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カブス@ドジャースタジアム2024.9①

ドジャース対カブスのゲームを9/10と11の両日に現地観戦した。

サンセット・ゲート


2024.9.10 LAD 3-6 CHC
NL西地区の優勝争いはドジャースとパドレスに絞られている。シーズン終盤に来て、ドジャースは、投手陣が厳しい状況にあり、アドバンテージはあるものの、油断はできない。なにより、ワールドチャンピオンに向けて、今のピッチングスタッフでポストシーズン(PS)を戦えるのか、不安は残る。10日のゲームは、PSの切札として期待される山本由伸の復帰登板に重なった。
一方の中地区のカブスは、PSは絶望的だったが、鈴木誠也の活躍で、わずかながら希望が出てきた。Cubs Win!プロデューサーの今永昇太が先発だ。前回登板の物議を呼んだ7回ノーヒットピッチから中5日。
チケットは春にゲットしたが、思わぬ幸運だ。

外野席側コンコース


山本対今永の、日米通じての初対決。この日ばかりは大谷翔平も脇役になるくらいの試合となったから、見ごたえは十分だ。
試合開始ギリギリまでブルペンの今永の投球練習をチェックして、一塁側の内野席でプレーボールを迎える。日本で画面を通して見るよりもすこし直球がホップする感じが不足している。

初回は山本が三者三振でカブスを抑え込む。変化球がバットに当てさせない。3番の鈴木誠也はストレートで見逃し三振。山本のソウルでの開幕戦は何だったのか、完璧な投球。

試合開始前ブルペン


今永は大谷との対決を直球ひとつで内野ポップアウトに抑える。イニング4球で打たせて取る玄人好みの省エネ投球で予想通りの投手戦が始まった。

2回は一転して、山本が不運な形で先制点を許すとその裏、今永はドジャースに移籍したばかりの今季初対決となる4番エドマンに大きな今季1号を浴びる。

3回は無死から連打を浴びて、大谷と2度目の対決。ドジャースタジアムのボルテージがあがる。とらえた打球だったが、ファーストゴロと今永のクイックなベースカバーで併殺。大谷の併殺打とはなかなか珍しいものを見せてもらった。今季7つ目だからホームランよりもレア。

今永×大谷


山本は危なげない。3回4回と3人づつカブスを抑えてベンチに戻るとロバーツ監督とハグ。奪三振は8で、59球だったが、どうやらここまで。ちょっと拍子抜けしたが、最初は安全運転だ。

直後の4回、今永は、またエドマンに初球の直球をセンターに持っていかれた。ちょっと初球の入りが無謀だ。バッテリーが思うよりも球が行っていないのだろう。エドマンは、2023WBCで韓国代表メンバーとして、日韓戦で今永と対戦していたらしい。その時は空振りの三振。当然両者ともその時のことはよく覚えているだろう。5回にもマンシーに一発。完璧な当たり。すべて直球を狙われている。ソロホームランで大けがは回避しているが、奪三振も少ない。さすがにフル回転でシーズンも自己最高の27試合目の登板。疲れもあるだろう。
大谷との3度目の対決は快音を残す。場内は騒然。しかし、打球はライトフェンス寸前でグローブに収まった。大谷はチェンジアップをしっかりコンタクト、今永もヒヤリ。

継投に入ったドジャースに対して、カブスは反撃のチャンスが作れない。1‐3で、7回裏も今永はマウンドに向かった。調子はイマイチにも見えたが、入団会見で、Cubs are gonna win today!と宣言した男。劣勢ながらも敵地で7回のマウンドに上がり、2安打を打たれるも牽制で走者を刺すなどゼロで抑え、7回3失点でマウンドを降りる。チームを信じて、あきらめない投球に拍手だ。スタンドからまばらながらも拍手が起こる。

今永が勝利の権利を残す最後のチャンスの8回表、ついにカブスの反撃が始まった。無死一二塁となって、3番の鈴木誠也。粘った結果7球目の外角へ逃げる変化球を巧く捉えて打球はセンター前へ。送球エラーも絡んで3‐3の同点。さらにその後エラーが重なり、ドジャースにとっては屈辱のイニング3エラーで5失点。6‐3とカブスは逆転に成功した。

結果はこのままカブスの勝利となったのだが、見どころは、まだあった。8回裏には大谷の大飛球、9回はマンシーのホームラン打球をカブスのセンターのアームストロングがスーパープレイで捕球した。打球の感じからすると翌日に悪い予感はしない。

ドジャースにはお粗末なエラーもあったが、これぞメジャーという醍醐味と日本人的には四者四様のドラマを満喫できる好ゲームだった。特に7回HR3発を浴びながらも無四球で13勝目をあげた今永はらしくもあり、マウンド上でファイティング・スピリッツを隠さない姿に打者陣も応えた。

(後編に続く)


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