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【90年代あれこれ⑦】~夏休み企画、その1~ 一見マイルドなホラーアニメ、実際つのだ先生特有の三白眼と唐突で救いの無いラストが夢に出てきそう... 『ハイスクールミステリー学園七不思議』の強烈呪われエピソード5選

 結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。(ฅ^・ω・^ ฅ)
 先月に自宅に四回目の接種券が届いているのを確認しつつ、先日ではとWEBで予約しようとしたら、"四回目は基本的に60歳以上と18~59歳の基礎疾患のある方のみ"という条件に気付いてまいっちんぐ、なO次郎です。

ちなみに副反応は一回目は微熱ぐらい、二回目もそこそこの熱と倦怠感ぐらいで、
三回目がなぜか一番寒気が強くてコタツに入りながら厚手の布団を掛けて就寝。
打った側の腕が痛みで上げ辛くはなりましたがいわゆる"モデルナアーム"にはなりませんでした。


 わたくし、昨日から仕事がお盆休みに入りました。
 時間が出来たのでいつもとはちょっと毛色の違う主題の文章を書こうと思い立った次第です。
 昔から夏と言えば怪談、ということでお題は『ハイスクールミステリー学園七不思議』91~92年放送・全41話・つのだじろう先生原作のホラーアニメです。

 こないだAmazonの電子書籍セールの通知を見て本作の存在を思い出しました。4巻分で¥55なのでえらい大盤振る舞いですが、時限でめちゃくちゃ安くして販売数稼いで、あらためて売り上げ数ランキング上位に上がったら通常価格に戻して販売、みたいな手法が結構採られるそうで。
 聞くところによると原作本はアニメに出ている主要人物でも呆気無く死んでしまうようなさらにドライな内容だそうですが、またぞろ読んでみようと思います。
 ともあれ、今回言及するのは私の幼少期に放送されたアニメの方で、概要を語りつつ、個人的なトラウマエピソード5選をご紹介しようと思います。
 それでは・・・・・・・・・・・・スティーーーブッッッ!!!

ゲーム『バイオハザード』シリーズのリメイク企画。
先日、『4』のリメイク版の『バイオハザード RE:4』が発表されましたが、
個人的にリメイクして欲しかったのはその前作の『バイオハザード CODE:Veronica』のほう。
オリジナルの『4』はニンテンドー ゲームキューブで出たので
今見てもグラフィックは十分綺麗なうえに既に多機種に移植済み。
対して『CODE:Veronica』は初出ハードがドリームキャストで些か古臭いうえ、
ストーリーとしては『4』が番外篇的なのに対してこちらの方が本筋に沿ってる。
今プレイするとラジコン操作やアイテム集めのお使い感が面倒だけど名作だし、
どう見てもリメイクすべきはこっちの方が先だと思うんだけどなぁ…。


Ⅰ. 作品概要

 リアルタイムの際には実家のある地方局では放送されなかったのですが、幸い数年後に再放送でたまに視聴。その後長らく存在を忘れていたものの大学生の頃にリリースされた円盤であらためて全話視聴しました。
 上記のように本放送時には観られなかったうえにまだ幼かったので、心霊・妖怪系のホラー作品としては数年後の作品のコチラの方が実は思い入れが深かったりします。

地獄先生ぬ~べ~
こちらもアニメ出発で後から原作本を追った感じ。原作はスピンオフ経て続篇連載中のようで。
アニメが放映開始した年にちょうど作中の生徒たちと同じ小学5年生だったので
より親近感がありました。声優さん方もイメージピッタリだったなぁ。
基本コミカルだけどたまに非常にダーク、そしてふんだんなお色気要素、というまさに少年向け。
アニメは原作が迷走し出す前に綺麗に作品テーマ補完しつつ一年間で終わらせたので好印象。
原作連載期間からして、本作も『るろうに剣心』等と同じく、超人気作が相次いで連載終了して
売り上げ部数が極端に落ちたジャンプ暗黒期を支えた作品の一本でしょうね。

 話を戻しますと、基本的に主要登場人物は以下の三人です。

一条みずき(演 : 富沢美智恵さん)
本作の主人公。霊感が強くやたらめったら霊に絡まれる。
月影明子(演 : 本多知恵子さん)
お寺の娘さんでみずきの先輩。
霊能力が高いだけでなく、ある程度の対抗手段も有り。
・・・髪型とお声はプルなんだけど中身はハマーン寄り?( ゚Д゚)
南郷涙子(演 : 川島千代子さん)
プロの霊能力者。職業にしてるだけあってその霊能力と祓う力はかなりのもの。
婚約者が強盗に殺されたという凄惨な過去が有るものの、
その彼の形見のあれこれを今も珍重しているというなかなかのお方。
彼女の必殺技「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!!」がキまるエピソードは
まず間違い無く退散出来るので安心です。

