UB Venturesからファーストライトへ
UB Venturesあらため、ファーストライト・キャピタル代表の岩澤です。
11月5日をもって、「UB Ventures」から「ファーストライト・キャピタル」に社名変更をしました。
ちなみにMBOではありません。この記事では「MBOではないのに、なぜ、社名を変えるのか?」「ファーストライトに込めた想い」について説明します。
スタートアップ、VC / CVC、ファンド投資家など業界の皆さんはもちろん、これからスタートアップ業界に挑戦される皆さんにも読んでいただき、是非「ファーストライト」というVCを覚えていただければと思います。
はじめましての方もいらっしゃると思いますので、簡単に自己紹介させていただきます。
私は2011年にユーザベースに入社し、執行役員としてSPEEDA(現スピーダ)の事業開発を担当しました。その後、香港へ移住して5年間アジア事業の立ち上げにも携わりました。ユーザベースの上場を経て、2018年に日本へ帰国し、純投資事業としてUB Venturesを創業しました。
当初UB Venturesは、私のユーザベースでの経営やSaaS事業立上げの経験を活かし、「SaaS特化型VC」としてスタートしました。2018年に第1号ファンド、2021年に第1号グロースファンドを組成し、これまでに30社以上のスタートアップの成長支援を行ってきました。
創業から6年目の今年、「人口減少社会におけるイノベーション創出」を新たな投資テーマに掲げ、100億円規模の新ファンドを立ち上げました。
そして、2024年11月5日をもって、社名も新たに再スタートを切りました。
なぜ社名変更するのか?
まず最初にお伝えしたいのは、今回の社名変更はMBOではない!ということです。
6年間やってきて、新ファンドも組成し、株式構成も変わらない。UB Venturesとして一定知ってもらっているのに、なぜ社名を変えるのか?
理由は二つあります。
一つは、社名に「UB(ユーザベース)」の名前を冠することでのコミュニケーションコストを減らしたい」ということ。
もう一つは、「自分たちの大事にしているバリューを社名で表現したい」ということです。
理由① UB(ユーザベース)」の名前を冠することでのコミュニケーションコストを減らしたい
一つ目は、どちらかというと実務的な理由です。
6年間、多くのスタートアップ、VCの方から「UBVはユーザベースのCVCでしょ?」といわれることがとても多くありました。
そして、会社名も「UB Venturesではなくユーザベースベンチャーズ」「UBV(ユービーブイ)ではなくUVB(ユーブイビー)」と間違えられる日々(ユーザベース社員含む。笑)。
独立系VCとして活動をしていくは、どこかで名前を変えなければ、と当初から思っていました。
改めてですが、ファーストライト・キャピタルは、ユーザベースのCVCではありません。ユーザベースとの長期的なM&Aを目的とした投資を行っていません。
ファーストライトは、金融機関をはじめとする外部の投資家から約130億円をお預かりし運用する純投資事業です。投資先の成長のためにグループのネットワークはフルに活用しますが、追求するのは事業シナジーではなく投資先の成長によるキャピタルゲインです。
また当然ながら、投資の意思決定はユーザベースから完全に独立しています。
投資判断の独立性を確保するために、私自身もユーザベース本体を退職して、共同パートナーである頼とGP会社(ファンド管理会社)を設立し、ファンドの運営を行っています。
これからは、「ファーストライト」と間違えずに呼んでいただければと思います!
