラフォー女子がSNSを駆使してインフルエンサーになりつつ高校生活をエンジョイし直したのですが、冷静になって考えてみると彼女が昏睡状態にあった20年間に想い続けてくれたのは本当に親しい二人と父親のみ。
爽やかでライトな作風でせっかく間口が広いので、本作が老若男女様々な人たちに周囲の人たちへのリスペクトの仕方を考えてもらう切っ掛けになれば、製作側も生みの苦しみを経て本作を世に出した意義を噛み締められるのではないでしょうか。
ここ最近、過去作の掘り起こしが続いているので、最新公開映画や舞台作品の話も書いていこうと存じます。おススメ作品ございましたらコメントお待ちしておりますので是非ゼヒ。
それでは今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・どうぞよしなに。
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