2024年8月20日

お盆も明け、戸隠の現場は順調に進んでいます。ここ数日は突然雨が降ってきたりと、天気予報とにらめっこしながらの作業ではあるが、こういった事も外仕事ならではだな〜と思い何だか感慨深い気持ちに。
屋根を作っている段階で、ふと、この上にも屋根が欲しいなと思う。茅葺き屋根のそのまた上に、宙に浮く茅葺き屋根でもあったら面白いな〜と考えたりする。
昨日は茅おい、膝押し、縄取りの取り付け。
資料では読んだことがあったけれど、実際にちゃんと意識して見ることが出来たのはこれが初めて。殆ど取り付けの作業はしていないけれど、こうして一連の流れを見れたことが、どんなに貴重かと思う。

下から 茅おい、膝押し、縄取り

今日は主にまちゃくんと茅の積み下ろしや養生をしたりした。
拓也さんは隣で黙々と麻殻(おがら)の取り付けを進めている。

煤で真っ黒になった麻殻


麻殻とは麻の繊維を取った後に残った殻のこと。名前の通り麻の殻、である。
戦前?まで麻の一大産地だったらしい戸隠では、茅葺き屋根の下地には主に麻殻が使われている。勿論、地域によって使われる材料は様々だ。ここでは主に厚みを出す為に麻殻が使われていると思われる。

と、そんなこんなで屋根はあっという間に進んでいく。気付いたらもう8月も後半。もう、9月になるんだなあ。
現場も日々忙しいが、一日一日を噛み締める様にして作業しないと大切なことをどんどん見逃してしまう。本当に、最近は時間の流れが早すぎる気がする。あっという間におっさんになっちまうぞ。もう僕も若いなんていってられない歳になってきたし、そんなことを考えると色々焦る。

休憩中、noteを開くと夏芽の旅行記が上がっていた。彼女が過ごした三日間を読んで、改めて日常とは何だろうかと考えたりする。
僕にとって今の日常とは何だろか。思いつくのは自分のことばかり。でも本当に日常って自分のことばかりで出来ているんだろうか。
ふと、休憩中にいつも差し入れを届けに来てくれる「あっちゃん」を思いだす。
あっちゃんの日常にはきっと、殆ど「自分」は無い。常に、周りにいる人たちのことを考え行動している。
一日の殆どの時間、ご近所さんを歩き回り、色々な人に優しく声を掛けながら、彼女は何を想っているのだろう。どんな風にこの世界を捉えているのだろう。
作業が終わった後、あっちゃんを交えて皆んなが談笑している姿を見ながらそんなことを思う。
今日も幸せな一日でした。


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