 基本的に一話完結の物語ですが、

〇みずきの友人知己が何らかの因果で霊障に遭い、それに巻き込まれる形でみずき自身もピンチに

〇みずきの危機に月影先輩が現れて霊と対峙

〇それでも成仏してくれない場合は伝家の宝刀の南郷さんが参上して喝!!
霊の恨みを受けている当人にその原因に関して釘を刺しつつ、供養を行うなりしてめでたしめでたし

というのがお決まりのパターンです。
同じような展開ながらも原作のつのだ先生の不気味で不穏な空気が作品全体に漂っており、今はすっかり有名になられた青二プロダクション系列の声優さん方の若く率直な好演も相俟って偉大なるマンネリ感が有り、それもあって夕方の再放送で当時の少年少女のみならず主婦層あたりも取り込めたのではないかと思います。
 しかしながら個人的に本作の真骨頂はそうした定石を外したエピソードに有ると思っており、気味の悪いところでいきなり物語を終わらせるもの、その後の展開(当然ながら最悪なものが殆ど)を予見させる端緒だけ見せて終幕するものは特に強烈で、とりわけ放送終盤に集中しています。
 もしかすると原作準拠で手堅く製作していた中で製作陣のノウハウも培われ、その中でより独特の恐怖を、とアニメオリジナルゆえの表現が目指されたゆえなのかもしれません。
 では、以下に個人的におススメの強烈エピソード5選を紹介いたします。

闇をさまよう死者たちの霊 

それは 生きている者への 恨み 憎しみ 妬み

決して休まることのない 霊会からの訴え

科学では説明できない 理屈を超えた 超現実の世界

それは あなたの隣にも 確実に存在する

ちなみにOPもEDも主題歌ではなくBGM。
OPはダイジェスト的な映像に上記のナレーションが入りますが、
EDは不穏なBGMのバックにテロップと廃車場や墓地のコラージュ画像が
延々流れるのでめちゃくちゃ薄気味悪くて最高
です…。



Ⅱ. 個人的呪われエピソード5選

第5位 第28話「ビデオテープ」

みずきちゃんはレンタルビデオ屋(しかも懐かしの個人経営!!)でバイトしてるんですが、
店内の吊り広告の「1泊2日380円」ていう見出しが時代を感じさせますねぇ。

(あらすじ)
みずきがアルバイトをするレンタルビデオ店を隣のクラスの中川吾郎が訪れ、「アドベンチャーキング」というビデオを借りた。これを知った店長は狼狽し、「そのビデオは呪われていて、借りた人は死ぬ」と言うのだった。
 
 本エピソードは上記のお決まりパターンのお話で、幸いにも渦中の中川君は危うく交通事故に遭いそうになりながらもみずきちゃんの機転でなんとか助かります。呪いの元となったそのビデオを借りてすぐ事故死した女の子の供養も済ませて一応は事無きを得ます。
 それでもこの話を選んだのは、僕が本作を観たおそらく最初のエピソードで、強く印象に残ったからです。僕の住んでいた関西では本放送時はネットから漏れていたようなのでおそらく数年後の夕方の再放送ですが、再び何事も無かったかのように「アドベンチャーキング」が店に配架されてしまうガガーンなラストシーンが幼少期の脳裏に焼き付いており、大人になってから再見した際に「コレや!!」となった次第です。
 ”ビデオを観たものが死ぬ”という展開は今となると『リング』を思い出しますが、時期的にいうと『世にも奇妙な物語』の一篇にこれに近いエピソードが有ったように思います。
 ちなみに主人公のバイト先での他の恐怖譚としては第25話「トンネル」があり、ワンオペ状態の主人公に一人の男性客が都市伝説的に知人の失踪話を語るそちらのほうがオチのどんでん返しも効いていて、恐ろしさでは上です。


第4位 第29話「霊媒体質」

二人ともだいぶ時代を感じるビジュアルだけど、これでも90年代初頭なのよねん・・・。

(あらすじ)
富岡映子がバスの中で人を罵るような不思議な声を聞き、同じ声を栗原先生も聞いていた。その声はみずきたちの教室で授業中も聞こえた。生徒が話していると思った栗原先生が怒鳴り、生徒たちは困惑するが…。