理由② 自分たちの大事にしているバリューを社名で表現したい
こちらが本質的な理由です。
「社名はアイデンティティの表現であり、企業の輪郭となる」ーーーー
たくさんのスタートアップとの出会いを通して、「社名がもつ役割」というものを感じる機会が増えていきました。
時には求心力を高める名前であったり、
時には何かに抗う名前であったり、
社会に何かを約束する名前であったり、
実際に社名変更を行うことで、チームの誇りと結束を高め、成長スピードが加速するという場面を何度か見てきました。
社名はその存在意義を伝えるシンボル的役割なのだと思います。
私たちは、創業以来大事にしてきたことを言語化し、2022年に「事業化による起業家のための100年VC」というコーポレートビジョンを、2023年に「Our Ethos 約束する価値観」という行動指針を作成しました。その集大成が、社名変更でした。
100年つづくVCとなるために、私たち一人ひとりが大切にしてきたこと、社会に約束することを社名で表現する。
それがもう一つの理由です。
新ファンドの組成がおわり、ここからより一層投資に注力することから、このタイミングで社名を変え、起業家や投資家の皆さまから「ピュアなベンチャーキャピタル」と認識していただきたい。
そのような思いで、社名変更を決意しました。
UBVが大切にしてきたこと
100年つづくVCとなるために、「私たちが社会に約束することは何か?」ということを言葉にしたのが、下記のOur Ethos(エトス)です。
私たちは、多様性と共通の価値観の共存を大切にしてきました。ベンチャーキャピタリストそれぞれの際立つ個性がありつつ、大切にしている価値観や「らしさ」は共有されている。
そして、今のメンバーが代交代したとしても、その「らしさ」は100年にわたり引き継がれていく。その根っこにある「社名」は、価値観を未来に伝える媒体の一つなのかもしれません。
リブランディング進めるにあたり、世界中のVCの社名を調査し、色々な社名のパターンがあるということがわかりました。
創業者の名前、植物・動物の名前、場所の名前、投資スタイルを表す名前など、それぞれのVCのアイデンティティを表現しています。(そういう視点で見ると各社の特徴を表していて面白いです。)
「クールでかっこいい名前」や「インパクトのある名前」も、もちろん素晴らしいのですが、
私たちは「私たちの価値観をストレートに表現する名前」が「らしさ」であると思い、100個近い社名の検討を進めました。
その結果、出てきた言葉が———
FIRSTLIGHT(ファーストライト/はじまりの光)
FIRSTLIGHTに込めた想い
FIRSTLIGHT(ファーストライト)に込めた想いは以下です。
また、ブランドロゴは、起業家を照らす光源をとして、ドラマティックな曙の空を切り裂いて地平線から立ち上ってくる朝日をモチーフに、創業以来私たちをサポートしてくれている「デザインで」さんが作成してくれました。
よく見るとロゴの中に「曙光創投」という漢字が入っていますが、
これは、「アジアから世界を変えるスタートアップを支援する。私たちもアジアにチャレンジする」という表明でもあります。
おわりに
社名を変更することを決め、リブランディングプロジェクトを進めながらも、新しい社名に出会う高揚感とともに、「UB Ventures」という看板を降ろすことには、そこはかとない寂しさがありました。
2018年、VC経験者が誰もいない中で手探りで立ち上げたUB Ventures。
5億円のファンドを運用できればよし、とスタートした私たちも、現在では3つのファンドで合計130億円を運用させていただくに至りました。
創業から6年、ここまで来ることができたのは、私たちを信じてくれた投資先や投資家の皆さん、そして私たちを支えてくれたメンバー全員のおかげです。この場をお借りして、皆さんに深く感謝を申し上げます。
先日、ファイルを整理していたら、UB Ventures創業時のタグラインが出てきました。
ファンドもない、投資先もいない、メンバーもいない、という創業直後の不安の中で、私が書いたタグラインです。
改めて見返すと、今私たちが大切にしていることは、当時からなんら変わっていないんだということに、ハッと気付かされました。
これからも、私たちが大切にしてきたことは、脈々と引き継がれていく。
これまでの、UBVへのノスタルジーを胸にしまいつつ、新しい未来を見据えて進んでいきます。
ありがとう、そしてさよなら、UB Ventures。
これから、ファーストライト・キャピタルをよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただき有難うございました!
社名に込めた想いにピンと来た起業家の方、
ファーストライトが社会に約束する価値観に共感!!というキャピタリスト志望の方、
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