ニュージーランドの大麻規制について
日本で医療用大麻が解禁されるらしい。
海外では大麻の医療上の効能についての様々な番組が放送されており、てんかんや吃りといったものにも効果があるような話を聞く。
ニュージーランドでは2020年から医療用大麻が認められている。
患者として実際に大麻を使用したいかどうかはともかく、とにかく認められている。嗜好用大麻については前回の選挙の際に安楽死と合わせて国民投票が実施されたが、国民の過半数が反対を投じたため実現していない。
とはいえニュージーランドではそこらじゅうで大麻を使用している人がおり、学校などでも手に入れることができる程度には大麻のまん延が起きている。
少々古い情報ではあるが10%以上の生徒が大麻に何らかの形で関わっていることがわかるし、医療用大麻の解禁によってさらなるまん延も危惧されている。
ニュージーランドは実は薬物が頻繁に使用されており、先程も言ったが、大麻は珍しくない。
先日公開されたこのニュースではオークランドの大気中に低濃度のメタンフェタミンが検出された、となっており、大気中に検出されるレベルで誰かが使用している、またはたまたまセンサーにメタンフェタミン入の呼気を吹き付けたということだろうか。
ニュージーランドは嗜好用大麻が違法だが、ニュースにこのように出てくることは珍しくないレベルで蔓延していると言ってもいいが、国民は嗜好用大麻の規制に反対の立場をとっている不思議な国でもある。
つい先日、ニュージーランドのノースランドで大麻農家の所有者が逮捕された。彼は実は秘密裏に大麻畑を2つ、オークランド西部とKeriKeriに所有していたことが発見された。このように生産者のモラリティの低下も問題になる。
ニュージーランド最大都市のオークランドといえども車で30分も走れば誰もいない田舎になり、何ならスマホは圏外になることも珍しくないので、このように秘密裏に畑を作れたとしてもそれほど驚くことではない。
更に言うならば、大麻の残滓処理という問題もある。
例えばこの記事では大麻の残滓を肥料にする試みがなされている。日本ではしめ縄にするなどしているようだが、医療用大麻が認められれば生産量も増えることになるだろうから、余剰残滓をどうするのかが問題になる可能性はある。
更に言うと医療用大麻が認められたことで大麻やメタンフェタミンの価格が下がっているというニュースも出ている。
つまり医療用大麻の解禁というのは、モラルの低い生産者、残滓、そして非合法ドラッグの価格低下に伴う入手難易度の低下、という副作用的な問題があると言えるのではないだろうか。
ただし、様々な難病に対して有効な効果をもたらすことが確認されているため、医療用や嗜好用に大麻を解禁していくということは不可避の可能性はある。
ただし、一部の人が言うような「健康に良い効果をもたらす」という理由で解禁されると言うよりは、万延がひどすぎるから政府が規制しなくてはならないという理由での嗜好用大麻の解禁というイメージがつよい。
ちなみにニュージーランドでは嗜好用大麻の解禁は政府が法改正によって行おうとしていたが、当時の首相でもあるジャシンダ・アーダーンの共感力によって「みんなで決めよう」となったような話も聞くが、ソースに当たることができなかったのが残念でならない。
いずれにせよ日本はニュージーランドの大麻解禁を反面教師としてしっかりと規制をして適切にコントロールがされるようにしてほしいと思っている。
ところで、たまに現地の日本人がニュージーランドでは大麻が合法で解禁されている、という人がいるようだが、嘘なので信じてはならない。ニュージーランドに来る日本人はたまに噂話で勝手に法律を解釈してそれが真実だと思いこむ人がいる。未成年の飲酒についても保護者が同伴すれば良いことにはなっっているが、同伴すべき保護者の規定は厳しく決められているのだが、18歳以上の成人が一人でもいたら未成年が飲酒してもいいと思いこんでいる人も見かける。
今回の記事で一番驚いたのはオークランドの大気中にドラッグが検出されたことだ。
今回の選挙の争点の一つが、犯罪率の上昇にある。
犯罪率が上がったのかどうなのか、というのは相変わらず議論が続いており、ナショナル政党が若干言いがかりのようなことも言ったりしているが、住民の肌感覚としては「犯罪率は上がっているもしくは治安は低下している」が正直な話だ。
例えば暴走車両が多い、他の車に怒声を浴びせる人が増えた、パトカーを見る機会が増えた、パトカーを見た時に集合している台数が増えた、ヘリコプターが飛行している機会が増えた(逃亡犯を追跡していると言われている)などだ。
先の記事では犯罪の種別によって何が増加しており、何が減少しているのかが記載されているようなので見てみるといいだろう。
いずれにせよニュージーランドは治安が悪化しているので、旅行に来る人はよく考えたほうがいいだろうし、これから年末になるとニュージーランドは最悪の観光地になるので他を選んだほうがいい。
そういうわけでニュージーランドに来ることはおすすめしない。
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