 めずらしく霊がほとんどその姿を現さないエピソード。
 女生徒の富岡さんは幻聴だと悟って眉を顰めるぐらいだが、栗原先生は霊からの罵倒にすっかり参ってしまって白目で花壇をスコップで荒らしまわったり、果てはみずきをロープで絞殺しようとしたりと、現代ならというか当時でも心霊番組でなければ「先生、クスリやってるでしょ?!」と周囲から通報される案件…
 最終的に南郷さんの必殺技である「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!!」がキまってGS御神ばりの悪霊退散となるのですが、強烈なのがその後の南郷さんのアフターケア。
 件の栗原先生に対しては「あなたは霊媒体質ですから、気を付けないと様々な例に憑りつかれてしまいます」「心に隙を作らないよう努力なさい。悪霊に憑りつかれないようにするのです。」
 富岡さんには「あなたの場合は何の心配も要りません。~それは予知夢だわ。守護霊様が気を付けなさいと警告しているの。悪霊が囁きかける声をキャッチしたのも前もって気を付けるよう知らせてくれたのよ。」
 
・・・いや、精神論だけじゃなくてお守りなり防御陣のお祓い的なものなり、なんかしら手立てを頼むよ~どらえも~~~ん!!(^・ω・^)
 そんだけ常日頃から気張ってたらそれこそ精神的に参っちゃって本末転倒だろうに…。たしか『ぬ~べ~』でも霊が見え過ぎる女の子にぬ~べ~が霊的な処置してあげる話あったぞなもし。
 ともあれ、このエピソードは徹頭徹尾、精神論で突っ切るというコンセプトだったのでしょうか、ラストも主人公による以下のナレーションで締めくくられます。時として霊障は容易には解決出来ず、重いコンダラ試練の道を往くが男のド根性、ということでしょうか。
 
 霊感を持った人は世の中に沢山居ます。
 
 しかしその能力を正しく伸ばすためにはしっかりと自分を見つめ、努力が必要だと言えるでしょう。

 ちなみに、第34話「心霊写真」は合成で心霊写真を捏造して友人をからかう少女がみずきの助力を拒否したことでそれに連なる月影先輩や南郷さんの力も頼れずみすみす死神の餌食になっていく話であり、禍を放置している度では本エピソードといい勝負です。


第3位 第38話「霧」

スゲーボーイッシュな見た目ですが、女の子です、ハイ。

(あらすじ)
夢を見るみずき。霧の中で誰かに手を引かれていたが、置いてきぼりにされ、その誰かの悲鳴に飛び起きた。翌日、みずきのクラスに氷川さちこというアメリカ帰りの転校生が現れ、みずきは夢を思い出す。

 トンネルを潜ると、そこは10年前のこの町だった…。
 最初から"心霊現象を小馬鹿にする"というこの作品内に於ける死亡フラグ立てまくりの転校生さちこですが、みずきと二人で生まれ故郷の町の霧がかったトンネルを逢魔が時に潜ったことで10年前にタイムスリップし、図らずもそこでさちこは、幼少期に住んでいた実家での火遊びとそれによる実家の消失と祖父の焼死、さらには咄嗟の子どもの嘘で失火の責任を亡くなった祖父に押し付けていた事実を突きつけられます。
 自分の過去の罪を反省してそれをみずきに打ち明けて二人で再び霧に飛び込んだものの既に時遅し・・・みずきは月影先輩の導きで現世に帰れましたが、さちこは彼女を10年間霊界で待ちわびてゾンビと化した祖父(ビジュアル的に本作屈指の強烈さ!)に迎えられたのでした。めでたしめでたし…?
 そして第13話「人喰い岩」も、ラストに本編の流れとまるで関係無いような強烈なクリーチャーが現れて途端に終幕するなかなかのショッカーです。


第2位 第37話「笑う少女」

右側が幼少期の月影先輩です。
現在の見た目をそのまんま10年分幼くした感じですが、
トレードマークの切れ長の瞳に三白眼は備えていないのでなんとも可愛らしい。

(あらすじ)
新聞部から月影先輩への取材の話が舞い込み、みずきたちは先輩の家であるお寺へ行く。月影先輩が霊感を得るようになったのは4歳の時に高熱を出してからで、最初に見た霊はおかっぱ頭で白い着物の女の子だと言う。

 今回も霊魂否定派の生徒がその犠牲になります。
 幼少期の月影先輩のお話。母の実家で出会ったそのおかっぱ頭の少女は、親戚一同の集まりの日にとある男性の背後に立って幼い彼女に告げるのです、「この人、明日死ぬよ」と。そしてその男性はその宣言通り・・・。
 このエピソードで、実は月影さんが幼少期に三日三晩続く高熱に魘され、お寺さんである祖父と父の必死の読経の末、祖父の命と引き換えに命を長らえた、という南郷さんばりのトンデモ設定を持っていることが判ります。
 それからその幼少期を最後におかっぱ少女を見ることは無かったのですが、ここにきて今回の取材の発起人且つ霊魂を蛇蝎の如く嫌う綿貫先輩という女生徒の登場に、やにわにあの少女がその背後に姿を現してただ一言…
 別段、その少女が対象者の命を縮めたわけではないのかもしれませんが、当人とその周囲にとってはそれこそ死神となんら変わらないのかもしれませんね。


