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ChangeMakerの「4つの目」
ChangeMakerは、必ずいる。
1日1校ほど関わってきたぼくが言いたいのは、ChangeMakerのいない学校なんてない。すでに駆動していることもあれば、隠れている場合もある。必ずいるんだ。
そして、ぼくが出会ってきた各組織のChangeMakerは、おもしろいくらい立場が多様だ。
4年目の若手、2校目の研究主任、教務主任、生活指導主任、生徒会担当、教頭、副校長、校長、地域コーディネーター、CS委員などなど、とにかくだれもがChangeMakerになりうることがわかってきた。
そして、そのChangeMakerは性格も、スタンスも、価値観も多様だ。だから、アプローチも100人いたら、100通りのChangeMakeをしているんだ。
ただ、「何か共通点があるのでは?」と、探ってきたときに、(まだふわっとしている半熟状態だけど許して。)1つの共通点が見えてきたよ。
それは
「目」
だ。
「見方」とも言えるかもしれない。
しかも、4つの目を駆使しているのではないかという仮説が立ってきた。
その4つの目の解説もあわせて、いざ!ワンポイント組織論♪
今回のワンポイント組織論♪
ChangeMakerの4つの目
4つの目とは?
次の画像のように、
鳥の目(マクロ)
蝙蝠の目(クリティカル)
魚の目(トレンド)
虫の目(ミクロ)
の4つの目をChangeMakerは駆使しているのかも。
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❶鳥の目とは?
「組織を俯瞰する目」とも言えるかもしれない。
どうしても、日々現場で過ごすと近視眼的になる。目の前の事象に困ったり、愚痴ったりぼくもしていたことがあるからね。
そこで、一度組織を鳥のように高いところから眺めてみるイメージ。そうすると、構造的なシステムエラーがうまれていることに気づくことがあるんだ。次の図のように、見えやすいところだけで捉えてしまうと、真の問題は見えてこない。少し俯瞰的に見ることで、構造的なシステムエラーが見えてくる。
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ChangeMakerは
「なぜ、この学校の若手たちはこんなにも遅くまで残っているのかな?」
そんな問いをもったときに、鳥のように飛んで俯瞰していることが多い。
すると、実は「荒れたらどうしよう。」「陰口を言われたくない。」などの心理的不安があるといった、真の問題が見えてくるのかもしれない。
❷蝙蝠の目とは?
クリティカルというと、批判的思考力のような直訳になることがあるけど、ぼくの解釈としては「本質を見抜く力」なんだ。
ChangeMakerはよく「そもそもさ、」と目的に立ち返ったり、「本当にそうなのかな?」とあえて立ち止まったりする。このような思考として、具体と抽象の行き来は、リデザインサイクルの駆動でも書いた通りだ。
日々多忙に過ごしていると、目的に立ち返ったり、立ち止まったりすることが難しい。ChangeMakerはそんな状況下だからこそ、蝙蝠のようにあえて逆さから見るイメージでクリティカルに考える。そうすると、真の課題が見えてくるのかもしれない。
❸魚の目とは?
「トレンド」をつかむイメージだが、大きく2つの観点がある。
1 時代の流れを読む
今、何が必要なのか?学校には、何が求められているのか?
などと、ChangeMakerはアンテナを張り、最新情報をつかむことでUPDATEが行われているんだ。それは、仲間との対話かもしれないし、セミナーかもしれないし、読書、ラジオなど、その人に合った形でInputをしている。
2 組織における時間軸を読む
もう1つは、組織を時間軸で見てみる観点だ。
例えば、行事の在り方を変える提案をしたときに、「変えたら、混乱するのでは?」という声をよく耳にする。それはそれで、よくわかる。
ただ、ChangeMakerは時間軸で少し先の未来の視点をくれる。次の図のように、「たしかに、今やここ1ヶ月単位で見たら、たしかに混乱や負担はある。でも、少し先のことを考えたら、負担軽減や効果が実感できるのでは?」といったような見方だ。
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つまり、時間軸を未来にのばしてみることで「遅延して効果や軽減がやってくるのかも。」という視点を組織にくれるんだね。そうすると、「じゃあ、まずやってみるか。」という納得解になりやすいのかもしれない。ChangeMakerは、勇気というか、安心というか、そんなのもつくれる。
❹虫の目とは?
❶では近視眼ではなく、鳥の目として俯瞰するといったことを書いた。
ただ、近視眼はダメではない。むしろ、必要な場面があるんだ。
困っている人に声をかけたり、反発している人の話を聴き思いを汲んだりなどなど、近くで見るイメージの虫の目も必要だと考えいるよ。
それに、自分も汗をかいて動いたり、一緒に大笑いしたり、悩んだり、こういった動きがあるからこそ、共感からムーブメントが起きるんだろうなぁ。ChangeMakerは、Playerでもある。視座は高ければ高いほどいいのかもしれないが、あえて落としてみる場面をつくることも必要なのかも。
ここまでの4つの目をあえてまとめると、こんな感じ。
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「鳥の目」で組織を俯瞰して構造的なシステムエラーを捉える。
「蝙蝠の目」で本質を見抜き、真の課題を発見する。
「魚の目」で時代の流れと、組織の時間軸を読む。
「虫の目」で実行と巻き込みをすることでムーブメントを起こす。
ChangeMakerをくくることをしたいのではない。
ぼくが出会ったChangeMakerたちがいかにすごいのかを伝えたいな。
これらの目がないといけないのではないよ。
ただ、組織を動かしたい、みんなを幸せにしたい。そんな方に、ヒントになると、ぼくは嬉しい。
また、仲間からコメントをもらって思ったことがある。
これらは、1人で必ずしも全てもつ必要はないのかもしれない。仲間と得意を生かし合いながら、組織をchange makeしていくこともできるかも!
実は今年度、ChangeMakerのみなさんを称え、そして連携協働していく仕組みづくりを考えているよ。
「先生の幸せ研究所公認 現場のExpertner」
これは、3月12日の「何かが起こる日」にいただいたアイデアでもあるんだ。このメンバー、会社メンバーに感謝。
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実はすでに何名か声をかけている。
これについては、追って共有するね!
読んでくださり、感謝でいっぱい♪
また来週。