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シングルマザーの為の『シェアハウス』 2タイプを視察 ~応援ラボ 第13回勉強会〜

シングルマザーの為のシェアハウス『個室型』
   訪問先:中野区 西山ガーデンハウス

 NPO法人 女性のスペース結 代表理事 中村敏子さま(生活デザイン設計室 サンク代表取締役)に教えて頂きました(2022年8月30日)

「住む所が無いと、女性支援が始まらない」女性の居住者支援活動を30年間。現在全国40の母子ハウスを運営。中野区の男女共生センター設置は東京都初。エンパワーメント指導に関わる。
 男の子は10才以上だと母親と一緒に『公的シェルター』に入れない事があり、必要性を感じた。母子生活支援施設をサポートしていく必要性がある。
 役所に手続きに行く前に、我々の所に来てもらえれば、適切な施設を案内出来る。シェアハウスはステップアップ。多子世帯は課題。住宅セーフティネット法で国4万・自治体2万円の補助はあるものの、もし人件費が出れば、家賃額そのままで居住者に提供できるが。

気持ちが明るくなる内装
キッチン・バス・トイレも独立で安心

 4年前に当施設を建設、部屋数4室。共同スペースはトラブルになる事があるので、独立タイプにし、トラブルは無い。月2回子ども食堂を実施し、地域の子達とみんなで食べる。保育園から帰宅し、寝かせるまでの数時間が大変なので、『放課後見守りサービス』を月3回実施。今行っているのは、生け花。美容師さんに来てもらい、子どもの髪を切る。
 DV防止法が出来た時、中野区で議員アンケートを実施。その後、越谷市に女性センターを設立。埼玉で相談員としてママカフェを実施した報道を見て「逃げてもいいんだ」と相談者が増加した。行政が持っている空き家を泊まれるようにした『宿泊を伴うカウンセリング』を実施(地域に『シェルター』と言ったら、受け入れられない)。頼る人がいなくて、自分の事を中々話せない人がいる。
 エレベータ付きで家賃10万円・所得がある程度はあっても困っている人がいる。所得400万円を超えると様々な支援が途端に切れるので、都心で子育てをしていくには、家賃も物価も高く、所得400~500万円の間でも厳しいので、子育てには住まい・生活、人のつながりも含めた支援が必要。
 神奈川では家賃3万円でシェルターを行っている所もある。「家賃補助あればありがたい」と中野区に交渉したが出ず、練馬区など40自治体くらいが補助しており、新耐震基準であれば世田谷区は出る。居住者支援法人を取るのは、書類が山ほどなので、書類を書く為の人件費が発生してしまうのでムリで、簡素化を行政に望む。認定NPO法人も、その為の要員がいないと成り立たない。シェルターを、群馬県は県営住宅で対応し、豊島区は空き家で検討している。名古屋『リブ・クオリティ』では、物件の1つをシェルターにしていて、今後シェルター整備を検討するモデルとなっている。

掲示してありました

訪問先:中野区 西山ガーデンハウス
参考:住宅セーフティネット法


シングルマザー支援  
既存戸建て住宅改修 『共有シェアタイプ』
   訪問先 : MANAハウス上用賀(世田谷区)

株式会社シングルキッズ 代表取締役 山中真奈さまに教えて頂きました。

 平日夜ご飯が出るのがここの特徴。2017年から保育士と代表が住み込み、現在は20時まで見守り実施。保育園のお迎えをサポート。
 改修費700万円・あとはDIY。2階の音が1階に響かない。クラウドファンディング500万円・融資1300万円。来年三鷹にオープン予定。

 利用者にモラハラ被害経験者が多い。現在母親4人・子ども5人・単身3人。利用者・運営者が一緒に楽しく。子どもの声が置き去りにされていると感じ、アンケートを実施した。所得状況に関係無く不安を抱えている。シェアハウスだと愚痴れて、みんなで喜びを共に出来る。『子どもを見てもらいたい』人だけが集まると、ハレーションが起きるが、緩衝的に子どもが好きな人がそれをうめてくれると助かる。「メシア症候群では救えない」他人との境界線の線引きなど、代表がお父さん役となって、トラブルの逃げ道を作る。ハウスに帰って、大人と話せると楽しいという雰囲気に。
 低所得のシングルマザー向きに、流山には玄関別のシェアハウスがある。社員寮の改修が必要で、U-STYLE上尾(企業に事業再構築補助として改修費が4千万円出る)が参考になる。
 養育費不払いが日本の場合、重い。公正証書の“手前”の支援が必要で、海外では差し押さえる。
 社会は、家庭が狭小になっているが、心は合理的に切り分けられない不自然さが、母子に影響している。
 うまくいくシェアハウスは、管理者・コンセプトがあり、コミュニティを形成。うまくいかないのは、管理者無しか低価格で、利用者が他責的になる可能性。

 感想:制度の隙間を支援している。共に過ごす事のメリットや温かさが魅力ですが、お風呂・洗面所など水回りを共有する事で、他の人の事が気になる方には難しさもあるようです。寛容な「お互いさま」が必要。
 居住支援協議会は、東京23区のうち18区に導入されている。

紹介記事
『MANAHOUSE上用賀』の料金など
株式会社シングルキッズ
入居者ママの声

(最後になりましたが、全国ひとり親居住支援機構の秋山怜史さまに今回の2カ所をご案内頂きました。ありがとうございます)