柔軟な働き方が実現したからこそ発生した問題と解決法(?)
新型コロナウイルスが世界に蔓延し、もう数年が経とうとしています。
いつまで続くのかわからないこの現状から早く抜け出したいものです。
しかし少し視点を変えてみると、
業務改善やDXを目指すわれわれにとってはこの「コロナウイルス」というものが大きな分岐点になったことは間違いありません。
当社でもコロナをきっかけに在宅勤務制度の導入が実現し、今では在宅勤務と出社を自由に選べるハイブリットな勤務形態が当たり前になり、
そればかりか私でいうと、出勤時には娘の保育所への送迎に合わせて時間を調整し、不足分は在宅で賄うということも許されています。(許されていないけど言ってこないだけかもしれませんが)
まさに柔軟な働き方が実現した当社なのですが、それゆえに問題も発生してしまいました。
と言っても完全に私だけに発生している問題なのですが。
当社では出退勤の打刻をHRMOS勤怠で行っており、出勤時は専用のPCにICカードで、在宅時はスマートフォンから打刻を行うことにしています。
私の出勤時はいつも終業前に会社を出て娘を迎えに行くなどしてから帰宅し、残りの時間を家で仕事をしてから終える形になるのですが、なんだかんだしていると退勤の打刻を忘れてしまいます。
もともと残業を禁止されているので何時に打刻しようと残業にならないようにしているのですが、打刻忘れはあまりよろしくないので対応策を考えなければならないところでした。
「Yoom」を使っちゃう
YoomがHRMOS勤怠と連携していることを先日知りました。
マイアプリに登録し、フローを組んでみます。(マイアプリへの登録は割愛します)
実行するオペレーションからHRMOS勤怠を選んで、アクションを見てみると、
新規ユーザーを登録
ユーザー情報を更新
打刻を登録
特定のユーザーの打刻情報を取得
この4つのアクションがあります。
新規ユーザーの登録が行えるということはつまり、「新入社員が入ったとき、kintoneの従業員アプリに社員情報をレコード登録したらHRMOS勤怠のユーザー登録を自動で行える」といったことも可能になりますね!
さて本題に戻ります。
「特定のユーザーの打刻情報を取得」と、
「打刻を登録」というアクションに注目しました。
ここでふと思いついたのが、「定時になっても退勤が押されていなければ通知を出すリマインダーとして使えるのではないか」ということ。
そしてさらにそのまま退勤の時刻登録までできるのではないかと。
もちろん忘れないようにする習慣をつけることが大切なのですが、
業務の抜け漏れを防ぐためにシステムを使うことはほかの業務でもあることなので、打刻忘れの通知のためにシステムを使うことは間違いではないと思いました。
フローを組んでみる
まずはアプリの連携オペレーションから「特定のユーザーの打刻情報を取得」を選び、当日の打刻情報を取得してみます。
テストしてみるとちゃんと取得できました。
打刻区分の値「1」が出勤です。
Yoomのフローで打刻情報を取得したとき、もし退勤にも時刻が登録されていると、退勤区分1の値が「2」の退勤になるので、打刻区分1の値が「1」になっているときは退勤に時刻が登録されていないということになります。
これを利用して分岐のオペレーションを使い、退勤が打刻されていなかったら退勤を打刻するというオペレーションを作ります。
テスト実行してみると、ちゃんと現在の時間の打刻ができました。
そして「確認なしで自動的に実行する」のチェックを外すことで、実行前にメールやSlackに通知を飛ばし、実行の可否を選ぶことができます。
フローを「平日の定時の時刻になったら」をトリガーに設定、
自分の打刻情報を取得して「退勤の時刻」が空白ならば
「退勤」に打刻を登録するか?という通知を出し、
実行ボタンを押すことで退勤時刻が登録される。
というフローを組みました。
休日や既に退勤を打刻している場合はフローが打刻のアクションを起こさずに終了することになります。
最後に
というわけで、在宅勤務で家事や育児をしていたら退勤の打刻を忘れてしまったということが多かったので、「打刻を忘れているよ」と通知を出すリマインダーとして、そしてさらについでに打刻もそのままできてしまうということをYoomを使ってやってみました。
ただし注意点として、この方法を使うと、
遅刻しそうになった時、「定時に出勤の打刻が登録されていない場合に出勤の打刻を登録する」といった不正が簡単にできてしまうことになります。
なので不正のヒントになる可能性があるnoteを公開するか迷ったのですが、
スマホやPCなどのいつもと違う環境(Yoom)から打刻を行った場合、管理者には「それ」がわかります。
なので普段と違う環境で打刻をしていることがわかる人にはわかるのです。
どんなツールや制度も、使い方次第で良くも悪くもどうにでもなってしまいます。
個人の主体性や意識、責任でどう業務に取り組むか、会社がどのように管理、運用するか、常に考えていかなくてはいけないテーマだなと考えさせられました。
最後にもう一つ、会社や自宅など、場所を選ばず仕事ができる環境と社会になってきたことはいいことなので、もう一歩進んで、1日8時間や何時から何時までといった、時間にとらわれないさらに柔軟な働き方ができる社会になっていってほしいものだと思っています。