第1位 第35話「生き霊」

"子が独り立ちして、老いた自分が一人残される孤独と恐怖"
という意味では往年の円谷特撮『怪奇大作戦』の名編「青い血の女」に
通底するテーマの作品かもしれません。
女性はそのあたり周囲との人間関係築くの上手ですが、男性はいつの時代も不得手ですね。

(あらすじ)
田島しのぶと婚約者の上原健一は結婚式前に交通事故に遭う。健一は大けがをし、結婚式は延期になった。しのぶは結婚式の最中に彼が刺される夢を何度も見ていた。さらに、彼女の周りで不可解なことが起こり始める。

 まずもって二人の事故に際して病院に駆け付けたしのぶ先生のお父さんが、しのぶ先生の無事にのみ気を配っている様子が既に不穏です。
 中盤、しのぶ先生への夜道での付きまといや度重なる「結婚を止めろ…」という自宅・職場問わずの迷惑電話の犯人が元カレなのではないかというミスリードは作劇的に些か下手くそなのですが、本作の価値はそこでは決まりません。
 終盤にしのぶ先生の悪夢と迷惑電話の正体が、妻に先立たれているがゆえに一人娘を手放したくない彼女の父親の生き霊だと判明します。
 夜半、結婚を止めようとしないしのぶ先生に襲い掛かる自身の生き霊に対して駆け付けたお父さんが一世一代の決意を叫びつつ我が娘を庇います。
「やめろ!!しのぶを苦しませないでくれ! 私は一人でやっていけるんだ!!」
 なんとか生き霊を退けて遂に結婚式当日、晴れやかに微笑む新郎新婦とそれを祝福する招待客たちの拍手の中で、嬉しそうな寂しそうな顔を見せるしのぶ先生の父親。と、最後の瞬間、彼の表情が・・・・・・。
 最初に本エピソードを観た時、あまりの露悪的な表現集約に「エッ?!」となってつい何回も巻き戻して結末を繰り返したのを覚えています。
 しかしながらそのラストの結婚式会場での、
みずき「しのぶ先生のお父さん、複雑な心境でしょうね・・・・。」
南郷「嬉しさと哀しさと。娘を育てる父親の心境など、誰にもはかり知ることは出来ないもの。」
との二人のやりとり。あんたたち、一連の不可解な出来事の正体が父親の生き霊だと看破してそれを当人たちに伝えて信じたくない彼らから拒絶されてたのになんで結婚式に呼ばれとるんや・・・。(; ・`д・´)


Ⅲ. おしまいに

 というわけで今回はちょっと趣向を変えて夏らしく怪談絡みの懐かしの番組のお話をしてみました。
 あくまでの個人的なチョイスではありましたが、あらためて振り返ると傑作エピソードが終盤に集中している印象が強いですね。かといって序盤のエピソードが詰まらないというわけではなく、上述のように手堅く堅実に作られているうえ、そうした定石のエピソードが積み重ねられているからこそ、たまの変化球のお話の不気味さが一層際立っています。
 
 ちなみに視聴方法ですが、まずソフト版はDVDはレンタル化もされているますがマイナー作ゆえに実店舗に配架されているのはかなりの大規模店でしょうから、ゲオの宅配レンタル等のネットでのレンタルがおススメです。

 サブスク配信サービスだと、今現在ではdアニメストアとU-NEXTでそれぞれ配信中のようです。

 一応、BD-BOX化もされているようですが、さすがに画質に関しては元々の情報量が乏しいがゆえにさほどの向上は見られず、DVDと比べてディスク枚数の低減ぐらいが目に見えたアドバンテージのようですね。

 言い忘れましたが本作はBGMもとても素晴らしく、不穏な空気を醸し出すとともにそれが突然ブツ切れになって終わる幕切れはなんとも後味が悪くて最高です。
 未見の方は是非とも一度試していただきたいです。上記以外にお好きなエピソードございましたらコメントいただければ恐悦至極でございます。

 今回はこのへんにて。
 それでは・・・・・・どうぞよしなに。



ちなみに最終話についても、約一年分付き合ったカタルシスが得られない
なんとも中途半端な投げっ放しジャーマンの幕切れがまた何とも言えない味わいです。
なんでも原作とは全く異なる結末だとか。


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O次郎(平日はサラリーマン、週末はアマチュア劇団員)
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