昭和の学習雑誌の付録でパワーを得ろ
先日博多駅の本屋でまたしても古書セールが開かれているのを見て興奮した俺は鼻息も荒くワゴンをあさった!!!
そして見つけたのがこれだ!!!!!
ぐんぐん力のつくおけいこちょう
これはぐんぐん力のつくおけいこちょうだ。俺は力が欲しい。これは俺に力をくれる。そうに違いない。
小学三年生二月号ふろくと書いてある。小学館から出ている『小学◯年生』みたいな雑誌のふろくだったのだろう。そんなに昔からあったのか、アレ。
裏表紙だ。右下にはおなじみの小学館のロゴ。
ためになる よみもの、やくだつ 大ふろく、その上 すばらしい 大けんしょうつきの二月号は ただいま はつばい中です!!
とのこと。なるほど、魅力的だ。大ふろくだの大けんしょうだの、とにかく大をつけておけという勢いが素敵だ。見習いたい。
ではこれは一体いつの小学三年生二月号のふろくなのだろうか。
奥付ページに何か書いてあるに違いない。
奥付ページだ。
来月号のお知らせとともに左下に発行日が書いてある。
昭和二十七年二月一日発行
とのこと。昭和二十七年。昭和二十七年っていつだ。こういう時はインターネットの力を借りよう。大丈夫、俺たちにはインターネットがついてる。
昭和二十七年……グレゴリオ暦1952年。
この年の四月に日本がアメリカから主権を返してもらってる。つまりこの小学三年生二月号が出た頃はまだギリギリGHQのお世話になってたのか。すげえ。
第二次世界大戦が昭和二十年までだからまだそれから七年しか経ってないのか。小学三年生といえば8歳か9歳。ギリギリ戦中生まれが読む本。
世代としては全共闘世代になるのか。たしかに何かとパワフルな世代だ。ゆとり世代の俺の100倍はパワフルな世代だ。
そのパワーの秘密がこの『ぐんぐん力のつくおけいこちょう』ってわけだな。
それにしても
これ、すごく気になる。
わらってわらって わらいのとまらない とんちよみもの
すごいキャッチコピーだ。マジで読んでみたい。何かにキャッチコピーをつける時にパクリたいくらい良い。
では中身を見ていこう。
1ページ目。右上の紙は値段が書いてあったやつだから別に気にしないで欲しい。
東京京橋小学校の教官からの言葉が書いてある。
めちゃめちゃ良いことが書いてある。何事も基本が大事だ。わかったぜ、教官!!
ところで教官の言葉の下の九大学習雑誌紹介、ここを見るまではてっきり「小学一〜六年生」「中学一〜三年生」の9つだと思ってたんだけど「小学一〜六年生」のほかは「幼稚園」「中学生の友」「女学生の友」らしい。
女学生の友。初めて聞いた。なにが書いてあるのだろう。
中身を見てみよう。
まずは社会科だ。材木の流通の流れを学び、力をつけるのだ。知恵は力。
次のページ。
……ちょっと難しすぎない? いや、これを自力で調べて解いてこそぐんぐん力がつくというわけか。ハードコアだぜ、おけいこちょう。
2ページから飛んで15ページ。3〜14ぺージは残念ながら抜け落ちていた。
きっとエッチなことが書いてあったに違いない。さてはGHQが検閲してエッチだからって引き抜いたな。チクショウGHQめ。見たかったぞ、エッチなこと。
なので残念ながら何のページなのか全くわからない。おそらく当時の街並みなのだろう。
背の高い建物が少ない。馬が現役で労働力。飛行機がやたら低く飛んでるあたりがなんともそれっぽい。
理科の問題だ。
上のえの 矢じるしの ところの 名前が わかりますか。 わからなかったら 先生か 家のかたに きいてごらんなさい。
問題文がなんだか優しい。そうだ、わからないときは聞けばいいんだ。
おもちゃの動力に関する問題。力をつけるには力の仕組みを知ることも重要。
これ、何? 動くの?
算数の問題。当時の物価が垣間見える。
すすむくん、ずがようし2枚にはんし8枚買う上にえんぴつ6本も買ってめちゃめちゃ書く気満々なのにけしゴム買わなくていいの? 本当に大丈夫?
このぐんぐん力のつくおけいこちょうはこの他にも多数の問題が掲載されており、ぐんぐん力をつけるにはもってこいな内容であった。
抜け落ちていたページはあったもののすべて解くことができたら相当な力を身につけることができただろう。
だが残念なことにこのおけいこちょうの答えは本誌の方に掲載されていたらしく、答えても答えあわせができないのだ。これでは力がついたかどうか確かめることができない。とても残念だ。
しかしこれにめげずに力をつける方法を模索していきたい。俺は力が欲しい。
これ、なんだったのか気になるなあ。
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