「kintone展開に不可欠な存在となったkrewシリーズ」をもう少し
先日メシウス株式会社さんに、当社でのkintoneとkrewシリーズを使った業務改善事例を取材していただき、記事になりました。
とても素敵な記事にしていただいたので、今回はその記事の内容をもう少し掘り下げて話しきれなかった部分を具体的に書いてみようと思います。
▼ 当社の経理業務について
この記事の中で、経理業務の手作業や転記を無くす目的で、取引データから会計の仕訳データを作成する業務フローについて書いていただきました。
当社での主な経理業務はこのイラストの通りで、
「販売管理」部門の業務内容としては
その後「会計部門」での業務内容として
ざっくりこれぐらいが商品の売上と仕入に関する業務の流れになります。
(今回は勤怠や給与に関するところは触れていません。)
▼ これらのほぼすべてをkintone化したという話
元々これらの業務はアナログ作業から始まり、そこから時間をかけてExcelを使って業務の効率化を試してきました。
ですがやはり転記作業というのが必要で、手間もかかりますしミスも発生しやすいのでこの辺りをどうにか改善できないかと考えていくなかで、
すべての転記を自動で行えば転記ミスはなくなる
という考えに至りました。
では具体的に何から始めてどう進めていけばそれが実現できるかを考え、
kintoneとkrewシリーズを導入後「krewDataを使えばできるのではないか」という考えになり、作成を開始しました。
そして構想から1年かかってこれらの業務フローほぼすべてをkintone化、
データの管理はアプリで、計算や集計や転記はkrewDataで行う仕組みを構築しました。
作成したアプリは主に次の通りです。
そして記事の中でkrewDataのフローも一つ紹介していただきました。
このフローを簡単に説明すると、次のような処理をします。
各取引データから、最終的に「PCA会計」にインポートできるデータを作り出します。
このフローは先程の業務内容のうちのこの部分になります。
この一連の業務の中で作成したkrewDataのフローはこの他にもあります。
入力や転記はなるべく人の手を使わず、人がやるのは前後のデータなどが正しく処理できているが確認することだと思います。
kintoneとkrewDataによって望んだことがほぼ実現できています。
▼ kintoneでそれをやることにこだわった理由
▍データを閲覧できるアカウント数の問題
当社ではkintoneは事務所勤務全員にアカウントを付与していますが、販売管理ソフトや会計ソフトは経理と経営者にしかアカウントを付与していません。
なのでなるべく取引に関するデータはkintoneで全員で共有できるようにしておきたい。
というのがkintoneにこだわる理由の一つ目です。
▍「連携」に最適な基本機能があること
もう一つの理由は、kintoneの「基本機能」がとても便利だからです。
それは「関連レコード一覧」と「アプリコード」です。
こちらが最終的にできあがる「振替伝票」アプリです。
当社では以前紙の振替伝票に科目印を押して業務を行っていた名残から、基本的に1日1レコードで伝票のようにテーブルに仕訳を貯めていく形で運用しています。
この振替伝票アプリに仕訳データを作成した後、PCA会計にインポートしてきます。
PCAが提供している「会計仕訳登録プラグイン」だと複合仕訳にも対応できるようになったことでテーブルの形でも会計との連動が楽になりました。
そしてテーブルの下の部分には、その日に発生した各取引が見えるように売上・仕入・入出金管理アプリを関連レコード一覧で表示することでヌケモレ、ミスなどの確認に使用しています。
また、電子帳簿保存法が始まったことで、納品書や請求書は「PCA Hub eDOC」に保管していますが、kintone内に「索引簿」を作成しています。
伝帳法では「仕訳の証憑となる書類の紐づけ」が必要になるのですが、kintoneを使うことで関連レコード一覧として「紐付け+可視化」が可能になります。これだけでもkintoneを使う価値はあると思います。
電子保存書類の索引簿アプリですが、取引日・取引先・取引金額のプロパティ、保管しているPCA Hub eDOCのURLと振替伝票アプリとその伝票の元になった取引のレコード番号が入っています。
振替伝票や各種取引管理用アプリには「アプリコード」を設定しているので、アプリコードが入ったレコード番号はそのアプリのレコードへのリンクになります。
これも基本機能でできるので連携するにはとても便利ですね。
▼ まとめとしてkrewDataをうまく使うコツ
一連の経理作業について「転記・手作業」によるミスを極力なくしたい、というところからkintone × krewDataで構築してきました。
まだまだミスは発生しますし、課題や修正もあります。
それでも大幅な効率化を実現してくれたので満足しています。
最後に、先日「どうすればkrewDataをそこまで使えるようになりますか」と聞かれました。
これも書き始めれば止まらないのでまたの機会に書きたいと思いますが、
ひとつの考え方として、元のデータと処理後のデータをきっちり理解したうえで「逆算してどれだけ刻んで考えられるか」だと思います。
例えば、自宅から東京に行くとします。
新大阪で新幹線に乗る
そのために梅田で御堂筋線に乗る
そのために自宅から駅に行き阪神電車に乗る
家から駅まで自転車で行く場合はこの道、歩く場合はこの道が早い
・・・など、目的地までを逆算して刻んで考えていくことができます。
私はkrewDataでも同じことをします。
このアプリをこの形にしたい、そのためにはこれをこうして、そのためにこれをこうして、そのためにこれをこうして・・・
この繰り返しです。
フローが大きくなって難しく見えても一つ一つやっていることは単純なことが多いです。(一部例外もありますが)
コマンドの特徴を理解できればすぐに習得できると思います。
というわけで、kintoneといえばまず顧客管理などフロント業務に目が行きますが、経理を始めバックオフィスでのkintone活用の需要も高まっています。
今回の事例記事を通して、少しでも経理でkintoneを使おうとしている方の参考になれば幸いです。
長文お読みいただきありがとうございました。